Waves CLA MixHub ダイナミクスモジュールの倍音付加チェック

DTM

Wavesから発売されたチャンネルストリッププラグイン…CLA MixHub のダイナミクスモジュールで音色変化が起こるのか?確認をしてみたいと思います。
アナログ機材をモデリングしたプラグインで気になるのがどのような音色変化が期待できるのか?といったところ。音色変化の指標としてサイン波を通して発生する倍音をチェックしてみます。

MixHub、インプットモジュール、EQモジュールは別のページで公開しています。併せてご覧ください。
Waves CLA MixHub サチュレーション・サミング・倍音付加のチェック|ゆめはてコム

確認方法

倍音の付加される様子は前回同様1kHzのサイン波を-20dBで発生させ、それをMixHubに通し、StudioOne付属のアナライザーで確かめます。

サイン波の発生にはWaves eMo generatorを使用。

MixHubダイナミクスモジュール – DESK TYPE

それではさっそく、サイン波をMixHubに通します。ダイナミクスモジュール以外の機能はオフにしています。

意外にも反応なし(笑)

またEQモジュールのように付加されないのかしら?なんて油断していたら(笑)、ツマミをひねった時に変化がありました。

まずレシオを5:1に設定。
そして、倍音の発生するギリギリまで様子を見ながら回しましたら…

スレッショルドのツマミが0.6までは倍音が発生しませんでしたが、0.5になるとドーン!と発生(笑)

こんな感じ。

3倍音が約-99dB程発生。
その他、およそ11kHzにもかすかに倍音が発生しています。

さらに1kHzのサイン波を示すグラフの根本辺りが毛羽立つように音が発生しています。(これは倍音と呼んでいいのか?)

更にスレッショルドを上げて(下げて?)-15にしてみました。

すると明らかに倍音が増えています。

今度は右いっぱいの-20。

パッと見の雰囲気は変わりませんが、大きくなった倍音もあれば小さくなった倍音もあります。

先程の-15dBの画像と-20dBの画像を別窓で表示するようにしてありますので、両方を別のタブに表示させ、交互に見比べてみて下さい。
伸びたグラフ縮んだグラフが混在していることが確認していただけると思います。

次にレシオを買えた時の変化を見てみます。

まずはスレッショルドを-5にしてみます。

レシオは5:1のままです。

倍音はこんな感じ。

この辺りからすでに-15dBや-20dBにしたときのような雰囲気になっていました(笑)

さて、ここからレシオを変えていきます。

レシオは8:1。

この段階ではまんべんなく倍音が上昇した程度で新たな倍音が増えることはない様子。

次はレシオを20:1にしてみます。

またまんべんなくグラフが伸びた感じ。

レシオの操作ではあまり極端な倍音の変化はなく、一度発生した倍音が上昇する傾向にあるようです。

それでは最後にマックスのInfinity:1。

ちなみにInfinityの直前は99.6:1でした。

結局、レシオの操作では倍音の増減に複雑な動きはなく、一度発生したものが順当に増えていく感じでした。

ダイナミクスモジュールの機能をオンにしただけでは、倍音は発生しませんでしが、コンプの操作をしてやることでだんだんと強く倍音が付加される…といった感じです。

CLA MixHub DYN DESK TYPE – Gate、Expander、Ducker

ちなみにGate、Expander、Duckerの方では、Expander以外では倍音の発生はなく、Expanderのみ4.45までは変化がなく、4.51にしたところで倍音が発生しました。

4.51にしたところで一気にこんなに発生しました(笑)

その後、6.72辺りで3倍音以外の倍音が消え、そのまま右いっぱいの10まで復活することはありませんでした。

最後はこんな風に3倍音だけが残りました。

MixHubダイナミクスモジュール – BLUEY TYPE

続いてCLA MixHubに搭載されているもうひとつのコンプレッサーBLUEY TYPEを確認します。
まずはデフォルトの状態に戻して、コンプタイプを切り替えます。

コンプタイプをBLUEYに切り替えただけでコレ(笑)

これこれ、こういうのを期待していました(笑)
DESK TYPEだってクリスロードアレジの所有するミキシングコンソールをモデリングしているのだから、てっきりこんな風になると思っておりましたw

それでは続いてレシオを上げてみます。

5:1まで上げてみて、ここまでは変化なし。

画像だけを比べると低音域のところが違って見えますが、この辺りは常にもぞもぞ動いているのでタイミングが悪かっただけ…ということで。

次にレシオは5:1のままスレッショルドを右方向へ向かってひねっていきます。
すると、0を越え、-1を過ぎた辺りから200〜600Hzあたりがざわつき始め、-2までくると明らかに新しいグラフが現れました。

