Addictive Drums 2 には ADpak という別売りドラムキット音源があるわけですが、これを選ぶのに悩みすぎて他人様のオススメを検索されている人が少なからずいらっしゃるようです。しかし、必要なのは自分にとってのドラム音源。
ということで、あなたにとって必要な Addictive Drums 2 の ADpak を見つけるお手伝いが出来るように…と思いまして、ちょっと分類をしてみましたよ。
AD2-ADpakの全体を見る
まずは全体を把握しておくほうが、後悔を少なくすると思いますので、いきなり面倒ですが全てのADpakを眺めてみて下さい。
赤・緑・黄色の枠で囲ってあるのは、キットが固定されているパッケージに含まれているものです。
なので、この括りのどれかで充分であれば悩む必要なない。しかし、あとから「あw」って事のないように一応全てのキットに目を通しておいて欲しい。
用途が明確なADpak
ジャンルがADpak名になっていたりして、要不要の判断が早そうなADPalkをまとめました。
これらは、特定のジャンルに特化したキットやプリセットが用意されているので、汎用性は低く、明らかにこのジャンルをやるんだ!って場合を除けば悩むことは少ない。
一応それぞれの特徴を並べておきます。
モダンソウル&”R&B”
・ダンソウルやR&Bのプロダクションに最適なキット
・Yamaha Absolute Hybrid キット
・Snare:
_14x5.5″ Longo Solid Ply Cherry
_14x5″ Ludwig Acrolite 1968
ファンク
チャドスミス(レッドホットチリペッパー)やデニスチェンバーズ(サンタナ)を含む世界的に有名なドラマーの多くが選んだパールリファレンスシリーズのドラムキットを収録したファンクに最適な音源
ブティックマレット
・Soundtrade Studiosで録音
・フェルトマレットとスティックの両方で演奏
・オーガニックミックスや映画のようなサウンドスケープに最適
・Wacco Old Schoolキット
・Snares (Mallets & Sticks)
_14x6″ Hip Custom (Snares Off)
_14x6″ Hip Custom (Snares On)
モダンジャズスティック
モダンジャズサウンドにフィットするよう調整されたPremier Gen-Xキット
モダンジャズブラシ
モダンジャズサウンドにフィットするよう調整されたPremier Gen-Xキット
RealSweepシステムでは、掃引動作を中断することなく掃引にアクセントを付けることが可能。一時停止中はいつでも掃引を停止することも出来る。
セッションパーカッション
・完全なキットとしてマッチングされたパーカッション
・通常のきっとのようにセッションパーカッションを演奏することも可能
_オーケストラバスドラムがキック
_ブラジルのカイシャをスネア
_ブロック、タンバリン、パンデイロ、
_ハイハット
・他のADpakに追加してアクセントに使うのもよし
リールマシン
・世界最高級の録音機器を使ってアナログテープに録音
・実際のプレートリバーブと実際の部屋の雰囲気が含まれており、最大限の音響効果
・Drum Machines:
_Linn Electronics LinnDrum
_DMX
_808
_909
_Simmons Digital ClapTrap
_Simmons SDS-V [with Kick, Snare, Tom (x3), HiHat and Cymbal Modules]
・Other Notable Recording Gear:
_Stocktronics RX4000 Plate Reverb
_Lyrec 2″ 24-track Analog Tape Machine
_Otari 1/4″ 2-track Tape Machine
_Ampex 1/2″ 2-track Tube Tape Machines
_Neve 1073 Preamps
_Coles 4038 Ribbon Stereo Room Microphones
_Gefell UM92 Tube Mono Room Microphone
悩ましいポップ&ロック
やっかいなのがポップ・ロックをターゲットにしたADpak。
まずはざっくりポップ向け、ロック向けとされたADpakから見ていきましょう。
ジャンルで見るかシリーズで見るか
ユナイテッドポップとユナイテッドヘヴィーは、ユナイテッドレコーディング(現オーシャン・ウェイ・レコーディング)スタジオで収録されています。
どの部屋でどのアルバムが収録されたのかまでは判りませんが、そうそうたるアーティストが名を連ねています。
→ Albums|OCEAN WAY RECORDING
オーシャンウェイレコーディングスタジオの音が欲しい!ってことならユナイテッドポップとユナイテッドヘビーを選ぶと幸せになれそう(笑)
ユナイテッドヘビーを個別に紹介しています
→ 【AD2】ADpak “United Heavy” の紹介|ゆめはてコム
ユナイテッドポップを個別に紹介しています
→ 【AD2】ADpak “United Pop” の紹介|ゆめはてコム
スタジオロックは先代のAddictive Drums にも収録されていたようで、こうして生き残っている…というのには理由があるのだと思います。その多くのユーザーに愛されてきたコンセプトでポップ向け、プログレッシブ・ロック向けのキットがシリーズ化されたっぽい。
