Waves CLA MixHub サチュレーション・サミング・倍音付加のチェック

DTM

Wavesより発売された CLA MixHub の、アナログチックな効果をチェックします。
サチュレーションだとか、サミングだとか、倍音がどの程度付加されるのか、アナライザーで見てみましょう。

チェック方法

Waves eMo generatorを使って1kHzのサイン波を-20dBで鳴らし、そのサイン波をCLA MixHubに通した後、マスターチャンネルに挿したStudioOne付属のアナライザーで倍音の変化を見てみたいと思います。

1kHzのサイン波を鳴らしただけの状態はこんな感じ。

CLA MixHubはモジュールごとにオン・オフ可能

CLA MixHubはインプット部、EQ部、ダイナミクス部、アウトプット部、そして、インサート部それぞれにオン・オフ可能なスイッチが用意されています。

これにより、そのチャンネルで必要のないモジュールは機能せず、音質変化の影響や演算の負担を軽減できる…などの恩恵があると信じたい(笑)…その辺は外からじゃ判らんw

前提として64chまで管理可能な設計になっているので、多くのチャンネルで使用されることが想定されているはず。1チャン1チャンは僅かな違いでも何十トラックと使った時、チリツモで差が生まれると思われます。

仮にプラシーボ程度の効果しかないとしても(笑)、利用しない機能はオフにしておこうかと思います。

倍音変化のチェック

それではさっそく、MixHubを挿してモジュール一つずつチェックしてみます。

まずは、インプット部から。

インプットモジュール

インプット部だけオンにします。

この時、プリセットによるフルリセットの設定で、アナログボタンがオンになっているので、このままチェックします。

アナライザーはこうなりました。

2倍音が約-115dB、3倍音が約-125dBで発生しています。

次にマイクノブを回してみましょう。
マイクノブは本来マイク入力の調整に使うものなのでしょうが、DAWの中に入ってしまえばライン入力もマイク入力もありませんので(いや、あるけどそれはパソコンの外)、ここではマイクプリへの送り量の調整…と捉えていいんとちゃうでしょうか。
…知らんけどw

で、マイクノブを回してみたところ、かすかに4倍音の発声が確認できました。

こんな感じ。

この状態で2倍音は約-108dB、3倍音は-126dB程まで上がっています。

更にマイクノブを上げてみましょうか(笑)

思い切ってマイクノブを真ん中まで回してみました。数値的には25を示しています。

また、いたるところでクリップを示すインジケータが点灯w
デジタル機材では絶対にやってはいけないやつ。アナログ機材のモデリングなので、この状態の音が気に入れば使ってもいい。
…理屈上は(笑)

で、倍音はどうなっているか…といいますと…

もうシッチャカメッチャカですw

じっくり見ていただければ判ると思いますが、もともと鳴らしている1kHzのサイン波は0dBを突き抜けました(笑)
数値上は歪が発生している…ということでいいと思います。正味なところはその機材の許容量に左右されるところなのでしょうが、この状態でMixHubが抑えつけて得られる効果をサチュレーションと呼ぶ…ってことのはず。間違ってたらゴメンw

ちなみにこの状態で聴こえている音は…といいますと、もともと-20dBの音量が心地いい程度にしていたボリュームではもう聴いていられません(笑)

なので、クリップを示すインジケータが点灯・消灯の境目をラインノブの方で探ってみました。
すると、-8.0まではインジケータが点灯していましたが、-8.1で消灯しました。

黄色枠で囲ったインジケータは消灯しましたがVUメータやらは振り切っていますので、現実的にはもうちょっと下げることになりますかね(笑)
この歪がいい!ってんなら、DAWの方で調整してやればいいですが。

で、この状態での倍音の状態がコチラ。

1kHzの先は0dBを下回りました。

倍音の方も落ち着いてきて(笑)、
2倍音が約-70dB程
3倍音が約-75dB程
4倍音が約-86dB程となっています。

5倍音以上も発生していますが-120dBを下回っていますので、音色への干渉は多少あるかもしれませんが、これらの倍音はメディアに残りませんし聴き取れもしないと思います。(記録できるのは正味16bitで約-96dB程、24bitで約-144dB程だったはず)