こんな感じ。

だからこの基準になる音より低いのは倍音と呼んでいいのか?ってんです(笑)

ちょっと調べてみましたが、全然見つかりませんでした。

ここでは0.6倍音とか0.4倍音とか、勝手に呼んじゃうことにします。
これは記述として間違いかもしれませんのであしからず…です。

というわけで、そんな0.2倍音、0.4倍音、0.6倍音が現れたと共に、1.4・1.6・1.8倍音なんてのも現れています。

更にスレッショルドを右方向へ回していきます。

-10まで回した辺りで、堂々と倍音と呼べるそれまで背の高かったグラフが縮み、倍音と呼んでいいのかどうか悩ましい背の低いグラフが伸びています。

レシオは5:1のままスレッショルドを更に右方向へひねっていきます。

右端の-20まできました。

2倍音や3倍音もやや背が縮みましたが、0.2倍音や0.4倍音が明らかに背が縮みさらに横に広がりました。

こういった倍音と呼んでいいのか判らない倍音の変化が音色にどう影響するのか?まったく推測できませんが、影響するにしても-100dB以下の話なので露骨な影響は24bitのビット深度で記録する次元の話になるかと思われます。

ただ、いろんな音がここを通った時に何らかの干渉を起こし、音色に変化をもたらす可能性は少なからずあるかと。

サイン波を聴いている分にはうるさくなった…とか小さくなった程度にしか判らんけどね(笑)

ここで一旦レシオを5:1、スレッショルドを-5に戻してみる。

倍音と呼んでいいのかどうかわからない倍音が発生しはじめたスレッショルド-2の状態に近づいた。

あ、いや、100Hz前後にも新たなグラフが現れていましたw
なにやらあちこちで増えたり減ったりしています。

今度はここからレシオの方を上げてみようと思う。

BLUEYといえばCLA76…CLA76でも採用されている比率8:1にしてみました。

すると散らかっていた低域のグラフが集まったように0.2倍音と0.4倍音が大きくなりました。

レシオは8:1のまま、今度はスレッショルドを-15までひねります。

今度は100Hz、150Hzあたりにグラフが現れました。

再びスレッショルドを-5まで戻し、今度はレシオをこれもCLA76で採用されている20:1にしてみます。

200Hz,400Hzのグラフが大きくなると共に、中高音域の方でも細かい倍音が増えてきました。

それでは最後にレシオは20:1のままスレッショルドを-20まで振り切ってみます。

振り切ってしまうと逆に倍音のグラフが小さくなってしまいました。

ノブをひねれば、その方向に順次増減する…というわけにはいかず、なかなか複雑な倍音の動きでした。いや〜、これはまとめようがないです(笑)

CLA76

青パネル

最後の最後にBLUEYのモデルとなっているCLA76もサイン波を通してみました。

倍音の付加はこんな感じ。

MixHub BLUEYのレシオ8:1、スレッショルド-5のものと並べてみました。

ただでさえ複雑な変化を見せる倍音に加え、同じ1176青パネルをモデリングしているとはいえ、パラメータがぜんぜん違うので同じ設定にしようもなく、単純な比較…というわけにはいきませんが、一応並べてみましたよ(笑)

案の定、全然違う倍音の発生をしています。

黒パネル

黒パネルもやってみましたよ。

青パネルと黒パネルでゲインリダクションの振れ方がちがったのでインプットをひねっています。

黒パネルの倍音はこんな感じ。

この検証をやって気付きましたが、黒パネルと青パネルのインプットによるコンプの効き始めは全然違うんですね(笑)
今まで黒パネルばかり使っていたので全然知りませんでしたwいい勉強になった(そこじゃないw)

まとめ

アナログモデリングと言えばサチュレーションや倍音の発生についつい目が行きがちなので、今回も検証をしてしまいました。
解る人にはこんな画像でも何かの参考になればいいな…と思います。

こうやって一通りの操作をしておくのも自分のためになりますしね。

なんにせよ、MixHubに搭載されたBLUEYコンプレッサーはCLA76とは別物…と捉えておいたほうがよさそうです。
そもそもDESKが超速アタックタイムを持っているのなら、1176ではなくても良さそうなもの。どうせインサートで挿せるんやし。

いや、シロウトには解らん理由があるのかもしれませんしね。

でわでわ

CLA MixHub Plugin | Waves


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