MODO BASS (フィジカルモデリング音源) / IK Multimedia

DTM

MODO BASSをご紹介。
DAW・DTMにおいてベースの音はとても重要。なので”ついで”の音源ではなく、ベース用の音源が別についつい欲しくなる。また、ロックバンド形態の楽曲を作るのであれば、どうしてもエレキベースの音が欲しい。しかし、DAW付属の音源にはおまけ程度にエレキベースの音があるくらいで、大抵はシンセベースのプリセットが幅を利かせている。

そんな悩みを解消するならIK Multimedia社のMODO BASSがいい感じ。

MODO BASSとは


本家サイト(日本語)
IK Multimedia | MODO BASS — The first physically modeled electric bass

エレキベースのフィジカルモデリング音源「MODO BASS」。

フィジカルというのは物理的ということらしいので、物理的なモデリング音源ということやね。モデリング…というのは、調べてみてもピタッとハマる解説が見つかりませんでしたが、つまりは測定したデータを元に再現すること…でよろしいかと。

なので、エレキベースの構造や働きを物理的に測定をして、ソフトウェアの中でそのデータを元に再現して音を出してくれる…というのがこの「MODO BASS」ということになる。

IK Multimedia社のサイトによりますと、このエレキベースのフィジカルモデリング音源は業界初!ということ。

エレキベースに特化して物理的にモデリングしているという強みからか、選択肢がサンプリング音源に比べてバラエティ豊か。これはサンプリング音源に真似はできまいw

セッティングにおける選択肢

エレキベースモデルの選択

選択できるエレキベースは14種類。

小さい画像ではありますが、お馴染みのエレキベースも多数含まれています。
ヴァージョンが1.5になった際に、新しいモデルが2種類(Metal、Imperial)追加された。
・Metal(5弦ベース:Dingwall®Combustion NG2をモデリング)
・Imperial(6弦ベース:F Fodera® カスタムをモデリング)

14種類のベース・モデルのすべてで6弦ベースに対応。ドロップAチューニングも可能に。

奏法の選択

エレキベースのモデルを選んだ後は、プレイスタイルも選択できる。

フィンガーピッキング、ピックによるピッキング、スラップ奏法から選ぶことで、演奏の雰囲気を変えられる。
フィンガーピッキングなら丸いアタックになり、ピックによるピッキングであれば、硬いアタックが得られる。
スラップ奏法については、予備知識がないのでそれっぽい音が出ているのか?ピンときません(笑)

スラップ奏法については、奏法を選ぶだけではなく、スラップ奏法に適したアンプの選択やセッティング、そもそもスラップ奏法に向いたエレキベースの選択も重要になってきますよね?その辺のこと、全然判りませんw

当然、スラップ奏法が晴れ晴れしく聴こえるフレーズも全然知りませんので、サンプル音源については割愛させていただきます。イメージ悪くしちゃったら申し訳ありませんので。

代わりに動画でも貼っておきましょうか。
氏家さんがMODO BASSを紹介されている動画の中で、各奏法による音色の違いを比べているとことがありました。

頭からご覧いただければわたくしの拙い紹介よりも解りやすいかと思いますw

セッティング

ここでエレキベースの様々なセッティングが可能。

「Strings」で4〜6弦の本数を選択。

「Drop」で、半音下げチューニングをするのか否か、を選択。

「Action」で弦高を「High」「Standard」「Low」の3タイプから選択。これらは弦の高さを指していまして、Lowにするとフレットのビビリや、音量・音質共に弦とP.U.が近づいている印象を受ける音色に変わります。Highにすれば音量も小さくなり、フレットのビビリも控えめに。迫力のLowを選ぶか、ノイズスッキリのHighを選ぶか?悩ましいのでStandardにしましょうかw

「type」で弦の種類…ランドワウンドかフラットワウンドを選べる。

「Gauge」では、弦の太さ…「Light」「Medium」「Heavy」を選べる。

「Age」では、弦の鮮度…「New」「Old」「Broak in」から選べる。Broak in ってのは、いい塩梅にちょっと弾き込んだ程度…って感じやと思います。

「A4 Reference」では、A弦のピッチ調整。コンマ00単位で設定出来るようだけど、そこまでいらんでしょ?いる?

と、実に様々な選択肢が用意されている。
が、しかし選択肢はまだありますよw

ピックアップの選択

フロント、リアと2つのピックアップを選んで搭載可能。

アクティブタイプのピックアップを選択すれば、このページでイコライザーも使用可能。
いえ、実はパッシブタイプのピックアップを選んでいても「Active/Passive」の選択を切り替えることで3バンドのイコライザーが使えちゃうw

選択できるピックアップはこちら。

(クリックで拡大表示)
MODO BASSに搭載されているエレキベースのピックアップが相互に載せ替えることが出来る…という贅沢設計。これぞフィジカルモデリングの強み。

それと、ピエゾピックアップ(磁石による電気信号ではなく、ボディーやブリッジの振動を感知して電気信号として送り出すやつ・現物はスティール弦でなくても使える)を混ぜ合わせることも可能。

