素性も年齢も非公表、覆面の二人組が メジャーレーベルや大手事務所の力を借りることなく世界進出を果たし成功を収めているらしい。
YOUTUBEにアップしたプロモーション動画がSNSで拡散されて云々カンヌンとは違うらしい。
一体どういうことだろう?
素性も年齢も非公表で覆面の二人組というのが クリエイティブユニット、AmPm(アムパム)
2017年3月にデビュー曲「Best Part of Us」をリリースしたのだとか。
ジャーナリストで「ヒットの崩壊 (講談社現代新書)」を書かれた柴 那典さんによるインタビューが現代ビジネスさんのサイトに掲載されている。
→ 知名度ゼロでいきなり世界を獲った覆面ユニットの「ヒットの方程式」(柴 那典) | 現代ビジネス | 講談社 (1/4)
AmPmさんの楽曲動画がありましたのでこちらにも貼り付け
Best Part of Us / AmPm feat. Michael Kaneko
AmPmというユニットはデザインやマーケティングをされている方と音楽やイベント関連の仕事をされている二人を中心に活動されているらしい。
ただ、ちょっと違うのは音楽ありきのスタートではなく、まず二人で会社を立ち上げ事業の一つとして楽曲制作があり、その延長としてデビュー曲の発表というのだ。
なんだか判りずらい?
ご本人のお言葉を借りるなら
という話。——お話を聞いていると、いわゆる「バンドを組んでメジャーデビューしよう」というような考えとは全く違う発想からスタートしているわけですね。
「全く別ですね。なので、考え方としては会社の新規事業部に近い位置付けです」
つまり、音楽やろうよ!と集まったのではなく、何か新しい事業を始めよう!ということで二人が集まり、その事業の一環として曲作りがあり、事業としてマーケティングをかけるにあたって戦略を練った。
何やら仕事チックな進め方をされたのだとか。
赤字でもいいから実験的に出来ることをやってみたい!というところから始まったらしい。赤字でもいい…という前提と事業であることから、多少の広告費は使うつもりであったとのこと。
で、その広告費の使い道がちょっと違っていた。
海外には、音楽に強いプラットフォームがあるらしく、soundcloudやYouTubeに、良質な音楽をまとめてプレイリストを提供するチャンネルがあるのだとか。
良質な音楽をまとめてプレイリストを提供するチャンネルってなんだ?と思い、ちょっと検索しましたらこんなサイトを見つけました。
→ Musictonic – Music Video Awesomeness.
→ BGMs.me – Create and Share Youtube Playlist
これらは、あくまでも今、たまたまわたくしが検索して集めてきたサイトであって、決してAmPmさん達が広告費を費やしたとは限りませんのであしからず。
で、こういったサイトで何をするか?といいますと、今の気分に合わせて音楽を聴きたいけど自分で選曲するほどこだわらないのでとりあえずざっくり流しっぱなしにしてほしい!って時に利用するわけです。
そういえばニコニコ動画でもBGMをキーワードに検索をしますと何十分かの動画がいくつも見つかりテーマに沿った選曲がされた音楽をかけっぱなしにして聴くことが出来ました。
こうした手軽なBGMを求めてやってくる方たちのアクセスを集められるサイトは、影響力を持つわけ。
そして、AmPmさんの場合、音楽ストリーミングサービス「Spotify」のプレイリストへの投資が効果を発揮したのだ。
ちなみに日本国内で Spotifyのプレイリストを共有出来るサービスがありました。
→ 『DIGLE』(ディグル)
くれぐれも、こちらのサイトは日本国内のサービス。AmPmさん達がお金を投じたところではないと思われますのでご注意を。
こういったサービスの海外で影響力を持つところへお金を払い、プレイリストに自分たちの曲を入れてもらい多くの人に聴いていただいた…ということ。
その後にSNSによる拡散などが付いてくる。だからこれまでの「 YOUTUBEにアップしたプロモーション動画がSNSで拡散されて云々カンヌンとは違う」ということになる。
