MIXの本 〜SOUND DESIGNER 2018年1月号〜

DTM

ギタリストのためのレコーディングマガジン「サウンドデザイナー」2018年1月号にて、54ページ総力特集ヒット曲のテクニックがすぐに真似できる!「MIXの本」というコーナーが掲載。
この中で取り上げられているアーティストにCHAIがあった。

CHAIのサウンドデザイナー的楽曲解説が気になる

エンジニアが明かした「私のMIXテク」からCHAIに注目

今回、わたくしmogは、コンビニ来店時に店内で流れていたCHAIの事がほんのり頭に残っていた。そこへサウンドデザイナーの特集の中に楽曲「N.E.O」「ボーイズ・セコ・メン」のミックスについて触れられている。

どうにかフラっと入ったレコード屋さん(CD屋さん?)で手に入れることができた。

iTunesにはWAVE形式で取り込み何回か聴いてみましたが、はじめに引き込まれた「N.E.O」に負けず劣らずの楽曲揃い。ジャンル的には馴染みのない畑ではありますが、どうにか聴き続けられそう(笑)

このアルバムを担当(CHAIのこれまでの音源も担当)したエンジニア・今本 修さんは音らしい音にしてほしいってメンバーから言われていたんです(サウンドデザイナー2018年1月号21Pより)という要求を見事に形にされた印象。

収録された音源はどの音も聴けば判るほどに手を加えられている。

他のアーティストの曲に比べて圧倒的にトラック数が少ないことも、それぞれの音に細かく気を配ることが出来た要因だろうか。

インタビューの中では楽器個別に施した処理を機材名とともに解説してくれている。

ほんとね、作る側って恐ろしいほど何度も何度も音源を繰り返し聴いている。それも「あ〜でもない、こ〜でもない…」なんていいながら。その後、アーティストはライブに加え練習も入れると何度演奏するか?ワケが解らないほど繰り返し演奏してくれる。

それをね、とっかえひっかえで聴き流すような扱いはね、ホント寂しい感じがします。もちろん、気にいる音源に出会うまではとっかえひっかえになってしまうのも仕方ないでしょうが、これだ!ってアーティスト・楽曲に出会えたあかつきには昔で言うレコードの溝が擦り切れるほど聴き込んで欲しいな。

ヒット曲のテクニックがすぐに真似できる!「MIXの本」とは

サウンドデザイナー2018年1月号の特集は音楽制作における”仕上げの作業”とも言える「ミックス」に注目。ここ1〜2年に発表された作品のミックスを手掛けたエンジニアさんにインタビューを敢行。実際に行われた作業やテクニックを元に、読者にも真似できるようアイデアが紹介されている。

その内容とは…

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MIXに注目すると音楽の新しい魅力が見えてくる

●MIYAVI VS 三浦大輔
・「Dancing With My Fingers」
→音楽の魅力を豊かにする重要な役割を担っているミックスの側面に注目して、使われているテクニックと聴き所を紐解く

