「作曲とは?」という疑問にストレートに応えてくれる気がする本…それが「作曲少女」だと思う。
「作曲少女~平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話~」を7日程かけて読んだおっちゃんの話…ハジマリハジマリw
手に取るまでに時間がかかった
楽器店の書籍コーナーでその存在には気がついていたものの、なかなか手にとることはなかった。なにせ、こんな表紙でしょ。
「作曲少女」というタイトルから思い描くイメージも、到底わたくしmogとは結びつかない…
読者としての対象もおおよそ”若い”層をターゲットにしているでしょうし、こんなのをお会計に持ち込んだらどんな目で見られるか…と考えるととてもとても(笑)
それに加え、行きつけの楽器屋さんでは書籍コーナーの雑さに呆れており、とてもここで本を買う気にはなれなかった。すぐ近くにある大型書店で手に入る本はそちらを贔屓にしておりました。もしもそちらの書店に取扱があったとしたらもうちょっと早い時期に読めていたかも?
ともあれこの度、何気なく入店した件の楽器屋さんでこの作曲少女がきっちりと透明な袋で個包装されていたのに気付き、(決しておまけに釣られた訳とちゃいますよw)これならここで買ってもええか…という勢いが付き、遅ればせながら手に取った次第であります。
おまけの缶バッチがこちら↓一応保管はしておりますw
初版発行が2016年7月10日、わたくしの手にした第4版が2017年8月20日…夏に印刷されたこの本をこのタイミングで手にしたのは、この本の内容と季節がシンクロ出来た…という意味ではちょうど良かったかな?なんて思い込ませております。
この物語は女子高生二人の冬休み直前から始まるお話。
ライトノベルで触れる作曲
「ライトノベル」というカテゴリーに不慣れなわたくしは食わず嫌いだったわけです。読んでみりゃ読めなくもない。というかむしろ楽しめました。ほのぼのした気分になれたりほんのりキュン!とさせてくれたり、まんまと作者仰木日向先生の企みに飲み込まれたのでした。
「おしまい」で締めくくられる最後のページが329ページ。まずまずのボリューム。
このサイズを一週間ほどかけて読んだわけですが、もちろん一日一日はそれぞれ小一時間に満たなかったりちょっと過ぎてみたり…というペースです。
それでも随分前に読んだスペンサー・ジョンソンさんの「チーズはどこへ消えた?」よりはスムーズに読めた気がします。
ちなみに「チーズはどこへ消えた?」の方がだいぶ薄いですw
このボリュームの違いが逆転したのはその内容の読みやすさ…ライトノベルと呼ばれるジャンルの素晴らしさなのでしょうか。
もちろん、実際の読んでいる時間は「作曲少女」の方が長いのでしょうが、こちらの方がスムーズに読み終えられたかな…という気になれた、ということですので悪しからずです。いや、しかし、「チーズはどこへ消えた?」だってある意味ライトノベルと言えなくもないかも?
もしかして、随分前に話題になっていた「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」も作曲少女みたいにサラッと読むことが出来たのかな?
こちらは結局手にとることがないまま見かけなくなってしまいました。古本屋さん辺りで探せば見つかるかな?今度見かけたら手にとって見ます。
いい加減「作曲少女」のお話を(笑)
作曲に興味を持った山波いろはちゃんと高校二生でありながら作曲家として、シンガーやアニメに曲を提供するなど活躍している黒白珠美(くろしろ・たまみ)ちゃんの物語。物語というのは少々大袈裟なほど日常の延長を描いたもの。
高校二年生にとっては恐らく今も大金であろうおよそ二万三千円を叩いて手に入れた中古のキーボードと作曲の本5冊を前に途方に暮れるいろはちゃん。
このピンチを打開すべく助けを求めたのが同級生でもある黒白珠美ちゃん。
そうして始まったドタバタ作曲珍道中。
年末年始をまたいで一曲を作り上げ、新学期を迎えるところで締めくくられる。
この二週間あまりの中で珠美ちゃんの口からから語られるノウハウにはほぼほぼ賛同出来るものが並ぶ。ところが、作曲の第一歩として買いだしたものには少々意表を突かれた。
しかし、ごもっとも…と。
何を買い漁ったのか?については本をご覧いただくとして、こうした引っ掛かりが物語の中に盛り込まれていて読み物としても楽しめるようになっている。珠美ちゃんの心の傷をほじくり返すところはちょっと切なくなったし。
女子高生のとある冬休みを覗き見しながら、作曲の工程を見せてくれる感じ。
すでに楽器に触れている人にはもちろん、まだ楽器に触れたことのない人にとっても楽しみながら作曲ってどういう作業をするのか?という一例を知ることが出来ると思う。そして理論や楽器を使うことなく(パソコンと入力用のMIDI鍵盤は使いますがw)段々と曲が出来上がっていく。
もちろん、少々いろはちゃんの資質に嫉妬を感じたり(耳コピそんな早くマスターするw)するところもあるが、お話の進行が破綻するほどの違和感を感じるところはなかったかな。いや、元々こうしたコンテンツを楽しむ時に疑いを持って読んだり見たりするのは苦手(笑)
作曲をするために必要な工程に交えて二人のキャラクターが明るみになっていく様を楽しむことが出来るなら、この本は最高の「作曲入門の入門編」として導いてくれるんとちゃうやろか。
まとめ
最後に著者・仰木日向先生やまんが・イラストを担当されたまつだひかり先生、その他ココより全然まともなレビューあたりをご紹介。
●著者・仰木日向先生のウェブサイト
→ 仰木日向《作詞・小説家》 hinata ogi
●仰木日向先生のツイッター
→ 仰木日向 📕『作詞少女』発売中
●まんが・イラスト:まつだひかり先生のウェブサイト
→ まつだひかり/MATSUDA HIKARI
●まつだひかり先生のツイッター
→ まつだひかり 🎸まこディス①巻発売中
●作曲少女での指南役黒白珠美ちゃんのツイッターbot
→ 作曲少女@珠ちゃんbot
●発行元・ヤマハミュージックメディアによる特設ページ
→ 作曲少女~平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話~
●デジランド独占公開!~作曲少女・番外編~【作曲少女Q】
→ デジランドでしか読めない【作曲少女Q】~作曲少女・番外編~
できればこちらの番外編は「作曲少女」に加え、「作詞少女」を読み終えてから読まれると「ムフフ…」となれる内容が含まれます。
あ〜でも本を買うかどうかを品定めするにはこちらの番外編はちょうどいいですし、悩ましいなw
●クリエイターに向けた情報を発信されておられるこうろぎさんのところでも紹介されていました。
→ はじめて買う音楽理論書は『作曲少女』でもいいと思う。
●藤本健さんのDTMステーションでも取り上げられています。なんとインタビューまで!
→ 作曲をテーマにしたライトノベル、『作曲少女』が面白い! : 藤本健の“DTMステーション
こちらのインタビューの中で仰木先生とまつだ先生の執筆時のやり取りが紹介されています。