UR-RT 搭載 D-PRE RND製トランスフォーマー 音色視覚化に挑戦

DTM

RND(ルパートニーブデザイン)製トランスフォーマー搭載で話題と鳴っているUR−RTシリーズには、プリアンプとしてD-PREというモデルが搭載されている。これら、トランスフォーマーやプリアンプの効果をなんとかして視覚化してみよう!という試み。

結論から言えば失敗かも(笑)

他のやり方を模索していますが、取り急ぎ現段階の失敗をご報告w。


もともとURシリーズにも搭載されてきたプリアンプ「D-PRE」は、余計な色つけもなくこの価格帯のオーディオインターフェイスでは標準的…もしくはそれ以上なプリアンプとの評判をよく見る。

で、どこかのレビューでD-PREにR印のトランスフォーマーを併用すると、倍音成分が増加する…的な評価を見かけましたので、ならば!と思い、ハイインピーダンスインプットにエレキギターをつなぎ、そのギターのピックアップから音叉の音を拾って、アナライザーで見てみると、その変化を視覚的に確認できるのでは?と思い至ったわけです。(ちょうどOmniChannelのプリモジュールでやったような感じ)

ところが、まぁ失敗?

一応ご報告しておきますね。

【ご注意】

この後、スペクトルアナライザのキャプチャ画像がいくつか出てきます。これらキャプチャ画像は、その撮影タイミングのズレによって、グラフの状態が必ずしも比較対象として適しているとは言えない場合があるかもしれません。
あくまでも、参考程度にご覧いただけますようよろしくお願いいたします。
素人検証のため、鵜呑みにされるのではなく、「ホンマにそうなん?」「そんなわけないやろうw」という視点もお忘れなく。

検証の環境はこんな感じ

Studio Oneでは、新規に初の192kHz/32Bit Floatでソングを立ち上げ、ギターように1本トラックを用意。

マスタートラックのポストエフェクトの位置にStudio Oneについているアナライザーを入れました。

オーディオインターフェイスはUR-RT2で、HI-Zインプットの1chになんちゃってストラト(P.U.はHS-3)を接続。
ゲインノブは12時と1時の間くらい。

リアピックアップから440Hzの音叉を拾ってやりました。音叉を手で持ったため、音量にムラが出ちゃいました。

無音

シングルコイルのギターを接続したせいもあって、無音状態でもかなりのノイズがアナライザーに載ってしまいました。先に、そちらのグラフをご覧頂いておいて、音叉の音を鳴らしているグラフから脳内で差し引いてやって下さい。
こちらがトランスフォーマーオフの画像。

こちらがトランスフォーマーオンの画像。

画像はクリックしていただきますと別窓表示で拡大されますので、まず両方の画像をそれぞれクリックして別々のタブで開いておいて、交互にタブをクリックしてご覧いただけると、グラフの違いを比較しやすいかと思います。

グラフの中に写っている黄色い線は、無視してやって下さい。

この黄色いラインは、実際の音量変化のタイミングからだいぶ遅れて変化します。キャプチャを撮影するタイミングの違いで、線のラインが全然違ってきますのでここでは全く参考になりません。

で、グラフの比較ですが、ノイズ成分のみなので、音量の変化はほぼありません。

グラフを比較してみても全体のグラフの大きさはあまり変わらないと思います。

全体のグラフはあまり変わらない中、各帯域を細かく見てみますと、R印のトランスフォーマーオン/オフによって微妙な変化は見て取れると思います。

山が高くなっているところもあれば谷が低くなっているところもあったり、また逆に山が低くなって、谷が高くなっているところがあったりと、単純に全体域でレベルが上がるのか下がるのかってだけの変化ではないようです。

クリーントーン

では、クリーントーン…といいますか、プラグインを何にも挿していない状態のものからどうぞ。
この画像はR印トランスフォーマーオフ。

この画像はR印トランスフォーマーオン。

もうね、違いが微妙…

タブを交互に表示させてグラフの違いを比べますと、音量の違いがあるので上下にグラフが変化しますが、それぞれのグラフの全体的な山の形はそれほど大きく変わることはありません。

トランスオンオフによる倍音付加は、目視出来ない感じ。倍音付加…というより、出るトコ出して引っ込めるトコ引っ込めて…って効果が見られている。

クリーントーンでは、アナライザー的にはやんわりとした変化なのかな?

