ハムノイズやヒスノイズ、換気扇の音のように、録音したお目当ての音の背景で「ぶーーーーん」とか、「さーーーー」という感じで鳴りっぱなしのノイズを除去する方法をご紹介。
お目当ての音が途切れた隙間で、RX 7 にノイズ成分を覚えてもらって、全体から取り除いてもらいます。
(Elementsでは出来ない手法です…ごめんなさい)
今回はRX 7 Standard及びRX 7 Advanced で使用可能なSpectral De-noise(スペクトラルノイズ除去)を使用して、背景で鳴りっぱなしのノイズを、RX 7に学習させて取り除く方法をご紹介します。
※ご注意:RX 7 Elementsでは使えないモジュールの紹介となります。
ギタートラックのノイズ除去に挑戦!
今回修正する音源はこちら。(音量にご注意!)
うしろで「ジーーーー」ってノイズがなりっぱなしのギタートラックです。
そのファイルをRX 7に読み込ませるとこんな感じです。(RX 7はスタンドアロンで起動しています)
白枠がギターのフレーズ、緑枠がノイズの成分を表示してくれているものです。(多分w)
RX 7 にノイズ成分の分析をさせる
続いて、RX 7 にノイズ成分の分析をしてもらいます。
①にある3つの四角のうち左を青くしておくと、横方向にドラッグしてすべての帯域をまとめて選択することが出来ます。
②の白枠で示したように、ギターの鳴っていない場所を選び横方向にドラッグします。
③右側のリストの中から”Spectral De-noise”をクリックします。
すると、RX 7 上で小窓が開きます。
開いた小窓の左上に”Learn”と書かれたボタンがありますので、ギターの鳴っていないノイズのみの部分をドラッグしてあることを確認してからクリックします。
RX 7 が一瞬モニョモニョっと動いたあと、動作が止まりますとノイズ成分を分析し終わっています。
RX 7 にノイズ成分を除去させる
Macでは⌘+”a”、Winならコントロール+”a”でファイル全体が選択されます。
ファイル全体からノイズ除去をするのではなく、一部分からの場合はその範囲をドラッグして指定して下さい。
選択状態にした後、小窓右下にある”Render”ボタンをクリックしてやります。
RX 7 の処理が終わりますと、ギターのフレーズ以外の部分が薄くなっています。
ノイズ成分が除去された…ってことですね。
ノイズ除去完成!
で、こんな感じになりました。(音量にご注意!)
ややノイズは残っておりますが、完全に除去した場合、ギターの音にも影響がありましたので、ちょっとノイズを残す方向で調整してバランスを取ってみました。
そのバランスは”Spectral De-noise”の小窓右側にある”Threshold”や”Reduction”を調整することでざっくり変更できます。
更に微調整をする場合はパネル下部のパラメータを調整してやります。
この辺まで来ると私には手に負えません(笑)
詳しくはこちらのマニュアルで確認下さいw
→ Spectral De-noise(スペクトラルノイズ除去)[STD & ADV] – RX 7 Help
DAWの中でも使えなくはないが…
RX 7の各モジュールはDAWの中でインサートエフェクトとして挿すことも可能です。
が、しかし、ノイズ処理のプラグインは挿しっぱなしにしてつかうよりも、スタンドアロンで処理してしまって、ノイズのないファイルをDAWに読み込ませる方がCPUへの負担も軽いと思われますので、そちらの方でご紹介いたしました。
実際に練習してみましょう!
今回、このページでご紹介しましたノイズ入りの音源をダウンロード出来るようにしておきます。
ノイズ入り音源(ファイル名=RX-7-Tutorial-01-01.mp3)
ノイズ除去加工後音源(ファイル名=RX-7-Tutorial-01-01-after.mp3)
それぞれテキスト部を右クリックして任意の場所に”名前をつけて保存”して下さい。
実際にやってみることが一番の近道だと思いますので、どんどんRX 7を使って、マスターして下さいね!
シメ
RX 7 のモジュールの中にははハムノイズ用のモジュールが用意されていたりと、ノイズ成分の聴き分けの出来る方にはモジュールを使い分けすることが出来ますが、まだノイズの種類も判らない…といった慣れていない人にとっては、とても頼りになるモジュールとなります。
ただ、この”Spectrul De-noise”モジュールを使う条件として、ノイズだけが再生できる部分が数秒程度必要になります。なので、楽器など残したい成分が常に鳴りっぱなしの音源からはノイズを巧く抜き取れない場合もあります。
主だった使い方としましては、今回のようにエレキギターのピックアップから発生する鳴りっぱなしのノイズをゲート処理し忘れた時や、レコード・カセットテープからダビングしたファイルからヒスノイズを除去する…といった使い方が向いていると思います。
また、範囲指定を巧く使いこなすことで、特定の周波数に紛れたノイズだけを取り除くような使い方も出来ると思われます。
RX 7を手に入れたばかりの人は、アシスタント機能と合わせて、まずはこのモジュールから使いはじめて慣らしていくといいかもしれませんね。
でわでわ