で、このインプットモジュールの最後にアナログボタンに触れておきましょう。
先程のクリップインジケータが消えた設定のままアナログボタンをオフにしてみました。

するとビックリw倍音が一切付加されない。

そういうことなんですねw
さすがはデジタル技術。実際のコンソールではこんな都合のいいこと出来ませんからねw

ならば、1kHzのサイン波が0dBを突き抜けていた設定に戻してみます。つまりラインノブをセンターに戻す。

倍音は付加されずに1kHzのサイン波だけが0dBを突き抜けました。

これなら倍音の影響を受けないサチュレーションの効果のみを確かめられそうです。ただ、さすがにサイン波だけではピンとこないでしょう(使える・使えないの判断ができない)から、またの機会…ということで(笑)

そうそう、ちなみにマイクノブを回した状態で、もともとのサイン波-20dBの音量にそろえて違いがあるのか確認してみました。
ラインノブを左いっぱいに振り切って最小値にしても-20dBまでは下がりませんでしたので、マイクノブも下げて調整してみました。

マイクを20.0まで下げたところで-20dBとなりましたのでサイン波のグラフを比較してみましたが、この縮尺で判る範囲ではほぼ同じ…という感じです。
さすがはデジタル技術(笑)

サイン波だけのグラフを半透明にして重ねています。きっちり重ねると違いがなさすぎて判りにくかったので横方向にずらしてみました。
まぁ、ほぼ同じと言って差し支えないかと思います。

EQモジュール

続いてEQモジュールをチェック。
インプットモジュールの機能はオフにして、EQモジュールだけをオンにします。

特に変化なし(笑)

EQモジュールでは倍音の付加はないっぽいです。

念の為、EQのツマミも回して確認しておきます。

ちょうどLOWのツマミのセンターが1kHzになっていますので、これを右いっぱい…15dB上げてみます。

-20dBだったサイン波のグラフが-5dBまで伸びました。

さすがはデジタル技術…キチンと仕事をしてくれます(いや、そこはアナログ機材でもやってくれないとw)。

次にミッドのノブ(3kHz)を回してみます。

文字が崩れていますがマックスの15dB上げています(16dBに見えなくもないw)。

3kHzの増幅でも干渉で釣り上げられました。

だいたい-1.5dBになっています。

最後にハイのノブ(8kHz)を回します。

ここでついにー0dBを突き抜けました。

ここまでブーストしてみても倍音が付加されることはありませんでした。

ちなみにインサート機能を使いまして、MixHubの中にSSL EQを挿してみました。

すると、こちらもブーストしただけでは倍音の付加はなく、そういえば…と思い出したのがアナログ機能。まぁ、ノイズを付加させる…ってやつですね。これをオンにしてみましたら、全帯域でモヤモヤノイズが確認されました。

その様子がコチラ。

そういえばMixHubにはこのアナログボタンがない。
いや、インプットモジュールにはありましたが、このアナログボタンは倍音が加えられる効果で、SSL EQのようなノイズを載せるものは搭載されていないっぽいです。少なくともEQモジュールにはない。

あれか、皆さんあまりこの機能(アナログノイズ)使ってないってことか(笑)

ともあれ、MixHubのEQモジュールでは倍音が付加されることなない…ということでよさそうです。


ここで一旦、区切らせていただきます。

別のページで改めてダイナミクスモジュールの倍音チェックをしています。
よかったら併せてご覧ください。

Waves CLA MixHub ダイナミクスモジュールの倍音付加チェック|ゆめはてコム

また後ほど、ダイナミクスモジュールの様子も加筆したいと思いますが、一旦ここで公開させていただきます。
なんか最近グーグルのクローラーが来るのが遅いもんで(笑)。

いや、早く公開すればすぐ来る…ってものでもないんですけどね、昨日の投稿がクロールされるついでにこのページも読んでいってくれるかな?という淡い期待を乗せて公開させていただきます。

でわでわ

CLA MixHub Plugin | Waves


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Waves CLA MixHub ダイナミクスモジュールの倍音付加チェック|ゆめはてコム
https://yumehate.com/cla-mixhub-dynamics-saturation-check/
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