Harrison MixBus をオススメすべきかどうか

Harrison Mixbus

Hariison(ハリソン) Mixbus(ミックスバス) 32C がV5へとアップデートされたこともあり、ますますMixbus熱が上昇しているのですが、いかんせん日本語情報がなく、まだまだ使いこなせるに至らないのが現状。そんな中、はたしてここにこのMixbusを紹介していてもええのかどうか?という葛藤もあるわけです。

その辺のところを、ここで文字に起こしながら気持ちを整理してみようと思います。

一目惚れ

Mixbusに手を出したのは、もう完全に一目惚れ(笑)

だって、ミックス画面はもうコンソールそのものですよ!

Harrison Mixbus 32C V5|Harrison Consoles
この画面を見るだけで気分が盛り上がりますw

しかし、逆に言えば近頃のDAWに搭載されている機能がどこにあるのか?パッと見で判断できない…というデメリットも。

ましてやエディット画面では横軸(時間軸)の広げ狭めさえポチッとしてポチッとしなければいけません。これがStudioOneであれば、時間軸のメモリの欄をドラッグするだけでビニョ〜ンと動いてくれる。こういったところはやっぱり近頃のDAWに盛り込まれている機能が便利だったりする。
(その後、Mixbusでも自由な選択範囲でリージョンの表示をする方法が判りました)

ここで、少々粗相がございましたが、この投稿をしたためている間にもMixBusを触って様々な発見をしております。そう、ここでもちょこちょこTips的な投稿をしておきながら、オススメしてもええんかいな?という一抹の不安もある。

不安の正体

オススメするのに何が不安なのか?

今、思い浮かべられるネタとしては、そのMixbusとやらを使って制作したとして、人様に聴いていただくに耐えうる品質は保てるんかいな?なんて疑問もあります。(いくら歴史と実績のあるHarrison社が出している…とはいえ、安いw)

だって、ほら…プロの耳ってシビアでしょ?

音のチェックにしても、そこそこの音量を出せる環境で、それなりの質を持った機材で行うわけで、最近になってやっとどうにか整いつつあるうちの環境で聴いたところで、そこまでのシビアな聴き分けは出来ていないやろな…という気がするわけです。

そんなシビアな聴き分けが必要な範囲でこのMixbusがいい仕事しているかもしれない。NEVE系の機材をモデリングしているプラグインほど露骨な色付はないの。

自作曲でミックスしてみた

最近、iPad miniに入れたKorgGadgetを使って1曲作ったのですが、その音源をこのMixbusでミックスしてみました。

Kirg Gadgetでミックスした音源がこちら。(次のファイルにあわせて音量を落としています)

で、Mixbusにパラデータを送りまとめ直したのがこちら。

Korg Gadgetで、パラデータといって、各トラックを1つのファイルとして吐き出して、それらをMixbusにインポート。そしてMixし直しています。なので、それぞれのファイルで、各楽器の音量差やパンの配置が微妙に違ってしまいましたw

これじゃ、純粋にMixbusでの編集に対しての聴き比べにならんかなぁ…
まぁ、この曲に聴き馴染みのない方にとっては「どちらも一緒やんw」となるかと(笑)

ともあれ、とりあえずそれぞれの波形も置いておきましょう。

まだ慣れていないせいもあってか、Mixbusでのミックスではノリ波形には至りませんでした。今回は他社製プラグイン未使用ですしね。

で、2番目がMixbusでミックスしたファイルと同じくらいの音量に加工したもの。

そして、3番めがKorgGadgetでミックスした…つまりガジェットソニック2018にエントリーしたファイルです。見事なノリ波形w最近のCDに収録されている音源に見劣りしないノリっぷりです。(特定のジャンルの波形にはかないませんがw)

ノリ波形になっていなと、やはりどうしても音量は負けてしまうのが現実。しかし、リージョン(波形の収まっている帯のこと)をよ〜くご覧いただければ、Mixbusでミックスした方は、時々、一瞬の大音量が収められているのに対し、ノリ波形の音量を抑えたもの(2段目のリージョン)は、ある特定の音量以上の音は収められていません。この違いが聴感上、どう影響するのか?しっかりと感じて下さいw

