LIFELINE console by Excite Audio – インスタントアナログキャラクターコンソール

DTM

【ライフラインコンソール(LIFELINE console)】とは、無機質なデジタルサウンドにアナログオーディオ機材によるファットで耳当たりのいい質感を与えてくれるチャンネルストリッププラグインのこと

LIFELINE console は、チャンネルストリッププラグインによくある実在機材のエミュレートではなく、入れ替え可能な5つのモジュールと独自のアルゴリズムによるアナログサウンドを生み出してくれる

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【ライフラインコンソール(LIFELINE console)】の第一印象

他社製エミュレート系チャンネルストリッププラグインとは大きく見た目の印象が違う LIFELINE console は、各モジュールに用途に応じたアナライザー(インタラクティブディスプレイ)がリアルタイムに表示され、各パラメータの効果も視覚的にも確認ができる

ノブの数値はマウスポインタを重ねた時にだけ表示される仕様で、ここは好みが分かれるところか(数値に惑わされず耳で判断!?)

各モジュール毎にレベル調整や M/S or L/R 切り替えが可能なのも好印象

欲を言えば各モジュール個別の入力(前段モジュールからの受け止め)も調整させて欲しかったかな

【ライフラインコンソール(LIFELINE console)】の全体像

チャンネルストリップとしては珍しく(?)モジュレーションが搭載されている?と思わせておいて、これはコーラスやフェイザーといった空間系エフェクトではなく、Tape、Vinyl、Cassetteで起こるピッチ変動を再現してくれるモノ(やれば空間系エフェクトのような使い方も出来なくはないw)

WEARモジュールと併せて使うことで、ミキシングコンソールからの出力後に加わるであろうアナログ機器による劣化(言い方w)までも再現してくれる

さらに、右端に固定されているマスター部といって良さげな2つのフェーダーの下にはシンボリックに鎮座するトライアングルパッドでドライ・クリーン・ビンテージの微妙なブレンドをまとめ上げる流れになっている

プリアンプ・EQ・コンプレッサー部でもアナログテイストを加味することが可能で、かなり幅広い音作りにも対応してくれそう

UIのサイズ変更

LIFELINE console のUI は、右下の角っこをドラッグすることでシームレスにサイズ変更が可能

画像は13インチディスプレイに表示された状態
上段左上にあるLIFELINE console が最小サイズ

下段が全体が見える範囲で最大サイズ
しかし左側に押し出して拡大すれば画面下端まで引っ張れるので、13インチの画面からはみ出すくらい拡大が可能
(更に大きい画面では試していません)

各モジュールのサイズ変更

モジュールが5つ見えている状態でそれぞれのモジュールは簡易表示になっている

各モジュール下段にある[Main]と[Adv]の間にある丸いマークをクリックするとモジュールの全パラメータが表示される

モジュールを3つも拡大表示してしまうとUI からはみ出してしまうが、その対処については続き↓をご覧ください

モジュールのスライド

各モジュールを開いてしまうとUIからはみ出し、見えなくなってしまうモジュールが出てくる

隠れてしまったモジュールが見たくなったときは、モジュールとモジュールの間辺りにマウスポインタを持っていくとカウスポインタの表示が切り替わり左右にドラッグすることでモジュールをスライドさせることができる

マウスポインタが左右向きの矢印のままのうちは、モジュールの間以外の場所をドラッグしてもスライドさせることができる

ちなみにモジュールの順番を入れ替えるときは、モジュール名の書かれている上部辺りをドラッグするとそのモジュールをつまみ上げることができる

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【ライフラインコンソール(LIFELINE console)】の構成

LIFELINE console には、5つのモジュールが組み込まれている

・PRE-AMP
・EQ
・COMPRESSOR
・MODULATION
・WEAR

そしてマスター部では入出力レベルコントロールの他、トライアングルパッドによるドライ・クリーン・ビンテージでアナログ/デジタルの塩梅を加減できる

簡単に各モジュールを見ていきましょう

PRE-AMP


3つのモードを持つプリアンプ部
各モードはそれぞれBright(ハイエンド)、Warm(中音域)、Dark(低音域)に特徴を持ち、個別のキャラクターを持つ

アナライザー(インタラクティブディスプレイ)の中段横一文字に引かれたラインが、サウンドキャラクターをもたらす周波数特性を表していて、Bias・Q・Shape・Push・Pull を操作することでこのセンターラインが変化して、もちろん音色もかわってゆく

Low End ノブは左に振り切った状態で20Hzからのローカットで、右にひねるごとに最大500Hzまで周波数ポイントが上がっていく

Driveノブは、0dBから20dBまでブーストが可能
ドライブっていうくらいですから、どのくらい歪む(ギタリスト脳の浅い発想w)のか?

倍音変化をプラグインドクターで見てみた

Bright モードの倍音

ドライブノブ : 0dB

(クリックで拡大表示)
Bright モードの0dBということもあって、目立った倍音の付加は見られない

ドライブノブ : 13.0dB

(クリックで拡大表示)
ノブを右側へグイグイねじっていくと、12dB程辺りから奇数倍音が発生

画像では13dBの状態をキャプチャ

ドライブノブ : 20.0dB

(クリックで拡大表示)
ドライブノブを右一杯に振り切ると数値にして20.0dBのブースト

ここまでくると偶数倍音も際立ってくる

また、基音の1kHzの音が0dBFSを突き抜けているので、本当に歪み(これは耳障り)が発生してしまう
聴感上、歪みを聴き取れなかったとしてもその後の処理でいつ不具合を起こすか判らないので、0dBFSに突き刺さるセッティングは回避する癖をつけておくと安心

