「AD2」と略される事も多い「Addictive Drums 2」をおすすめしてみる。当然私も使っております。
数あるドラム音源の中でも、わりとセールを行っている印象もあり、敷居も低く、そのくせ中々ワガママな注文にも答えてくれるAddictive Drums 2。
ただ、はじめて導入する際には、少々選択肢が多すぎる印象。
そこで、どこに目を向ければいいのか?をご紹介。
はじめに結論
Addictive Drums 2を手に入れるなら、セール開催時を狙う!
そして、いくつかあるバンドルの中から、「Addictive Drums 2 Custom」をチョイス!お財布事情が許すならCustom XLもある(こちらは6種類ずつ選べる)。
→ Addictive Drums 2: Custom – XLN Audio(メーカーサイト・英語)
→ Addictive Drums 2: Custom XL – XLN Audio(メーカーサイト・英語)
このAddictive Drums 2 Customは、ドラムキット、ドラムパーツ、MIDIデータを3つずつ選んで購入できるバンドル。タイムング良くセールを狙えれば、このボリュームで4桁の金額で入手可能。
xln audioにアカウントを作成後、3つずつ選ぶ事になるが、いきなり全部選ぶ必要はない。
まずはドラムキットを1つ、集中して選ぶ。
選ぶコツについては続きをどうぞ!
他のドラム音源との比較
私は、過去にEZ Drummerを持っていた。持っていたとはいえ、全然使いこなせていなかったし、かれこれ数年も前の話なので、詳細は忘却の彼方。
それでもMIDIパターンには非常に助けられたので、この機能は捨てがたい。しかし、EZ Drummerではドラムキットのセッティングについてはあまり突っ込んだ調整は出来なかったはず。
となると、まず候補として上がるのはTOONTRACK 社の「SUPERIOR DRUMMER 3」ということになる。しかし、この音源…ファイルサイズがデカすぎるw
→ ソニックワイアさんのブログによるとそのファイルサイズは230 GB以上とのこと。
同様にBFD3も55GBで除外。
→ BFD 3 | Media Integration, Inc.
こうなってくると、あとはファイルサイズが明記されることが少ないAddicrive Drum 2 が浮上。この音源にはMIDIパターンも搭載されている。
賛否が分かれるが、とあるアニソンでも採用されており、その音源の中でAddictive Drumの音が聴かれるらしい。
その音色に特徴があり、判る人が聴けばAddictive Drumが使われている…と判断できるらしい。
何の音源を使っているのか?がバレる事を嫌がる風潮があるのは解らないでもないが、目線をズラせばプロの音源でも採用するに耐えうる質を持っている…とも言える。
わたしの場合はこれが決め手となった。
購入後に気付いたことだが、全てのエフェクトをカットして、ある程度のパラアウトにしてやれば、イチから自分の好きなプラグインエフェクターを使い好きなように音作りできるのだから、Addictive Drumを使っている…と、どうしてもバレたくないのならそこから音作りをすればいい。私はいいや(笑)
オススメのスターターパックはコレ!
Addictive Drums 2の購入時、悩ましいのが選択肢の多いこと。他のドラム音源のようにすべててんこ盛り…ではないので、はじめにドラムキットを選んで購入することになる。
そのため、選択肢が非常に多く、悩まされることに。
しかし、ポイントを押さえればその悩みを分割することが可能。
それは、初めての購入時は、「Addictive Drums 2 Custom」を選べばいい。
→ Addictive Drums 2: Custom – XLN Audio(メーカーサイト・英語)
定価で税別28,000円程するが、セールを狙えば4桁で購入が見込める。
(2018年夏のセールでこのCustomが税別8,320円程で販売されていた)
その上、ドラムキット、パーツ、MIDIパターンをそれぞれ3つずつ選ぶ事ができる。
で、何がスゴイって、この3つずつ選ぶのは後からでいい…ってこと。
なので、まずは1つだけ、ドラムキットを決めれば、他の2つのキット、3つのパーツやMIDIパターンは後から選べるのだ。
ちなみにこのページ執筆時点で私もいくつか放置しているw
規約の変更でもない限り、あとからじっくり選ぶことが出来る。
その上、Addictive Drums 2を起動すれば、まだ手に入れていなドラムキットのデモ音源をこのソフト内で試聴することが出来る。
サイト上で聴き比べるにはあちこちのページを行ったり来たりしなければいけないので非常に面倒だが、Addictive Drums 2の管理画面の中で聴き比べられるのは非常にお手軽。
まずひとつのドラムキットをじっくり使いつつ、耳が馴染んできた頃に他のキットを試し聴きすれば、判断も精度が上がる。
ADPakを選ぶ
Addictive Drums 2 では、ドラムキットの事を「ADPak」と表記する。このドラムキットがなかなか種類が豊富で悩ましい。ジャズやファンクであれば選択肢は限られるが、ことポップなジャンルからハードなロックまではいくつか芸風のかぶったADpakがある。
なので…
ジャンルで選ぶ
ドラムという楽器に対して知識が漠然としているのであれば、ADPakに付けられている名前から判断して、あなたの創作しているジャンルから選んでやればいい。
そうすれば、ある程度まで選択肢を絞ることが出来る。
ドラムキットで選ぶ
ある程度、ドラムセットに対して造詣を持たれているのであれば、ADpakに収録されているドラムキットの種類を参考にするのもいい。
英語にはなってしまいますが、xnl audio のサイトにADPakの一覧があり、それぞれの個別ページへのリンクを辿れば、そのドラムキット収録に使用されたメーカーやモデルが記されている。
→ ADpaks – XLN Audio
ここにひとつだけ例を挙げておきます。
こちらのキットは「StudioRock」で、ソフト内で見るとこんな感じ。
リストをご覧いただければ、お判りいただけますがスネアとキックにはPearlとTamaのモデルが採用されています。ハイハットには Paiste シンバルには Sabian と、なかなかの組み合わせ。私のとってはとても馴染みのあるブランドでしたので、このADpakは入手しました。「えぇ〜っ」て思うなら、コレ以外のADPakを選ぶ…という選び方もある。
Vintage Dry であれば、LudwigのキットにSonorのキックとスネア、ZildjianとSabianを組み合わせたシンバル5枚。
Modern Soul And R&B であれば、Yamaha Absolute Hybrid Kick & Tom×4。スネアにLongoとLudwig。シンバルはMeinlが5枚。
ADPakによってはシンバルが7枚だったり、カウベルやタンバリンが付属するものもある。
また、スネアやキックが1つのものや2つ含まれるものもあるので、じっくり比較して欲しい。
こうした組み合わせをしっかりと比較して、自分が使いそうな音の入っているADPakを選ぼう。
耳で選ぶのをお忘れなく!
