これからマイクを買おうとしている人にとって、マイクの種類は実に多種多様で全ての品種・特徴を把握するのは困難
指向性がどうの……コンデンサーマイクはどうでかダイナミックはどうで……ダイアフラムのサイズがどうで……周波数特性はどんなカーブが自分の声に合うのか?
予備知識無しに悩みだしても答えには辿り着けまい
そこで、まずはここだけを気にしてほしい!というポイントをご紹介
初めてのマイクは予算で決める
数多あるマイクの中から自分の声(もしくは集音しようとしている音)に最適なマイクをいきなりチョイスすることなど、数年かけて培った知識や経験なしにはほぼ不可能と言っていいでしょう
つまり、マイクのスペックを気にしてあれこれ悩んでいても、いつまでも決めることは出来ない
そこで、初めてのマイクを選ぶ時に決め手とする基準は、お金とフィーリング(使い勝手)に絞ってみることをご提案いたします
初めてのマイクにいきなり数十万円もの予算を用意される方はそれほど多くないことでしょう
多くの人はまず、数千円から数万円程度の予算を考えておられることことかと
そこで、予算のガイドラインをご提案したいと思います
境目になる金額は……
ズバリ2〜3万円!
2〜3万円を確保できるか?厳しいか?で、選択する方針が変わってきます
なぜ2〜3万円が境目になるのか?
どうして2〜3万円の金額が境目の基準となるのか?
それは、世界中で圧倒的定番とされているマイク……マイクを扱う人が必ず使い込んでおいた方がいいとされる定番マイクが存在するから
このマイクは高音域の艶がいいなぁ…
このマイクは中音域の力強さがいい…
などなど、マイクを評価する際にモノサシとなるべきマイクがあるのです
で、そのマイクがおよそ1万円前後する……と
そのマイクは……SM58
で、このSM58と呼ばれるマイクをパソコンに接続するにはオーディオインターフェイスと呼ばれる機器が必要になってくる
また、マイクとオーディオインターフェイスを接続するためのケーブルやマイクスタンドも必要
なので、併せて2〜3万円の予算がかかる
つまり2〜3万円の予算が確保できる場合、まずはこの定番マイクを手に入れて、このマイクの特性を肌身に刷り込んでいただきたい
(まぁ、すでにある程度の経験があり、自分のモノサシがすでにあるのならご自身で好きなように判断されて結構ですがw)
長く活動を続けていくうちに、他人と交流することがあった場合もマイクの話をする際に「58に比べて高音がなんやら……」「58に比べて中音域がなんにゃら……」と双方にSM58というマイクに対する感想を踏まえておくことで手軽により正確にマイクの比較感想を伝えることが可能になる
このSM58の特性を把握せずにマイク比較の話をしようものならキャリアの乏しさを疑われる……かもしれない(笑)
2〜3万円以下の予算
なかなかSM58やオーディオインターフェース(+ケーブル・マイクスタンド)までは予算が厳しいなぁ……という人も少なくないと思います
この場合、ご用意可能な予算の範囲でその中から自分のフィーリングにマッチするマイクを選べばいい
難しいことは考えず、いつも参考にしているサイトのオススメから選んでも構いませんし、自分が使いやすそうなものを選んでください
(この時、そのマイクが直接パソコンに接続可能かどうか?だけはしっかりご確認ください)
ヘッドセットがいいなぁ……と思えばヘッドセットマイクで構いませんし卓上スタンドが使いやすいなぁ……と思えば卓上スタンドとセットになっていたり卓上スタンドが一体化されているマイクでもいい
本格的なマイクの価格帯に対して厳しい予算といえど、自分に出せる精一杯の対価を払うのだから、どうせなら見た目からでも気分の上がるお気に入りを見つけていただきたい
まずは触りたくなる!つて事がとっても大切
どうせこの先、ほぼほぼ2本目……3本目……と、マイクを買い足すことは必至
充分な判断基準を持ち合わせていない人が、いきなり1本目で自分の声色にマッチしたマイクを選べる訳がない
なので、とにかく実際にひとつマイクを手に入れて、そのマイクのスペックを意識しつつ、自分の声の変わり具合を体感しましょう
何度も何度もマイクを通したあとの声を聞いて、今手元にあるマイクよりどの帯域がどうなってほしいのか?
