チャンネルストリップ系プラグイン…というのは、ひとつのプラグインにEQやコンプ、その他のエフェクターがひとつにまとめられたモノの総称としています(厳密には違うとのお叱りもあるでしょうが)。
そこにAIという名の自動解析設定機能がついたものが近頃盛り上がりを見せている。
だけど、ツイッターのタイムラインがちょっと危険な方向へ流れているような気がしたのでここで独り言。
決して「こないせなイカン!」というお話しではありませぬ。あくまでも”1/DTM人口”の意見ということで。
AI搭載チャンネルストリップ系プラグインとは
直球でタイトルを付けると、検索でご覧になられた方の中からお叱りを受けることもあるか…と思い、ちょっとボカしました(その結果がタイトルにあるまどろっこしい表現)。
結局のところ、ここではiZotope社のOzone8やNeutron2、Nectar3辺りを指しています。
これらのプラグインには、プリセットとしてあらかじめ段取りされた設定集の他に、アシスタント機能がついており、この機能がまたとても素晴らしい出来になっています。
割り振られたトラックの音を分析して、AIの判断する最適な使用プラグインのセッティングを済ませてくれる。
本当に素晴らしい!
しかし、私が怖い…と感じているのは、そのAiの仕事っぷりの礼賛。
AI機能によって、手っ取り早くプラグインの段取りをシてくれるのは、あくまでもアシスタント機能を呼ばれている。
” アシスタント “機能なのだ。
アシスタント…「助手、仕事の補佐をする人」という意味。
つまり、補佐をする人(プログラムですがw)のセッティングなのだ。
だけど、このアシスタントがいい仕事をしてくれるのだから素晴らしい。
しかし、あくまでもアシスタント…という事実は忘れてはいけない。
少々露骨な表現をしてしまいますが(怒らないでねw)、このアシスタントの仕事っぷりに感動されておられる…という人は、そのアシスタントの仕事以下の能力しか持ち合わせていない…ということに気付かなければならない。
ちなみに私もここに該当する(笑)
本当に感動した!
(`・ω・´)
大事なのはその次。
セッティングを盗め!
アシスタント機能が段取りしてくれたセッティングをくまなく見渡し、セッティングのキモを盗むのだ。
どのエフェクターをどの順番で並べ、どのようにパラメータをセッティングしているのか?
音源の音に対して、同設定してくれたのかを都度、チェックして自分のモノにしていかなければならない。
私のような次元の者にとっては、【 アシスタント 】ではなく【 先生 】なのだ。
これらAI機能付きプラグインの他に、エフェクターを持っているのだとしたら、アシスタント機能が段取りしたエフェクターと差し替えて同じ設定にしてみる。どの様に変化したか?良くなったか?悪くなったのか?自分の耳で判断することを繰り返す。そうすることで、アシスタント機能という名の先生から学ぶことが出来るのだと思う。
こういったチェックを繰り返していくことで、アシスタント機能の設定に対し、「そうじゃないねん!」と、微調整を入れることが出来るようになる…はず。
ここまできて、やっとAI機能はアシスタントとしての役目を果たしてくれる。
作業に対する時短を図ることが出来るんとちゃうやろか。
そしていつしか、AI機能搭載チャンネルストリップ内のエフェクター以外のプラグインだけで自分が求めるセッティングが出来たとしたら…
Ozone8を既存の楽曲にかけてみる
どなただったか失念してしまいましたが多分パンテラあたり…90年代ヘビィメタルの楽曲にOozne8をかけて、いい仕事をしている!的なつぶやきをされていたのを見かけました。
わたしも、レッドツェッペリンのブラックドッグやロックンロールにOzone8をかけて遊んでみたことがあります。
Ozone8のアシスタント機能は、客観的に流れてくる音を分析して、プログラムされた通りに処理を済ませ、エフェクターを段取りしてくれる。客観的な判断はできませんから、「ありゃ、プロの音源通してるでぇw」とは思わない。
誰がミックスダウンしていようが、誰かがすでにマスタリングまで済ませていようが、通されたものに対して処理を施す。
処理を施す基準が中でどの様に設定されているのか?については、外からは計り知れませんが、この客観的な処理は人間にマネの出来ない作業。
人は、その日、その時の気分や体調に大きく左右され、また同席しているメンバーによるしがらみにも流される性質を持つ。しかしプログラムにそんな感情や疲れはない。淡々と仕事をこなすだけである。この点を踏まえて、ひとつの指標として秤にかける…という意味でも、これらiZotope社のプラグインの存在は非常に大きいものになると思う。
まとめ
以前、DAW・DTM初心者こそ「iZotope Music Production Suite 2」にすべき!
なんてお話しをさせていただきましたが、このお話しも今回のお話しに通じるものがあると思います。
また、すでに自分の道具を自分の耳で判断できる人は別として、まだ誰かのアドバイスが必要で自分の耳に自身のない人辺りにも、確認の意味も含めてこれらAI機能付きチャンネルストリップ系プラグインを使うメリットは大いにあるんじゃないかな?と思います。
作業前の叩き台をアシスタントが代替わりしてくれる…と思うだけでも、人を雇うことを考えたら全然リーズナブルなんやし。
ましてやトラック間の照らし合わせやトラックをまたいだ設定の微調整なんかも出来るのだから、作業手順の簡略化にもつながるし。
これらのプラグインに含まれているプリセットやアシスタント機能が全く不要になった時、その値段からは計り知れない知識と経験を得られていると思う。
プラグインやエフェクターってよく解んない…という人から、まだ自分の耳に自身が持てない…という人くらいまでは、一度、このアシスタント機能を体験しておくべきだと思う。
お財布が許すならば上位グレードに手を出しましょ。値段が張る理由はその内容にきちんと含まれていると思う。だからエレメンツあたりに手を出すくらいなら試用版を10日間試せばいい。要不要の判断はきちんとすべての機能に触れてから判断したほうがいい。
→ Zotope Product Downloads | Audio Software, Plug-ins, VST(英語)
実際に触ってみて不要だと感じれば、一度触れていることで今後の迷いもなくなるでしょう。
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