自分の作品を売る

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自分の作品を売るって考えた時、大手出版社と取引がなければ自分で販路を開拓していくしかない。販路を開拓するにあたって、大手出版社にアプローチするのか、自分でイチから販路を開拓するのか、どっちがいいんやろ?ってちょっと考えてみました。

ちょっと興味深いツイートを見つけましたので、改めて整理してみようかと思い、ちょっと計算してみました。

そして考える…

経緯

はじまりはこのつぶやき

つぶやきには「漫画村」という言葉も含まれていますが、漫画村騒動については全く触れてこなかったので、ここではそこには触れません。悪しからず。あくまでも、「印税」と「月額課金の直接集金」を比較することについてボヤきます

また、つぶやきの主である深津 貴之さんは、多くのクリエイターさんを束ね、いくつものプロジェクトを抱えておられる事業主さん(多分w)。そんなスゴイ方にわたくしmogは挑戦する!っていうわけではなく、今回のつぶやきをちょっと掘り下げて、これらの数字が意味するところを再確認してみよう!というもの。わたくしの中ではどちらに転がっても正解…というスタンスです。そう、ズルいヤツw

数字の確認

さて、まずは具体的に数字の確認を。

noteの月額500円×3500人で1,750,000円

10万部のコミックを年3冊で年間30万部

1,750,000円が月額なので×12→年間21,000,000円

21,000,000円を30万で割ると70円

本の印税が仮に1割なのだとすると700円の本が30万冊売れた場合、note月額500円×3500人と釣り合いが取れる計算になる。

コミックだと実売単価はそんなに高くない。

480円の本として1.5割なら72円になる。

だけど、本の印税ってそんなに貰えるものなの?

諸説諸々ありますが、その辺の真実はやはり関係者のみぞ知る…ってところ。

まぁまぁ、なんにせよ、noteで月額会員を3500人集められれば、大手出版社に頼ることなく専業で自活していくに有り余る収入となるのかな。
(だって、税金のことやらはここでは考えていないからw)

大手の場合

30万冊という数字と、3500人という数字。単位が違うが単純に比較すれば3500人の方が現実的…とうっかり感じてしまうことでしょう。

だって、30万冊というのも、ここでは1〜3巻を10万人が購入してくれて達成出来る数字になる。

ならば10万人と3500人という比較になるから。

だけど、これ、単純にこの数字だけを比較してもいいのでしょうか?

仮に大手出版社から著作者に支払われる印税価格は実売単価の1割いくかいかないか…として、その残りのお金で、出版社は印刷を手配して、編集者さんのお給料をまかない、そして宣伝までしてくれる。本当にザックリだけど。
そうやってかき集められた購入者10万人。

確かに、それらを全部自分で賄う!ってんなら、一見人件費などは削減できて安く抑えられそう。
そして、個人で全てやるならファンは3500人でいい。

だけど、仮にも大手出版社。そこまで会社が大きくなるまでには幾度となく大小様々な失敗もされてこられているでしょう。

つまり、長年に渡って蓄積された各方面のノウハウや人脈を持っている。

単純に広告を載せる!ってだけでもどこの媒体にのせ、どういったキャッチコピーを加え、どういった層にターゲットを絞って…などなど、考えることは数限りない。そしてそれらのお問い合わせ先も出版社ならご存知。

素人にそんな判断や行動が的確に行えるだろうか?

行える!というなら自分でやったほうがいい。自己責任なんだから巧くいっても自分の手柄。失敗しても自分の損。

誰にも文句は言われない。

個人の場合

何がスゴイって、最近では個人による広報で数千人を集めることが現実的になってきていること。

インターネットの活用がそれ。

ちょっと古い情報にはなりますが、アフィリエイトを学ぶコミュニティーに出入りしていた頃に、よく聞かされた数字「成約率は1〜3%」

成約率というのは、サイトに集めたアクセスのうち、そのサイトで販売している商品をご成約…となる数字のこと。

ただし、この1〜3%という数字は、すぐに増減する。様々な条件にすぐ振り回されるので、必ずしもこれが答えではありません。あくまでも参考値。(予め興味を持っている人が読者登録をしているメールマガジンであれば成約率はもっと高いだろうけど、質の低いWEB広告であれば成約率は下がるでしょう)