セグメントするほどこだわりはなく、ジャンルに幅がある人はこのスタジオシリーズを押えておくといいかも。
ポップな曲しかやらないし…ということであれば、ユナイテッドポップとスタジオポップを両方持っておくと、幅広く活用できそう。
プロデューサー”Ross Robinson”の名前にピン!と来る人は迷わずメタルを選ぶべし。
ロス・ロビンソンが制作に携わっていることから文句なしのドラムキット音源を手に入れられることでしょう。Roberto LaghiやBjörnGelotte(In Flames)、David EK(Fuge)、Martin Preikschasなど、ヘヴィメタルのプロによるプリセットも収録されています。
こだわりのドラムキットを見つけたい
ひと言にロック…と言っても、実に様々な区分がある。
そんなこだわりを満たしつつドラムキットを選びたい!という人はこちらの図をご覧ください。
こうしてみるとフィアファックスVol1&2は前の項に入れておくべきでしたね(笑)これはわりと汎用が効くドラム音源でした。
ちなみに、冒頭の全体を見ていただいた図でスタンダードパッケージ(本来の呼び名ではない)に含まれるキットがこのフィアファックスVol1&2とブラックベルベットです。
ブラックベルベットはオルタナからグランジまでをカバーできる音源となっていて、このスタンダードパッケージでかなりの幅をカバーすることが出来ます。
とはいえもっとこだわりたい…というのが人情(笑)
そこで、ピックアップされるキーワードが…
・ビンテージマイクとアナログテープ
→インディー
・ビートルズ
・モータウン
・サイケデリックポップ
→ブラックオイスター
・レッド・ツェッペリン(ジョン・ボーナム)
→ブルーオイスター
・ディスコ・ファンク(Daft Punk、Miike Snow、Justice)
→ビンテージドライ
・グラムロック
→レトロプレックス
ということになり、自然と選ぶべきADpakが導かれる。
まとめ
Addictive Drums 2 はそもそもはじめからどのドラムキット音源にするのか悩む必要がある。
BFD3やSUPERIOR DRUMMER 3にように、はじめからいくつものキットがパッケージされているわけではないからだ。
ちなみにこれらの内容を見ておきましょう。
BFD 3
55GBのディスク・スペースから155GB相当のロスレス・サンプルをストリーミング
L.A.のOcean Studiosとメリーランド州のOmega Recording Studiosでレコーディングされた、119個のピースと7つの新しいキット
SUPERIOR DRUMMER 3
約235GB以上にも及ぶ未加工の44.1 kHz / 24bit サウンド
Drum set brands – 6
Kit configurations – 14
どちらも相当なボリュームだ。SUPERIOR DRUMMER 3に至っては別売りでSSDにサウンドライブラリーの入ったものが$200程で売られている。これは別に買い足さなければならないらしいw
こうやって見比べる事でAddictive Drums 2 のボリュームが寂しく見えてしまうじゃないか!と思われたでしょうか?
果たして本当にそうか?
だってですよ、ぶっちゃけ実際に使うのはドラムキット1つなんですよ。
(違う曲には別のキットを選ぶかもしれませんがw)
なので、自分が必要なドラムキット1つあれば実はそれで充分だったりするわけです。
あとはエフェクターの操作で曲に合わせたお化粧を施してやればいい。
そう考えれば、ハナから単品でドラムキットを取り扱っているAddictive Drums 2 にも勝機が見えてくるわけです。
(3つまで各パックを選べるパッケージで購入した場合、一度に全ての選択を迫られるわけではなく、とりあえず1つ選んでおいて、残りは後から選ぶ…ということをさせてくれるのも魅力のひとつだと思います)
Addictive Drums 2 のADpakはキット一つ一つで収録スタジオが違っていたりする。そう、ひとつのキットごとにこだわりが注ぎ込まれているわけです。
確かにファイルサイズは比べると寂しいでしょう。ADpak1つあたり1GBなかったりしますから。しかし、それは逆に動作の軽快さというメリットも生むわけです。ファイルサイズが大きくてストレージに余裕がなくなってしまうのも本末転倒。外付けストレージに置けばいいから…と思っている方ははなからAddictive Drums 2が選択肢に入っていないことでしょう。
ファイルサイズは負けているとしても、収録スタジオをキット毎に換えているとか、わざわざアナログテープに録音してから製品化しているキット(ちなみにインディー)や、APIコンソールに通してから録音しているキット(ビンテージドライ)なんてこだわりもある。
そんなこだわりのドラム音源がキット3つで$100程度で手に入るなんてとてもお買い得だと思う。
(時期によって変わりますが今確かめた所”AD 2: Custom(ADpak3つチョイス)”が1万ちょいでした)
そんなこだわって収録された音が適度にカスタムすることも出来るのですから、音作りに時間をかけたくない人にとっては実にバランスの取れたドラム音源と言えるでしょう。
今回のように、全体を把握してから選ぶことで、あとあとの後悔の心配も随分と回避されると思います。
自分がこれから作ろうと思っている曲の路線をここで照らし合わせれば、自ずと必要なADpakが見つかったのではないでしょうか。
でわでわ