それぞれのADPakにサンプル音源があり、同じADPakのサンプルなのに、音色の印象が随分違ったりする。これは、AddictiveDrum2の管理画面内にあるエフェクターによる効果だ。
同じドラムキットであっても、コンプレッサーでガッツリつぶしたり、サチュレーションを加えることでパンチのある音色にすることが可能。
ひとつのドラムキットだけでも様々な印象を持たせることが出来る。
なので、最後は自分の耳でしっかりと聴き比べ、自分の曲に似合う音色・キットを選ぶようにして欲しい。他人の評価がどうであれ、自分の曲に使えるかどうか?というのが一番重要な選択基準なのだから。
使用音源を見破られたくない!
とあるアニソンでも聴くことの出来るAddictive Drumの音色。人様にそこを突っ込まれるのがイヤやなぁ…と考える気持ちもわかる。
しかし、程々にマニアックなセッティングにも対応しているこのAddictive Drum であれば、手元にあるプラグインを利用して、音色を加工することも可能。
作業環境にもよるので、全てのトラックをパラアウトするのが厳しい場合でも、キックとスネア、そしてそれ以外…くらいのトラック割でもそこそこの加工が出来るのではないだろうか。
こちらはStudio OneでAddictive Drums 2 のパラアウトを受けているところ。
キック、スネアを独立させて、その他をオーバーヘッドとルームで賄っている。個人でスタジオに入りドラムを収録する時に、手っ取り早いセッティングがこのくらいではなかろうか。
これでキック、スネアには独立して好きなようにプラグインエフェクターを掛けることが可能になる。
好きなように音色作りをすればいい(笑)
実際にスタジオでドラムパートを収録する前に、ちょうどいいミックスの練習にもなる。
ただ、Addictive Drums 2にも、エフェクターが揃っており、こちらの管理画面の中で完結させて、ステム扱いで2mixをDAWに送る…というのが、パソコンへの負担も軽くてオススメ。
この画面と、空間系エフェクトを管理する画面とで、かなりの音作りが可能。
これでもう「どこかで聴いたことあるかも?」なんて言わせない!
KITPIECE PAKSとMIDIPAKS
ここまでADPakを中心に見てきましたが、Addictive Drums 2には、まだ「KITPIECE PAKS」と「MIDIPAKS」が用意されている。
これらは、もう本当に後から選べばいい。
KITPIECE PAKSについては、まず入手したてのドラムキットをいじくり倒してから、それで足りないモノを選べばいい。
ちなみに私はSONOR DESIGNER SNARE が超お気に入り。ADPak「STUDIO POP」に収録されているスネアのサイズ違い…といった感じなので、次はSTUDIO POPを中心に吟味したい…と考えている(笑)
MIDIPAKSについても、Addictive Drums 2エンジンにある程度のMIDIデータが収録されている。この、あらかじめ収録されているMIDIデータには、お試しセット的に各MIDIPAKSから一部が収録されているので、これらを一通り試してみて、「もっとこの辺が欲しい!」という欲が湧き上がってから選ぶのが安心。
まとめ
ドラム音源の中でも、ちょうど中堅辺りに鎮座するAddictive Drum(と思う)。同人で製品化する音源にも使え得る音色を持ち、ドラムキットひとつに対してかなりの調整が可能。購入時に徹底してドラムキットを悩む事もあって、打ち込み時に惑わされる事もない。
買い揃えたドラムパーツは組み合わせ自在なので、オリジナルのドラムキットを組み立てて楽しむのもいい。
もちろん、本体のエフェクトを全て外し、持ち合わせているプラグインを駆使して、イチから音作りをするのも楽しい。
タイミングさえ合えば、一番オススメできるドラム音源です。
P.S.
そうそう「Addictive Drums 2: Custom 」と「Addictive Drums 2: Custom XL」は、後から追加で購入する際にも追加バンドルとして利用できるので、ドラムキットが足りない…と行き詰まった時には、単品で追加するよりもお買い得だったりします。
まだまだ足りない!って時は、こちらを選ぶのもあり!です。