DAW・DTM初心者がDAW付属のプラグインエフェクトに不満を感じ始め、次なるステップアップとして手に入れるべきプラグインは、頑張って iZotope「Music Production Suite 2」を選ぶべき!と感じましたので、その理由などをつらつらと。
いや、ホント、マジでいいですよ!
セールは待ってくれない
一言にプラグインエフェクト…といっても、その種類は実に多種多様。コンプレッサーひとつを取ってみても、各社からそれぞれに、またいくつものコンプレッサーが開発・販売されており、どれがいいの?という疑問に対する回答は一筋縄ではいかない。
エフェクターについて、知識が増えてくればくるほど選択肢は増えてゆき、ひとつのエフェクターを選ぶ出すのに多くの条件分岐をくぐり抜けることになる。
それを、DAW・DTM初心者が同じ様に取捨選択して選び出すことなんて出来るわけがない。
しかしブラックフライデーは待ってくれない(笑)
各社があり得ない割引きで、多くのプラグインを叩き売りと言っても過言ではない程のセールを行ってくれるのだからこの時期を逃す手はない。
そんなセールに盛り上がるこの時期を狙ってなのか、iZotope社は各プラグインのアップグレードを繰り返してきた。
そして、そんなアップグレードを果たしたプラグインを含むバンドルもリニューアルされている。それが「Music Production Suite 2」だ。
本家サイト(英語)
→ Music Production Suite 2|iZotope
ミックス・マスタリングは「Music Production Suite 2」で完結
この「Music Production Suite 2」には、以下のプラグインが含まれている。
・Nectar 3
__Celemony Melodyne 4 essential
・RX 7 Standard
・VocalSynth 2
・Insight 2
・Ozone 8 Advanced
・Neutron 2 Advanced with Visual Mixer
・Tonal Balance Control
・iZotope Relay
これらのプラグインが揃っていることで、DAW内に並んだ各トラックの微調整からミキシング、そしてマスタリング(ここではミックスダウン後の最終的な微調整)を完結させることが出来る。
また、Nectar3が含まれていることで、ボーカルトラックに対してもしっかりとパテ盛りヤスリがけを行い、更にはVocalSynth2によるケロケロボイスどころではない飛び道具的なエフェクト加工も可能になっている。
またNectar3にはMelodyne 4 essentialが付いてくるので、ピッチ修正もバッチリ。
そして更にはRX7という音声ファイルのトリートメントツールも含まれているので、マイクによる音声収録の際に紛れ込んだノイズを除去したり、うっかりかけ録りしてしまったリバーブ成分を除去してしまう…といったどんな理屈でそんな事ができるのか解らないような加工が出来てしまうスグレモノ。
当然このツールにもアシスタント機能が搭載されているのではじめのうちはツールに判断を任せ、どのような作用にどの機能が用いられているのかを見て学ぶといい。
自動解析による提案は3パターン提示してくれるので、それらから選ぶ事もできる。選ぶ前の段階でどの機能を使っているのか?も確かめられるので、RX7の勉強にもなるよ。
残念ながら、「Music Production Suite 2」にバンドルされるRX7はStandardクラスになってしまうが、このRX7のAdvancedクラスは通常価格で$1,200程もしてしまうのだから、もう業務用ツール(笑)。
そしてInsight2で最終的な仕上がりを視覚的に分析して音源を完成させることが出来る。
マイクによる録音を行わないので…という方も、このInsight2が含まれている事で、自作曲の分析を視覚的に行い、客観的に調整が出来ることは非常に便利。ラウドネスメーターはもちろん、ピーク・RMSメーターも内包。「Spectrogram」や「Intelligibility」ではNeutron2やRelayと連携することで、特定のトラックだけを分析したり比較することが出来る。
各プラグインの詳細は他のエントリーに譲るとして、ここではどうしてこの「iZotope Music Production Suite 2」バンドルに注目すべき!なのか?についてお話したい。
お買い得感
「Music Production Suite 2」は、iZotope社のサイトで、通常価格$999→新発売特価$599(2018年11月現在)…となっている。その他、すでにiZotope社製品を持っている方へ向けたアップグレードプラン・クロスグレードプランも用意されている。