オリジナル(KorgGadgetMix)のファイルが音量大なのは聴けば明らかなのですが、ここに挙げた2つのファイルがほんまにおんなじ音量なん?という方のために、一応ラウドネスメータの数値も載せておきます。

実はわたくし、このラウドネスメータのどこの数値を見て同じ音量と言える…のか判らなかったりしますw

一応、自分の耳も頼り(そこが怪しいw)にしながら、INTEGRATED(統合された)という数値が近くなるように頑張ってみました。
(この数値、聴き返すたびに変わるので同じにしてられませんでしたw)

ミックスバランスの違いもあるので、同じ音量にしたはいいけど、どう聴き比べてMixbusの効果を聴き取ればいいのやら…という気はしますw

こういうミックスのやり直しで、かつ元のミックスに近いものを作る時にはこのプラグインが便利!
(リミックス作業時はまだ持ってなかった…)
ADPTR MetricAB – Plugin Alliance
リファレンス音源と作業中の音を瞬時に聴き比べられ、様々な分析をしてくれます。

DAWというよりMTRと思えば…

プラグインを管理する小窓が各トラックの上のところにあるのですが、この小窓がいかんせん小さいw
なので、このMixbusを使う時って、他のプラグインを使うきになれんのです。それが功を奏して勢い余ってノリ波形に…という事態は避けられるので、ノリ波形を望まない方には一度お試し…の価値はあるやろか?(一応デモもあります)

しかし、そんな理由やったら今使っているDAWでマキシマイザー外せばいいだけ(笑)

他に感じることと言えば、チャンネルストリップであれこれ悩んでいるのなら、このMixbusがチャンネルストリップそのものなので、試してみるのはいいかも。

作曲、録音と様々なツールを使って、最後のミックスでこのMixbusを使う…というのは、数曲まとめるコンテンツとしては、最終的にMixbusを通って、全体的にまとまり感といいますか、音の馴染みが生まれて全体を通して一体感が感じられるかも?

この辺は、もうちょっと音源を増やして実際に自分でもやってみないと何とも言えません。

ただ、ミックスをする時のワクワク感は今回も含め感じられましたので、今のところわたしの中ではもうちょっと使い込んでみたいなぁ…という気になっています。

あれこれいじっていく中で、意外と今時のDAWに勝るとも劣らない程度の機能は備わっているのかな?という気にはなってきました。使う予定はありませんが動画と音声をくっつけるような作業も出来、動画ファイルを吐き出すことも出来るようです(mp3
ファイルはちょっと面倒w)。

作曲ツールとしての機能は乏しい感じですが、レコーダーとしては充分な機能が備わっている。…かな?

まぁ、プラグインを挿すのに気が進まないので、やはり当分はミックス用のツール…という使い方になりそう。

まとめ

声を大にしてDAWを買うならコレ!とは言い難いところですが、チャンネルストリップでお悩みの方や、ついついプラグインを使いすぎてミックスが破綻しがち(どんな人w)な人、アナログなりデジタルでMTRを使ってこられてきた人など、ちょいと条件をつければ「こんなのあるよ!」とオススメしてみたい気になってきました。

まぁ、デモもあるし、買うとしてもそれ程効果でもないし、何と言っても余計な音源もそんなについていないのでストレージを圧迫しない!ってのは好印象。

ちょっとでも気になっておられるのであれば、一度デモバージョンを入れてみるといいですよ!
Harrison Consoles

はじめは安い方(執筆時点では「V4」)からいかがでしょう?
Harrison Mixbus|Harrison Consoles
気に入ればすぐに「32C」が試したくなるでしょうが(笑)
Harrison Mixbus 32C V5|Harrison Consoles

当然のことではございますが、ご利用は自己責任でお願いいたします。

でわでわ

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