この繰り返しでいくつものマイクを渡り歩いていくことになるわけです
こうした経験を重ねた先に数万〜数十万円もするマイクに辿り着く
良さが判らないものに万単位のお金なんて注ぎ込めませんものね
2〜3万円を超える予算
予算が潤沢に用意できる人であっても、まずはSM58を通っておいた方が、あとあと汎用の効く経験を重ねることが出来ていい……と思いますが、「エ〜つ、アレがいいなぁ……」と、お目当てがすでにございましたらどうぞお好きなマイクを選んでください(笑)
「SM58はもういいよ……」なんて思っておられる方は、すでにスタジオなどでSM58に触れたことがあるのでしょうから、その経験を活かしてチョイスしていただければいいと思います
ただ、マイクばかりに予算を注ぎ込むのではなく、オーディオインターフェースや、ケーブル、その他アクセサリー類も多数ありますのでその辺りを充実させていくことも大切です
また、マイクに万単位の予算を用意される場合、本格的なコンデンサーマイクを狙っておらる人もいらっしゃるかもしれません
その場合、気を付けていただきたいのは録音を行う部屋の環境
普段、過ごしている分には気にならない微かな騒音も、感度の良いマイクでは集音してしまう
エアコンや扇風機、冷蔵庫のコンプレッサー(DTMのコンプとは違いますw)や換気扇、なんなら家の前を通る車(電車など)の音なども、しっかり記録されてしまいます
あとから iZotope / RX やDOTEC AUDIO / DeeTrimCast を通して処理するにしても、全てのノイズを消せるとも限りませんし、消せたとしても音質の変化は多少なり避けられません
なによりメンドウクサイ(笑)
(マイクの尾管理にホコリ・湿気対策なんかもありますし)
なので、可能な限り集音したい音以外の音は記録されないように作業した方がいい
録音する環境によってはダイナミックマイクの方が扱いやすかったりする場合もある(ちなみにSM58はダイナミックマイクです)
予算に余裕があり、録音に対して本気度が高いのであればこそ、ますますSM58は通っておいて欲しいな、と思います(イヤならイヤで無理にとはは言いませんがw)
まとめ
本当に初めてのマイク……という事であれば、やはり様々なマイクを使い比べた経験に乏しいだろう……と勝手に決めつけてお話を進めてまいりましたが、そうでなくともSM58というマイクはやはりド定番
テレビでもよく見かけますし、スタジオ常設のマイクでもよくSM58が用意されていたりします
つまり活動範囲が広がれば広がるほどお目にかかる機会も増えてくる
そこでいつも通りに使いこなせるのと、その都度四苦八苦するのとでは効率に差が出ますし、現場のスタッフとの意思疎通もブレが少なくて済む可能性が上がる
そんなド定番のマイクが1万円程度で手に入るのです
数十万もするマイクがゴロゴロと売られている中、1万円程度で手に入るんですよ!
これから何万…何十万と注ぎ込むであろう録音活動の中、1万程度の機材を持っていない(使ったことがない)……というのもおかしい、と感じてくれる人も少なくないと信じたい(笑)
また、そんなド定番マイクが1万円程度とはいえ、やっぱり予算的に厳しい……という人は、音質などのスペックには気を取られずに使いやすさなど、フィーリング中心の選択で言いと思います
本気でマイクにスペックを求めるならば、何十万もの予算を覚悟しなくてはならんのですから(笑)
スペックの比較でモジモジしているよりも、少しでも早く録音された自分の声を聞くほうが先決です
きっと、自分の録音された声に妙な違和感を感じてしまうことでしょう
この現象に少しでも早く慣れることが先決です
(慣れるまではホントに困惑しますよw)
個人差はあると思いますが、この現象に悩まされていると、記録された音声の音質を分析するにも惑わされてしまいます
いち早く録音された自分の声に違和感を感じなくなり、客観的に音質がどうなのか?聞き分けられるようになるためにも、すぐにでも録音された自分の声を聞き始めて下さい
なので、マイクのスペックに悩んでいるよりも、自分お使い勝手の良さそうなタイプのマイクをササッと選ぶことが大切……とういうことです
まとめなのに話題がとっ散らかってスミマセンでしたw
異論は色々あると思いますが、その場合はこのページをそっと閉じて忘れて下さい(笑)