始めてiZotopeプラグインを入手する場合でも、タイミングを狙えば$599で手に入る「Music Production Suite 2」には、通常価格で$499の「Ozone 8 Advanced」や「Neutron 2 Advanced(こちらも$499)」が含まれている。これだけですでにお買い得価格であることはお判りいただけることでしょう。
ちなみに「Ozone 8 Advanced」、「Neutron 2 Advanced」に「Tonal Balance Control」プラグインを加えた「O8N2バンドル」もプランとして用意されているのだが、その通常価格が$699ということで、もうすでにおかしなことになっている(笑)
セールを巧く狙うことで「O8N2バンドル」よりも安い価格で「O8N2バンドル」よりもたくさんプラグインの入ったバンドルを手に入れることができるのだ。
$500とか$600とかそこまでは厳しいけど$200くらいなら…って場合なら、「Elements Suite」がある。
本家サイト(英語)
→ Elements Suite|iZotope
これは各プラグインの低価格版…エレメンツクラスの組み合わせ。(同梱されるプラグインの数も少ない)
ここに含まれる各プラグインは機能制限こそされているが、それぞれのエッセンシャルを満喫することは出来る。もしかしたら、本当にエフェクトについての知識のない方であれば、これくらいから始めると迷子にならずに済むのかな?のちのちアップグレードプランで「Music Production Suite 2」を手に入れることも可能。
「いや〜今回は5桁円の予算…ムリだわw」って場合は、選びに選んで必要と思われるプラグインをひとつずつ、じっくり手に入れて、そしてしっかりと使いこなして欲しいと思う。
Waves社のバンドルであれば「GOLD」あたりが$100を切ったりするセールもあったりする。
→ Gold | Bundles | Waves
これにSoundGrid101テストをクリアすることでもらえるクーポンを利用すれば、更にお買い得価格となる。
→ SoundGrid 101|Waves
また、プラグインブテックでは、何かお買い物をすると「Neutron Elements」がもらえる!というキャンペーンを行っている。
→ Claim your FREE copy of Neutron Elements (Offer Ends 30th November)|PluginBoutique
2018年11月30日まで(海外のサイトなので日本時間とズレがあります)
こういったキャンペーンを利用して、要領良く手に入れるのもありかも
お財布が許してくれる範囲で、新しい一歩を踏み出して欲しい。
使いこなせるのか?
「Music Production Suite 2」には8つのプラグイン(+Celemony Melodyne 4 essential)がパッケージされており、そしてそれらプラグインそれぞれが複数のエフェクターで構成されていたりする。
そうなると、操作方法を覚えるだけで大変なのでは?という心配が湧いてくることでしょう。
しかし、ある程度DAWを触っている方であれば、すぐに馴染むことが出来ると思う。
チャンネルストリップとして必要なトラックに
→ Neutron 2
ボーカルトラックには
→ Nectar 3 & Celemony Melodyne 4 essential
→ VocalSynth 2
マイク収録をした音源には
→ RX 7
バス・トラック・マスタートラックで
→ Tonal Balance Control
マスタートラックに
→ Ozone 8
→ Insight 2
Insight2やVisualMixerとの連携に
→ Relay
→ Neutron 2
と、それぞれのプラグインには大きく目的が割り当てられている。
そして、エフェクト加工・修正系のプラグインには莫大なプリセットが用意されており、それらの中から自分の目指す方向に合いそうなプリセットを選択してやるだけである程度の段取りをしてくれる。もちろんアシスタント機能を使えば、トラックに収録されている音源を聴かせてやるだけである程度のセッティングをしてくれるので、その後、お好みに合わせて微調整をしてやるだけで、それなり(といってもゼロから闇雲にやるより全然いい!)の加工を施してくれる。
プリセット名は英語表記になっているが、ワリと見慣れた単語でカテゴリー分けされているので、使いたいカテゴリーの中を一通り聴き比べてやれば、お好みのサウンドが見つけられるハズ。
それぞれのプラグインやエフェクターの使用方法を詳細に理解しなくとも、使う場所さえ間違えなければ、その先をアシストしてくれるのだからこんな便利なツールは他にない!
