Studio Oneで作った音源をnanaに投稿してみました。その時につまづいたことなど、つらつらと。
まぁいわゆる体験談というやつですw
nanaへ投稿できるファイル
” nana “とは、nanaアプリを使って歌を吹き込んで投稿するサービス。最近になってアプリ以外にもパソコンのウェブブラウザからの投稿に対応したらしい。
ってことで、その歌を吹き込む時に必要なカラオケをStudio Oneで作ってみました。
→ nana music
(アプリはGoogle Play/AppStoreからDL)
で、nanaが受け付けてくれるオーディオファイルに多少の制限がある。
・再生時間:90秒以内
・ファイル形式:.wav (WAVE PCM非圧縮オーディオファイル)
・ビットレート:16bit
・サンプリング・レート:44.1kHz
・チャンネル:モノラル
・ファイルサイズ:10MB未満
厄介なのがモノラルファイルしか受け付けてくれない…ということ。
なぜ厄介か…というと、StudioOneの”ミックスダウンをエクスポート”メニューにはモノラル変換の機能がないw
しかし、あとひと手間加えることで、モノラルのオーディオファイルを吐き出すことが出来る。
やり方はコチラ
→ 【 Studio One 】モノラルのオーディオファイルをエクスポートする方法|ゆめはてコム
モノラルトラックの聴こえ方
ステレオトラックと、モノラルトラックとでは、音の聴こえ方が全然違います。
そりゃそうだ(笑)
ステレオトラックでは左右のスピーカーを有効に使うことが出来て、真ん中から聴こえてきたり、ちょっと左側から聴こえてきたり、丸っきし右からしか聴こえなかったり…と、様々な工夫ができる。しかし、モノラルトラックではそれが出来ない。全部、真ん中から聴こえてきてしまう。
なので、左右の広がりを簡単に作ることができなくなってしまう。
せめて出来ること…といえば、各楽器のキャラクターをEQなどでしっかりと作ってやり、帯域での被りを抑えてやることで聴き取りやすくする…くらいのもの。
(横の広がりをいじりようがないのでせめて縦の線を整えよう!ということ)
スマホのスピーカーで聴く
何が怖いって、スマホやタブレット内蔵のスピーカーで聴かれるかもしれない…ということ。
パソコンでも内蔵のスピーカーで聴かれるのだとしたら、これは相当音が変わってしまうことを意識しておかなければいけない。
すでにお気付きの人も多いかもしれませんが、まだピンとこない方は自分の音源でもCDやストリーミングの音源でもいいので、スマホ内蔵スピーカーで聴こえる音を、可能な限り整った環境で聴ける音を比べて欲しい。
同じ音源で。
でも、そんな作業ってメンドクサイよねw
そこでDAWを使っている人にはこんなプラグインがある。
マスタートラックに挿して使うプラグインで、スマホのスピーカーで聴いた風な音、ラジオから流れてくる風な音をシミュレーションしてくれるプラグインだ。
これを使うことで、わざわざエクスポートしたオーディオファイルをスマホに転送して聴き比べたり…という手間を大幅に削減できる。(全くゼロ!とは言えない…あくまでもそれ風…やはり最後には実際にやってみるのが確実)
で、このプラグインを使って、ここで言っているお話しを改めて確かめてみたいと思う。
様々な視聴環境を手軽にチェック
プラグインでスマホのスピーカーをシミュレートしますので、ここから先の音源は可能な限り整った環境で聴いてみてください。
(そうでないと、スマホのスピーカーをシミュレートした音源は、ただでさえヒドイその音を更に過酷な環境で鳴らすことになるので…)
まずは、普通にステレオで吐き出したオーディオファイルを用意しました。
(中身は以前どこかで使ったEメジャーブルース進行のトラック)
まぁ、普通に聴ける程度の仕上がりには、なっていると思います。
(あまり細かいツッコミはなしの方向でお願いしますw)