どんなに激しくしたいとしても、0dBFSは突き抜けないように注意

Warm モードの倍音

ドライブノブ : 0dB

(クリックで拡大表示)
Warm モードも0dBでは目立った倍音付加は見られないが、ノイズフロアのうにゃうにゃラインは幅広くうねっている

こういうところも音色に影響しているのでしょうね

ドライブノブ : 13.0dB

(クリックで拡大表示)
ドライブノブを右に捻り始めると早々に倍音が発生

Bright モードにならって12dBの状態をキャプチャ

偶数・奇数倍音、共に発生している
偶数・奇数倍音が共存していることで、ブライトモードとはサウンドも違ってくる

ドライブノブ : 20.0dB

(クリックで拡大表示)
ドライブノブを右一杯に振り切った状態

ここでも基音の1kHzの音が0dBFSを突き抜けている

本当にご注意を

Dark モードの倍音

ドライブノブ : 0dB

(クリックで拡大表示)
Dark モードのドライブノブ0dB

ここでも倍音は発生していない

ノイズフロアのうにょうにょラインはBright モードに似ているが低音域に向かって多少の違いがある

こういうところがダークな雰囲気を生んでくれるのか?

ドライブノブ : 13.0dB

(クリックで拡大表示)
Dark モードでも、ドライブノブを右に捻り始め早々に倍音が発生
ここもブライトモードにならって12dBの状態をキャプチャ

ブライトモードの20dBに近い倍音発生の状態(音量は小さいですが)に早くも到達

ドライブノブ : 20.0dB

(クリックで拡大表示)
ドライブノブを右一杯に振り切ってみると、12dBの時のバランスそのままに音量が大きくなったような印象

基音となる1kHz辺りのグラフはやはり0dBFSに突き刺さっている(笑)

どのモードにおいてもドライブノブのマックスには注意が必要

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EQ


Gain・Vintage Circuit・Dirty Circuit の3つのモードを持ち、シンプルに周波数帯域の増減を行うのみならず、アナログEQのような味付けも実現可能っぽい


倍音変化をプラグインドクターで確認してみた

EQのモードを変えることでキャラが変わるのなら、倍音も増えるんやろなぁ…と思い、プラグインドクターに通してみました

GAINモードはこんな感じ

(クリックで拡大表示)

Vintageモードにしてみるとモードを変えただけでご覧の通り(笑)

(クリックで拡大表示)

Dirtyモードでは?と思って変えてみましたが意外な結果に…

(クリックで拡大表示)

と思いきや、1.6kHz辺りを3dB上げるだけでこんな事に(笑)

(クリックで拡大表示)

倍音の加わり方に違いがあるので、キャラの違いとなるわけですねw

一見、4バンドパラメトリックEQに見えるが、ハイ・ローはカットフィルターorシェルビングの切り替えになっている
(EQの中に独立したカットフィルターはない…ということ)

ちなみに、プリモジュールではローカットが、ウェアモジュールではハイカットが強制的に有効になっている

今のところフィルターのバイパスは判りません…出来ない?

カットフィルターについてプラグインドクターで確認してみた

Lifeline Console 起動直後(全モジュール稼働)

(クリックで拡大表示)

プリモジュールのみ稼働

(クリックで拡大表示)

ウェアモジュールのみ稼働

(クリックで拡大表示)

ローカットは最低にすれば20Hzまで下げられますし、ハイカットはウェアモジュールを使わないならモジュールごとバイパスすればハイカットをフィルター回避できます

COMPRESSOR


Lifeline Consoleのコンプレッサーモジュールも Analogue・Transparent・Variable の3つのモードを持つ

様々な音源や用途に応じて使い分けることで、各チャンネルに応じたダイナミクスをもたらしてくれそう

コンプレッサーもモードによって倍音の増え具合に違いがありましたのでプラグインドクターに通してみました

設定は共通でこんな感じ
Ratio – 4:1
Make up – 0.0dB
Attack – 10.0ms
Thresgold – 12.0dB
Knee – 6.0dB
Release – 100.0ms
StereoLink – 100.0%
Mix – 100.0%

Analogueモード

(クリックで拡大表示)

Transparentモード

(クリックで拡大表示)

Variableモード

(クリックで拡大表示)

揺らぎが激しい中の一瞬をキャプチャしていますので、正確さに欠けますが、倍音の加えられ方はおよそこんな感じでした

MODULATION


すでに記したようにこのモジュレーションは空間系エフェクトとは区別され、Tape・Vinyl・Cassette といったアナログオーディオの特性とも言えるピッチの揺れを再現してくれる

マスターか一部のバスにだけかければいいと思われるこの機能(考えが古い?)をチャンネルストリップに組み込んだことで、ピッチのゆらぎを束ねる音作りに挑戦しやすくなるか
(まだ試していないのでなんとも言えませぬw)

WEAR


モジュレーションモジュール同様 Tape・Vinyl・Cassette の3タイプから選ぶことができ、Amp(ヒス)、Hum(電気ノイズ)、Mechanical(物理的 な動きや音)、Dust(光のアーチファクト)といった特性をバランス良く組み合わせ、ピッチ以外のアナログ機材の影響を加えることができる

エイジタブのパラメータ…アーティファクト(意図せず発生するノイズ)やドロップアウト(意図しない減衰)をSYNCボタンでプロジェクトのテンポに同期させられるので、意図せず発生していた音質変化をリズミカルに利用することも可能になる

([Sync]の文字↑がボタンになっている)

まとめ

様々な角度からアナログちっくな味付けを、デジタルの便利さと融合させられた LIFELINE console は、エミュレート系チャンネルストリップを飛び越えた音作りも可能にしてくれる新しいスタイルのチャンネルストリップといってもいいかも


※当ページはPluginBoutique社の提供によりお届けしました

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