使いこなせるかどうか?ではない。
必要なトラックに適切なプラグインを挿し、アシストボタンをポチっとすればいいのだ。
エフェクターの勉強にもなる!
アシスト機能やプリセットで段取りされたセッテイングを見渡すことで、その音色に加工する際にはどんなエフェクターをどんな設定でで使用しているのか?という詳細を覗き見ることが出来る。これは、身近に相談ができる人がいない…って人には本当に助かる機能。だって、楽器屋さんや本屋さんで売っているエフェクターの教科書みたいな本をしばらくは買わなくてもいいのだから。
自分が求めるサウンドをプリセットから見つけ出して、そこに使われているエフェクターをバイパスするなどしてその効果を聴き比べ、また設定値を大袈裟に上下させることで、その数値が何を操作しているのか?といったことも、じっくり見て回ることが出来る。元に戻せなくなったら、またプリセットを呼び出したりアシスト機能を使えばいい。それでまたじっくり眺めることが出来る。
この恩恵は別にiZotope社のプラグインだけのものではないが、プロが業務に使う…に耐えうる品質のプラグインで、エフェクターの基礎を学ぶことが出来るのだ。そして、特定のトラックを選択して比較・分析をすることも出来る。学びのステップアップと共に、備わっている機能のありがたみが身にしみてくるだろう。
ホントにこの値段でよかったの?って(笑)
そこまで使い倒し学んだところで、他社製のプラグインエフェクトを見渡せば、自分にとって必要なプラグインを見つけ出すにしても、随分と迷いは減っていることでしょう。(価格による迷いはいつまでもつきまといますがw)
なので、よく解らないからこそ、この「iZotope Music Production Suite 2」にすべきだ。
本家サイト(英語)
→ Music Production Suite 2|iZotope
まとめ
今回のセールのうちに必要な予算を確保できない!って場合は、ムリに手を出す必要はない。そこは慎重にお財布と相談して欲しい。通常価格で$999もするモノなのだから、コンビニで駄菓子を買うような感覚で出来るお買い物ではない(笑)
ただ、お財布が許してくれるなら、ここを手に入れておくことで、本当に手元の環境が整い、アシスト機能でエフェクターについて学びつつ、プラグイン間の連携を活用して自作曲の音色を仕上げることが出来る。これほどベストな組み合わせは、今のところ他にない!と断言してもいい。
なので、使いこなせる自信ないから…とか、一度にたくさんのプラグインを扱うのが不安…といった理由であれば心配はない。さっさと飛び込んじゃえ!
ただし、パソコンのストレージに余裕がない…とか、そもそも音色加工の変化を聴き取れるリスニング環境が整っていない…とか、お金が足りないので借金して…なんて理由であれば、潔く見送ろう。先に使うべきところがあるのだ。
これからプラグインエフェクトに手を出してみたい!…エフェクターについて知識を増やしたい!…音源をちゃちゃっと完成させたい!…といった状態であれば、この「iZotope Music Production Suite 2」がきっと役に立つことだろう。
また、ある程度エフェクターのことは理解しつつも、今ひとつ使いこなせている気がしない…という人にも、このバンドルはおすすめ。必要なトラックに必要なプラグインを挿して、アシスタント機能をポチポチっとしていけば、ある程度のお膳立てをしてくれる。どのエフェクターを挿そうか…なんて悩んでる時間を短縮できる。どんな設定にしようか…と悩む時間を短縮できるのだ。
ある程度の設定をしてくれたあとの方が、「そうじゃないねん!アレがたらんねん!」と必要な項目にフォーカスできる。
別にミキシングエンジニアを目指してるわけじゃないし…という人は、この「iZotope Music Production Suite 2」でさっさと仕上げてしまおう!
本家サイト(英語)
→ Music Production Suite 2|iZotope