ただ参考値としては1〜3%を踏まえて計画を練らなければいけない…ということではあります。

サイトに流れてきたアクセスで、実際に広告を経由して成約に至るのがその程度の数字、という事。

なので、3500人の月額会員を獲得するには…と考えますと、単純に11万6千700アクセスを目標にしなくてはいけない。

116700×0.03=3501

3500名の月額会員を獲得してからが、専業生活の始まりなので、兼業のうちにそれだけのアクセスを集められる媒体を持たなければいけない。

もちろん、イチから立ち上げた独自ドメインによるウェブサイトである必要はない。

現状すでに多くのアクセスを集めているサイトに間借りして集める路線でもいい。

そもそも冒頭に出てきたnote自体が既に課金システムを実装されているサイトなんだし。

ただ、notoの中に自分のアカウントを持ち、自分のページを立ち上げれば、それだけで11万以上ものアクセスを集められるのか?といえば、そうはいかないだろう。

結局のところ、SNSや外部に運営するブログなどからもアクセスを呼び込まなければ実現不可能な数字だと思う。

これまでに一度でもブログをやったことがある人ならご納得いただけるでしょ?

noteの中にはすでに課金出来るシステムがあり、課金を前提に情報収集をされておられる方がある程度集まっていることから、便宜上このnoteが取り上げられているのだと思う。

音楽方面であれば「フリクル」というサービスが継続課金を処理するシステムを提供してくれている。

別に noteやフリクルでなくとも、ペイパル口座をお持ちであれば、独自ドメインの自分のサイトで課金コンテンツを始めてもいいでしょう。

そこまでの知識と経験、行動力があれば…だけど。

まとめ

見出し「大手の場合」のところでは触れませんでしたが、大手出版社には様々なプロフェッショナルが在籍されているのも忘れてはいけない。数字のプロ、法律のプロ、もちろんクリエイティブのプロ…などなど、外部からはうかがい知れない凄い人(校正の仕事だって誰にでも出来るものではない)がいるはず。なので、作品が何かのトラブルを起こした際に、頼りに出来る安心感は大きいと思う。

そして、その安心感は創作している最中にもチェックをしてくれることだろうから、作品を公開する前にやっちゃいけない表現などを指摘してもらえるのも心強い。

「表現の自由」なんて言葉はありますが、わざわざ火の中に飛ぶ込む必要はない。

あ、敢えて炎上商法を…っていうなら勝手にすればいいけど、そんな綱渡りは大きな組織の中では出来ないと思うので、個人規模でやるに限る。理解のある出版社員のお知り合いでもいらっしゃるのであれば相談くらいは乗ってもらえるだろうけど、そういった小回りが利くのは個人規模の特権。

出版社を通して公開するのと、個人の出来ることで公開するのとで、それぞれに一長一短あることが改めて再確認できた。

結局のところ、作品をお金に変えるのはどう転がっても大変だってこと。

その大変を組織的に助けてもらいたい!ってんなら、その組織が納得してくれる方向でのクオリティを実現して手を組めばいい。大きなお金が動くのだから、そのお金を握っている人達の納得する作品を作り上げなければならないのは当然。不発だとどれ程の損害が出ることか。

自分で何とかするわい!ってんなら、全ての必要な作業を把握して、外部に発注するところは発注するとして、どこに発注するのか?など舵取りは自分で判断しなければならない。

だけどやるしかない。

結論

結局のところ、どちらにしても作品を創り、作品を公開することは最低限の行動。

個人で管理出来る範囲でまずは作品を公開し、並行して大手出版社にもアプローチは忘れない。やがて出版社から声がかかってくるようなら、その時はじめてどちらを選ぶか悩むとして、そんなお声がかかっていないうちは自分でやるしかないのだから、さっさと作品を増やし、その作品の公開の場を持つ。あとはそれの繰り返し。

やがて、明確にファンが増えてきた…と感じたなら、コンテンツをパッケージ化して販売の手段を構築していけばいい。無名なうちから有料販売をしてもいいのだけれど、作品のストックが貯まる前にそこまで手を付けると、どういう売り方をするかにもよりますが、創作に充てる時間が減ってしまうことが懸念される。

なのであくまでも自分の中で作品として納得のいく完成品をいくつも創り上げ、まずは無料で公開することを繰り返していくのが先決なんとちゃうやろか。

作品を無料とはいえ、オンライン上に公開するとなると、その公開の場として必要なウェブサービスを使いこなせるようになる必要もある。そんな時間は創作の時間を削ることになる。このバランスが大切。難しいわね。

などと、まだまだ売り物として耐えうる作品を創りきれていないmogが考えてみました。

ご参考まで。

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