で、次にこれをStudioOneの”ソング>>ステムをエクスポート…”メニューからモノラルで吐き出してみる。
音像が真ん中に集まりはしたものの、まだ大丈夫。
で、これをスマホのスピーカーで鳴らした音にシミュレートしました。(モノラル化はこのプラグインの中で行いました)
ふくよかな低音域が消えてしまい、ベースの音が別物になってしまいました。
その影響もあってか、高音域がギラついた感じになっています。
ここでは、まだ楽器の数も知れている(ドラム、ベース、ピアノ)こともあって、まだ聴けなくはない状態ですが、これがハードに歪んだギターなんて乗っかると、もう大変なことになります。
ちなみにハードなギターが乗っかったモノラルトラックの例がこちら
整った環境で聴いていただけると、まだマシですが、これをスマホのスピーカーで再生すると…はい、悪い例ですw
そこで、ステレオで吐き出す時にはあまり気に留めていなかった音量をグッと下げてやりました。
具体的には、瞬間的なピークが-14LUFSを越えない程度。Short Termでざっくり-18〜-19LUFS辺りに来るようにしました。
(これでも実は放送局の規制を大幅に越えているらしいw)
LUFSを軸にマスタートラックの前にバスチャンネルを挿入して全体の音量を調節しました。なので、マスタートラックに刺さっているコンプやリミッターなどへの影響もも薄れている(指定したThresholdを下回る事が増える…など)ハズ。
音量をグッと下げ、マスタートラックのエフェクターが肩透かしを喰ったせいもあってか、単純に音が小さくなっただけでなく、ピアノの音がやや引っ込んだ印象も受けると思います。その反面、スネアの存在感はちょっと増している感じ。全体的に均一に音量を下げただけで、ボリュームのバランスやEQは触っていません。
ボリュームを下げた音源は、下げる前の音源に比べて、ここでは音量が違っていますが、手元のボリュームで同じ音量になるように調整して聴き比べていただければ、違いは音量だけではないことを感じていただけると思います。
この違いが、実際にスマホのスピーカーで鳴らした時に、だいぶ影響すると思われます。
こと、nanaに投稿するカラオケ音源であれば、その音源に更に声を乗せてミックスされるわけです。その事を踏まえると、音像にちょっと隙間があるくらいでないと声の収まるスキマがない。
その辺を踏まえて、モノラルの音源を作らないといけないのか…と感じたわけです。
というわけで、先程晒したnanaへ投稿した限界Loversの音源も、現在リミックス中w
おまけ
ところで、今回スマホのスピーカーをシミューレートしたプラグイン”MicCheckerPro”ですが、ラジオから流れる風の音もシミュレート出来ます。
これ、ボーカルトラックにでも挿してやればなんちゃってラジオボイスが作れちゃいそうですねw
曲の演出として、ラジオから鳴っている風の雰囲気作りにEQで低音域・高音域をバッサリ切り落として…みたいな手間をグッと省くこともできそうです。
まとめ
ちょっとしたキッカケがあり、nanaに投稿することになったのですが、カラオケを作って投稿した段階ではパソコンからしか聴いておりませんでした。投稿後、気付いたのです…nanaアプリって言うくらいやから、結構な人達がスマホでこの音源を聴くことに。
慌ててチェックしましたよw
そして愕然…
そんな時に、たまたまMixCheckerProのセールが飛び込んできた(笑)
これはミックスのやり直しをせぇ!ってことですねw
ちなみに、nanaへ投稿するキッカケとなったのは、以前からツイッターで優しくしていただいているラップトップ税理士@DTM初心者さんが限界LOVERSを歌っていた音源に遭遇したこと。で、それがなかなか聴きにくい仕上がりだった。それなら…ということで、こちらでカラオケを作って歌っていただいた…ということです。
実は結局その時の音源と同じ過ちを犯してしまっていたという…ゴメンナサイw
その音源がコチラ
(ご協力ありがとうございました!!)
でわでわ