拡散をこちらから仕掛けていく。このアイデアはとても貴重。ただ、具体的にどこにお金をかければいいのか?については不明(笑)
しかしとても大きなヒントにはなるのではないか。
音楽を楽しめるサイトはどこも多すぎる程の曲が登録されていて、あらかじめ聴きたいアーティストや楽曲のお目当てがあればサクッと検索すればいい。
しかし、なんとなく…といった漠然とした気分の時もあろう。
またこれまで聴いたことのない楽曲を求めてダラダラと聴き流してみたい…なんてこともあるか。
ダラダラと聴き流してみたい…としても、ある程度自分の好みを解ってくれるプレイリストを組み上げてくれている人がいるのだとしたら、やはりその人を頼りたいところ。
これまで…というか、ひと昔前であれば、月刊誌などのレビューを参考にしたりして新しい音源を探し求めたりなんかしてきたのだろうが、これからはある程度自分の好みに合ったプレイリストを作ってくれる人さえ見つかれば手軽に新しい音楽と、効率的に出会うことが出来る。
そのプレイリストを作ってくれるのが『DIGLE』(ディグル)というサイトで言うところのDIGGER(ディガー)と呼ばれる方になる。
クラブという箱の中に置き換えればDJと呼ばれる方たちの事ですな。
箱が盛り上がるもしらけるもDJの選曲とアオリ次第。
売り込みたい楽曲がクラブ向けであるならば、DJにお願い(お金の件も込みで)する方法はこれまでもあっただろう。
もっと話を大きくすればラジオやテレビの音楽番組でかけてもらう戦略。それをインターネットに置き換えれば、影響力を持つディガーを見つけお金をかけてでもプレイリストに入れてもらう。これをAmPmさん達は海外でやってのけた…という話。
これまで、自分が制作した楽曲を公開することを目的にサウンドクラウドにアカウントを作り、時にダラダラと曲をかけっぱなしにすることがあった。
そんな時、袖振り合って知ることのできた方のアカウントから抜け出すことはなかなか難しかったもの。
しかし、こういったサービスの中からテーマに沿ったプレイリストを作ってくれたり、良質な楽曲を集めて一覧にしてくれるサイトでもあれば、どれ程手軽に世界が広がったことだろう。
そんな不便を考えると、もっとプレイリストを組み上げてくれる人が多く現れてくれてもいいんやないか。
(ひょっとしたらすでにサウンドクラウドの中にそういったスゴイ人がいるのかもしれないが…)
コルグ社のアプリ KORG Gadget縛りというマニアックな括りでは、くらんけさんという方がご自身運営のサイト「Gadget-Junkies.net」の中で 「KORG Gadget Recommend」という楽曲紹介カテゴリーを運営されてる。
オンライン上には、まだまだこのような楽曲紹介をされているサイトさんや、プレイリストを構成されたおられる方々がたくさんいらっしゃるのでしょう。
しかし、せっかくのこうした紹介が埋もれてしまい音楽を探し求めている方の手元に届かない事も多いのでは。
まとめ
なにやらAmPmさんの成功事例のお話しからとんでもないところまで飛躍してしまいましたが、今回の例からわかることは、日本国内ではもっともっと本当に音楽を紹介するチカラ・影響力を持った人が必要なのでは?なんて感じてしまいました。
局地的にマニアックな楽曲レビューをブログなどでされておられる方は結構たくさんいらっしゃるわけですから、さらにもう一つ踏み込んだカタチ(個人ではキツイかな?かといって法人ではシガラミに邪魔されそう…)が見つかると音楽という分野にもう少し活気が戻って来るような来ないような、なんだかモヤモヤした感じになってしまいましたw
ちなみにフリクルさん辺りは自社で登録された楽曲を披露する仕組みを手掛けておられて頑張っておられるわけです。
こうした音楽との出会いの仕組みがもっと広まってほしいところです。
サウンドクラウドさんも、トップページの判りやすいところに人気のプレイリスト一覧なんかを貼り付けてくれたら迷子にならずに済むのにな(笑)
みんなはそんな仕組みを欲しいとは思わんのかね!?w