ミックス視点で選ぶ近年の名盤6選

●エド・シーラン
・「DIVIDE」
→少ない音数を基本としながら「ここぞ!」という場面で印象的な音を挟む

●CORNELIUS
・「Mellow Waves」
→生々しいサウンドと大胆なパンニングで広がりのある世界観を演出

●ザ・チェインスモーカーズ
・「Memories…Do Not Open」
→様々なジャンルの要素を巧みに吸収した生音とシンセが絡むハイブリッドサウンド

●Nulbarich
・「Guess Who?」
→音の余白を過剰に埋めない軽やかでスッキリしたサウンド

●NONA REEVES
・「MISSION」
→メロディラインが見える分離感の良さと重心が低めの豊かな低域が特徴

●RADWINPS
・「人間開花」
→重心高めのソリッドなギターと低域をしっかり支える極太のリズム隊

エンジニアが明かす「私のMIXテク」

●サナナクション
・「多分、風。」6ページ
→講師:浦本雅史「”昭和館”や”歌謡曲”などの80年代テイストを古臭くならないように入れました」

●CHAI
・「N.E.O」「ボーイズ・セコ・メン」6ページ
→講師:今本 修「”男らしい音にしてほしい”ってメンバーから言われていたんです」

●YURiKA
・「鏡面の波」6ページ
→講師:大串浩彰「歌へのフォーカスが崩れないようにオケを作り込むことを心がけました」

●Suchmos
・「STAY TUNE」5ページ
→講師:藤井亮佑「バンドが作り上げたバランスをいかにミックスで再現するかがテーマでした」

アーティスト✕エンジニア ミックス座談会

→Ovallのベーシスト・キーボディスト、トラックメイカーのShingo Suzukiさん、origamiPROductionのハウスエンジニアyasu2000さん、Ovallのギタリスト関口シンゴさんらお三方によるトークが掲載。

大型スタジオでのミキシング

→かつては大きなスタジオで作業されることが多かったミックスのスタイルは現代のエンジニアにも継承されている、そんなミキシング環境や手法の変化の足跡を振り返る

自宅スタジオでのミキシング

DAWが進化したことで自宅のパソコンでも作業が出来るようになったミキシング。パソコンのパワーが許す限り膨大なエフェクターも使え、ラップトップなら移動中でも作業ができる自宅ミキシングの魅力とは。

ミックスの名盤から注目曲をピックアップして分析

ミックス視点で選んだ名盤6枚から、1曲に注目しより具体的に分析。初心者にもトライできるシンプルなテクニックが紹介されている。
●エド・シーラン「DIVIDE」
・Shape of You
→特殊な響きのリバーブで緩急のあるコーラストラックを作る

●CORNELIUS「Mellow Waves」
・あなたがいるなら
→楽器の1打やワンフレーズごとにパンを細かく振って印象付ける

●ザ・チェインスモーカーズ「Memories…Do Not Open」
・Something Just Like This
→生のキックに歪み成分を足してリズムマシンのような質感を加える

●Nulbarich「Guess Who?」
・NEW ERA
→リバーブ成分のローをカットしてきらびやかなボーカルトラックにする

●NONA REEVES「MISSION」
・記憶の破片 feat.原田郁子
→キックとボーカルに的確なコンプをかけて厚みのあるオケに埋もれないようにする

●RADWINPS「人間開花」
・記号として
→ローを削ったソリッドなギターで低域が豊かなリズム隊との干渉を避ける

最高の曲に仕上がる「MIXの流れ」

エンジニア篠崎恭一さんによるミックスの基本的な手順と工程を解説。
・オーディオデータのクリーニングとは?
・トラックの色分け基準は?
・音質の補正をして音を磨き上げるエフェクトとは?
・ボーカルトラックのオートメーションのひけつとは?
・音量やパン調整のひけつとは?
・簡易的なマスタリングによる調整とは?
・2ミックスにバウンスしてマスターファイルを作成する際のポイントは?

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音楽をより楽しむための「MIXの聴きどころ10」

好きな曲を聴く際に、チェックすべきミックスの聴きどころ10項目。これらの項目をチェックすることで曲への理解はより深まる。
1.主役と脇役の「音量バランス」
2.各パートの「パンニング」
3.奥行きを生む「リバーブ感」
4.アレンジにも使える「ディレイ効果」
5.音作りをする「EQ(イコライザー)」
6.迫力や音圧感を加える「コンプレッサー」
7.曲のイメージを決定する音の「質感」
8.空間を感じさせる「広がり感」
9.音を刻々と変化させる「オートメーション」
10.心地よい歪感を与える「サチュレーション」

初心者でもできる!EQとDeeMaxだけで曲を仕上げるミックステク

初心者に使いこなすのが難しいEQとコンプ。ここではアイドルやアニソンなどの楽曲を手がけるクリエイターうるお-uruo-さんによるEQとDeeMaxによるミックス法を掲載。
・バンドサウンドのミックスを行う際に処理をする楽器の順番を決める基準とは?
・DRUM処理の際、主役のギターを際だたせるためにEQでカットする周波数帯とは?
・ベース処理の際、DeeMaxの「TURBO]スイッチはON?OFF?
・ギター処理の際、音抜けを良くするEQ処理は?
・マスタートラックを処理する際に使う、サウンドの状態を目で確認できるツールとは?
・マスタートラックはDeeEQとDeeMaxだけで手軽に曲全体の音圧を稼ごう!