ならばレベルをオーバーロードさせた状態…つまり歪んだ音ならば、その違いがもうちょっと大袈裟になるかも?と思い、UR-RT付属のアンプシミュレータプラグインからクランチモデルを引っ張り出して比較してみました。

クランチトーン

UR-RTシリーズについてくるアンプシミュレータのクランチを、Studio Oneのトラックの方へ挿して、アナライザのキャプチャを撮ってみました。

こちらがトランスフォーマーオフの画像。

そして、こちらがトランスフォーマーオンの画像。

さすが、音量を過度に上げきった状態を演出しているだけあって、クリーントーンよりも倍音が増えているのが判ります。これは、トランスフォーマーがオフの状態…プリアンプD-PREだけの場合でも同様。

両方の画像をクリックして別タブで開いていただきまして、交互に表示させて見比べていただきますと、無音でノイズだけの場合と同様、大きくなった山、低くなった山、大きくなった谷、低くなった谷が入り混じっているのがお解りいただけると思います。

最後にFocusrite/Scarlett Soloのアナライザも載せておきますね。

Focusrite/ScarlettSolo

ちょっとインプットゲインを上げすぎたかもしれませんwグラフをタブで開いて比較する際、音量が大きい分を差し引いてUR-RTのグラフと比べてみて下さい。

まずは無音のハムノイズのみのもの。

UR-RTトランスフォーマーオンのグラフと比較してみますと、ScarlettSoloのグラフは低音域に随分ボリュームが感じられます。ゲインはざっくり同じくらいにしたつもりではあったのですが、ScarlettSoloの方が大きかったのやろか?

それでも、高音域のグラフを見比べてみますと、山谷の違いはあれどそれほどボリューム感に違いはない感じ。

ScarlettSoloの方がノイズ成分の低音域を持ち上げやすい…ってことやろか?それならハードなギターの場合にはこちらのScarlettSoloの出番もあるか!?

そしてクリーントーン。

UR-RTトランスフォーマーオンのグラフと比較してみますと、どちらも音叉の440Hz周辺の山は似ているのですが、そこ以外の山谷は随分と形が変わっています。

ScarlettSoloの方が高音域でなだらかなのに対し、UR-RTの方は2kHz〜5kHz辺りにコブがあるようなグラフになっています。これが、音色の個性を生み出しているのかも?あ、でもD-PREのみのグラフと比べましてもこのコブはあるので、トランスフォーマーの個性…というわけではなさそうw

最後にクランチ。これはUR-RTに付いてきたアンプシミュレータを使用。

UR-RT2クランチ・トランスフォーマーオンのグラフと比較しますと、ScarlettSoloの方が高音域のグラフが伸びていますが、UR-RTのグラフは中音域のグラフに伸びが見られる感じ。これが個性の違いにつながっているのかな?

まとめ

今回、スペクトルアナライザを利用しまして、R印のトランスフォーマーがプリアンプ「D-PRE」に与える影響を目で見て確かめてみました。

そもそもトランスフォーマーの効果を視覚的に確かめる効率的な方法が、本当はもっと別にあるのかもしれません。

だとしたら、今回の穏やかなグラフの変化もうなずけます。

ここへ来て不安になったのが、もしかして『そもそも今回うちに来たこの「UR-RT2」が初期不良だった…』なんてことはないですよね?

サードパーティ製アンプシミュレータを弾き比べてみた時には、確かにFocusrite/ScarlettSoloとの音質の違いは感じられましたし、トランスフォーマーon/offの変化も僅かながらにですが感じましたのでR印のトランスフォーマーは素通り…ってことはなさそうです(笑)

2018年7月9日発売のサウンドデザイナーでは、別冊付録として「UR-RT2&UR-RT4の音質をプロが証明!」が発売。早速手にとってその内容を確かめてみましたが、4名のプロの方はそれぞれ随分絶賛されておられました。

うちとのこの温度差w

サウンドデザイナーさんの別冊連動音源がサウンドクラウドで公開されています。
サウンド・デザイナー8月号別冊付録音源|SoundCloud

うちの微妙な違いしか得られなかった素人検証よりも、あなた自身のその耳でUR-RTシリーズと、ルパートニーブデザイン製トランスフォーマーの実力をトクと確かめてみて下さい。


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