主旋律を本気で集中して聴いているか?

DTM

曲を作りたい!と言って始めた作曲なのに、いちいち◯◯の音がどうのこうの…という悩みは、実に時間がモッタイナイ。
そんな事で悩む…という事は、ひょっとしてこれまでに音楽を超真剣に聴き込んだことがないんじゃないの?なんて思ったりもする。

自分のモノサシが出来上がっていないのに、音の善し悪しが判断出来る訳がない。

そんなお話です。

音楽の三要素なんてものを聞いたことがある人も多いと思いますが、リズム・メロディー・ハーモニーが混じり合うことでマジックが起こるわけです。

その三要素の中に音色は含まれていない(笑)

だったら音色は重要ではないのか?というと、決してそんなことはない。そんなことは、あなたも私も百も承知。ある程度のいい音というのは必要になってくる。

しかし、時々(自分のモノサシから比較して)ヒドイ音質なのにやっぱりいい曲はイイ!って感じたりするわけですから、100%必要な要素とは言えないのかもしれない。そもそも音質の評価は音そのものに対してのものですから、音楽そのものの評価に直結しているわけではない…ということですかね。

ここで言う音楽…というのは、まさに音楽そのものでして、楽譜に記されていてもその曲はその曲ですし、楽器や演奏者、再生媒体の違いがあれどその曲はやっぱりその曲。

曲そのものの存在…というのは、メディアが変わろうとその曲に違いはない。

では、どうして曲作りをしている時に音の善し悪しで悩むのか?

それは、その時点で最終最後の出来上がり状態まで心配しているから…ということではないのかな?と。

果たして作曲の段階でそこまで心配する必要があるの?って思ってしまう。

たしかに、昨今のDTM情勢を見渡してみると、個人でマスタリング(語弊がありますがw)まで完了してしまうツワモノが結構な人数いらっしゃる。

しかし、そんなツワモノといきなり対等に張り合おうったって、彼らとのバックボーンが違いすぎるんだから張り合うもんじゃない。

ここんところ、楽器を弾けないけれど曲を作りたい…って人へ向けたボヤキを投稿しているわけですが、楽器が弾けなくとも超真剣に音楽を聴いてきた人であれば、音色の良し悪しを自分で判断できるでしょう。

超絶真剣に聴いてきた人なら、あの曲とこの曲のこの楽器の音がどう違う…とか、そんなマニアックな楽しみ方をしてきてくれているでしょうから。

それこそボーカルモノの音源を聴いていて、同じ人が歌っているにもかかわらず、この曲とこの曲では声の処理がどうのこうの…と判断できるくらいのモノサシが出来上がっていれば、実際に自分が音作りをする時の判断も的確でスムーズに進むことでしょう。

しかし、音作りで時間を潰して曲作りが進んでいないのだとしたら、それは必要な音を選ぶモノサシが備わっていないことの現れなんじゃなかろか。

つまり、誰か詳しい人を捕まえて選んでもらうほうが間違いない…ってこと。

だから、曲を作る段階で音色選びに悩むくらいなら、もうこの先、半年はこの音色しか使わない!ってくらいに覚悟を決めて、さっさと曲を作って欲しい。

そうすることで、半年間使い続けた音源の音が耳にこびりつくから。

そうなれば、その耳にこびりついたその音があなたのモノサシのひとつの目盛りになる。
そこから「この音はこれまで使ってきた音よりもトレブリーだのブーミーだの」って判断が出来るようになる。

本当はそんなモノサシを作曲始める前に身に着くくらい超絶本気で集中して音楽を聴いてきて欲しかったわけです。

しかし、まぁ、しょうがないよね。

いま現実に音色選びで悩んでしまっているんだから。

だから、過去のことをとやかくいうよりもこれからどうするか?って事を考えたいと思う。

で、どうするか?

まずは、あなたの作りたい芸風の好きな曲から主旋律に集中して聴いて欲しい。
いきなり音源全部をひっくるめて聴くってワケにはいかないからね。

歌ものを作りたいのであれば、とりあえず1人、一番好きなボーカリストに集中して聴いてみましょ。
ギター・インストが作りたいのであれば、とりあえず1人、一番好きなギタリストに集中して聴いてみましょ。
サックスやトランペット、チェロやバイオリン、その他、主旋律を奏でられる楽器であれば、あなたの好きなもの、作りたい曲にあわせて選びましょ。

そして、これまでにない本気の集中力でその曲の主旋律を聴き漁って下さい。

脇を固める他の楽器も気になるところですが、当分は主旋律に集中する。

なぜなら、主旋律の音がしっかりしていれば、弾き語りスタイルでだって曲の良さは伝えられるから。

反面、主旋律の音がショボければ、弾き語りスタイルはもちろん、オーケストレーションで着飾るような派手な伴奏でも埋もれてしまう。

どれほど着飾ったアレンジでも決して埋もれてしまわない最高の音色を選ぶことが出来る耳を鍛えるために、あなたの好きな曲を主旋律に集中して聴いて欲しいってことです。

いい音をたくさん聴いて、いい音にたくさん感動して、そしてそんな経験をたくさん積んだ先にモノサシが出来上がるハズ。
少なくとも、そんな経験がないのにモノサシを持っている人はほぼいないと思っていい。(仮にいらっしゃるとしても、それは私や音選びで悩んでいるあなたではない…ということですw)

そうやってひとつずつモノサシに目盛りを刻んでいって下さい。

少なくとも楽器も弾けないのに曲を作り始めた段階の人が、完成形の心配をするのはヤメておいた方がいい。

まずは自分で曲を作るところを繰り返す。

そして、アレンジ、ミックス、マスタリング(語弊がありますがw)は、得意な人に任せる。

なんならお金を払ってでもプロに任せる位の覚悟をしておいた方がいい。

本当にプロに依頼する・しないは別にして、それだけの覚悟が出来れば曲作りに集中できると思います。

で、曲を作りながら気分転換に自分の求める芸風の曲を聴きまくって下さい。曲作りは理屈などが中心にあるわけではないですから「やりたいからやる!」って事でいいと思います。

しかし、アレンジやミックス、マスタリングに至っては誰でも出来る…という代物ではない(自己判断でとりあえずやる…ってことなら出来なくもないですがw)ので、変に自分でやろう!なんて思わないことです。

作曲で培ったセンスはアレンジをやるようになった時にもとても役にたちます。しかし、センスだけでどうにかるわけではない…のがアレンジです。時間をかけてしっかり理屈もマスターしなければ効率のいいアレンジは出来ません。

とにかく、「作曲がしたい!」って始めたんですから、ちゃんと作曲に集中してくださいね!

でわでわ

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