いやいや、まだまだ驚くことなかれ。ほんとにスゴイのはこれから。
この↓画像、デフォルトの状態。見てほしいのはピックアップ。

ネックの端からブリッジまでの真ん中辺りにひとつ。

でもね、ピックアップは2つ選べる。
2つ選んだ状態がこれ↓。

で、何がエゲツナイって、2つのピックアップは端と端に設置可能w

まぁ、滅多にこんな極端な設置をすることないでしょうけど、現物でやるとした<ら、わざわざボディ材を削って配線し直して…と、なかなか骨の折れる作業が必要。で、使えない音だったら傷だけが残っちゃう…というリスクもある。 こんなワガママもフィジカルモデリングのおかげでポチっ、ポチっ、スィーっとするだけで出来ちゃうんやから、ほんとにスゴイ。 いざ使うのか?どうか?は、置いておいて、それでも、いざとなった時、試しに挑戦してダメかどうかを確かめて判断できる…というのは、ありがたいと思う。確かめずに諦めるとモヤモヤしちゃいますからねw

Amp/Fxの選択

アンプの選択


といいましても、MODO BASS内で選べるアンプは2種類と少々控えめ。あとひとつDIも選ぶことが出来る。選べる…というか、アンプと並列に出力されているので、ノブを回してミックス加減を選ぶ…という感じ。アンプを0にしてしまえばDIのみの出力。DIを0にしてしまえばアンプのみの出力。両方を混ぜたければ、マスターボリュームも交えていい塩梅にセッティングすればいい。

「DI」とは、ダイレクトボックスの事で、ダイレクト・インジェクションの略らしい。ダイレクトボックス…っていうのにDIってややこしいわね。

DIはインピーダンスの関係で、ベースを直接ミキサーにつないでしまうとしょぼくれた音になってしまう事を回避するために必要。曲や欲しい音色の条件によってはこのDIから出てくる音をそのまま使うこともあるので、無理にMODO BASS内のアンプを使いたくない時はここから出力してミキサーやDAWの方で音作りをすればいい。

そうそう、アンプの方はソリッドステートタイプとチューブタイプが1種類ずつ選べます。どちらかひとつ選んだアンプとDIをミックスして出力することが出来るので、これだけでも結構多彩な音作りが出来ちゃうんとちゃうでしょうか。

これら3種類のアウトプットが気に入らなければIK Multimedia Amplitube買ってね…ってことですかねw

エフェクターの選択

キャビネットの足元に並ぶエフェクターの辺りをクリックしますと、画面上部にあるアンプ選択のところがエフェクター選択の表示に切り替わります。

7種類のエフェクター(オクターバー・ディストーション・コーラス・コンプ・ディレイ・エンベロープフィルター・グライコ)の中から4つまで選んで使用することが出来る。これだけ揃っていれば、大抵の音作りは賄えるのではないでしょうか。

コントロール

ここではMIDIでコントロール出来るパラメーターを変更したり出来ます。

ここでは詳細は割愛いたしますが、これらのパラメーターをDAWではオートメーションに書き込むことでかなり複雑なプレイをさせることも出来ますし、外部にMIDI鍵盤を接続してエレキベースの音域の外にアサインさせることで、生演奏のときにも様々なプレイ(グリッサンド・スライド・プリングオフ・ハンマリングオン・演奏する弦の指定などなどその他諸々)を演出することが出来ます。

スリープフリークスさんが判りやすく動画にしてくださっていますので置いておきますね

まとめ

DAWの中でエレキベースをそれっぽく入れるとなると、サンプリング音源にせよ、モデリング音源にせよ、結局のところ音符以外に様々な指定をしてやる必要が出てきます。この条件についてはどちら(サンプリングorモデリング)も一緒。

で、欲しいエレキベースの音がある程度絞られていて、その求める音色をサンプリングしている音源があるのだとしたら迷わずサンプリング音源を選べばいいと思う。だって、ほしい音そのものを収録しているんだから気に入らない訳がない。気に入らないのだとしたらはじめに求めていた音色が入っていなかった…ってことだった…ってなりますわね。なので、デモなり動画なり試しに聴けるモノは全て試した上で購入されて下さい。なにせ、価格もさながらストレージの圧迫も怖いですから。

で、わたくしの様に求めているサウンドがいまひとつ定まっていない…しかしエレキベースって判る音は欲しい…って場合はこのモデリング音源が便利かと。なにせいろいろ試すことが出来て、なんなら現物で鳴らすことが困難な音だってサクッと試すことができちゃうんだから。

突拍子もない事をするためのフィジカルモデリングではないけれど、なんならそこまで出来ちゃうポテンシャルは少々値が張るものの、いい仕事をしてくれると思います。

なんならベタにフレーズだけ入力して、好みのベースモデルを選ぶだけでもそれっぽい雰囲気は醸し出してくれていますから。この辺を許せるかどうか?という判断は主観的なものになりますので、これもデモや動画、なんならうちのリフネタ置き場の音源などで可能な限りその音色を体感してから判断していただきたいと思います。

エレキベースでは初のフィジカルモデリング音源を楽しめるのは、今のところMODO BASSだけ。
本家サイト(日本語)
IK Multimedia | MODO BASS — The first physically modeled electric bass

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