「Neutron2」ですぐにハイクオリティなミックスが出来る!

トラックごとの音作りを自動で行ってくれるミックス用プラグイン「iSotope Nuetron2」を使うことで、どのようにミックスがスムーズになるのか紹介。
・250種類以上の豊富なプリセットと「Learn」機能
・組み合わせを自由に入れ替えられる5種類のエフェクト
・注目の新機能「Tonal Balance Control」
・音量バランスと定位が直感的に調整できる「Visual Mixer」と「Mix Tap」

サウンドデザイナー2018年1月号その他の記事

2018年1月号のサウンドデザイナーには、その他に…

2018注目モデルを徹底視聴!スピーカー・ヘッドホン・イヤホン22選

→レコーディングや打ち込み、ミックスやマスタリングなど、音楽制作におけるあらゆる場面で必要不可欠な演奏をチェックするモニタリング機器…モニタースピーカー…ヘッドフォン…イヤフォン…これら3つのカテゴリーで注目の製品をエンジニアがチェック!

注目アーティスト / 特選ミュージシャン

・SUGIZO
・warbear
・ねごと
・吉田ヨウヘイgroup

厳選の逸品を徹底試奏 宅録アイテムとことん調査隊

・Reason 10 / Propellerhead
・オリジン・エフェクツ / Cali76-CD
・もダート / Pianoteq 6 PRO

注目製品 / スタジオ情報

・IKマルチメディア T-RackS 5
→プロ御用達の人気プロセッサー「T-Racks」がマスタリング向けの新機能を多数搭載して進化
・リンクスAurora(n)
→リンクス最新AD/DAコンバータAuror(n)でボーカル録音をしてみた!
・ヤマハVOCALOID Keyboard VKB-100
→話題のVOCALOIDキーボードをシンガーソングライター小南千明が体験!
・ユニバーサル・オーディオ / DSPプラグインシステム / UAD-2
→モダンなプラグインを多数追加したUADソフトウェアVer.9.4が登場!
・スタジオ訪問 / スタジオ・チャプターハウス
→愛称は「国内ではレアな逆輸入スタジオ!」スタジオ・チャプターハウスに密着!

DAWソフトの実践テク DAW EXPRESS

・CUBASE PRO 9.5
→新機能「ダイレクト・オフラインプロセッシング」を使いこなそう
・Studio One 3.5
→ベースのフレーズを人間が弾いているように打ち込んでみよう

イベントレポート

・Inter BEE 2017

などなど、他レギュラー記事も含めて盛りだくさんの内容となっています。

まとめ

今回たまたまコンビニ店内でかかっていた曲(CHAI「N.E.O」)がサウンドデザイナーで紹介されている…という奇跡的なコンボによって、これがなければ買わなかったであろう音源を手に入れることになった。

これまであまり触れる機会のなかったジャンルとの接触にとてもいい機会になりました。

文字で読み取れる解説だけでも、音源を聴き込んで独りであれこれ妄想するだけでも、どちらか片方だけよりも、どうせなら制作に携わった方の言葉を確かめつつ音源を聴き込んだほうが間違った方向への妄想へと迷い込む可能性は圧倒的に低い…ハズ。

最近、やっと本格的なエフェクターに触れる機会に恵まれるようになり、ますます使いこなしてやるぞ!という勢いもついたような気がしないでもない(笑)

なにせ、ダイナミクス系のエフェクターは判断が難しい…ってか、まだまだ判断がつくだけの聴き込みがたりないのでしょう。

雑誌などによる具体的な制作過程の紹介や解説などは、どうしても新譜が取り上げられることになるのはいたしかたないのでしょうが、可能であれば過去の名曲・名アルバムの制作に携わった方の言葉が取り上げられるとまたお買い物をするキッカケになって嬉しいやら辛いやら…です。

こんなにたっぷり書いたんですけど、もう直に2月号が発売されますねw

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