WAVES Scheps Omni Channel 〜 Preset – Drum Bus 〜聴き比べ

レビュー

WAVES Scheps Omni Channel に予め収められている膨大なプリセットからバストラックにまとめたドラム音源に挿せそうなプリセットを取り上げて、聴き比べてみようと思います。ドラムキットそれぞれ個別にかけてやる使い方もありますが、今回はまとめて掛ける方でお楽しみ下さい。


今回、聴き比べしてみよう…というのがこちらのプリセット。

Cenzo Townshend さんのプリセット集の中にDrum Busという名の設定が4種類収められていました。
チェンゾ・タウンシェンドさんは英語の音楽プロデューサー・ミキサー・オーディオエンジニアで、a-ha、Kaiser Chiefs、U2、Snow Patrol…などなどといったこれまたそうそうたるアーティストと共にお仕事をされてこられた方。

更に詳しく知りたい方は、英語になりますがこちらをどうぞ。
Cenzo Townshend – Wikipedia

サンプル

プリセットの効果を確かめるためにドラムパートのみ、鳴らしてみました。

ドラム音源にAddictiveDrumsを使っています。ADKitはUNITED POPを使用。プリセットのAcousticPopをそのまま鳴らしています。Addictive Drumではエフェクターをかけたりキットを変更したりすることが出来ます。
どの部分も変更してはいませんが、参考になれば…と思い、各設定ページを置いておきます。

Addictive Drums エディットページ

Addictive Drums エフェクトページ

Addictive Drums キットページ

この設定でMIDI Pack「Rock Songs」に含まれるRock song 9をそのまま鳴らしました。

Addictive Drumsの中でエフェクターはかかっていますが、ホストDAWのStudio Oneの方ではリミッターすらかけていません。まんま素の音です。ここにSchepes Omni Channelを挿して、どのように変わっていくのかを聴き比べていただきたいと思います。

それではまず、SchepsOmniChannelを有効化した音源をまとめて置いておきます。聴き比べてみて下さい。

プリセット 【Drum Bus】WAVES Schepes Omni Channel

プリセット 【Drum Bus Heavy Starting Point】WAVES Schepes Omni Channel

プリセット 【Drum Bus Para Zep】WAVES Schepes Omni Channel
注:だいぶ歪んでいます

プリセット 【Drum Bus Para Tight】WAVES Schepes Omni Channel

AddictiveDrumsをそのまま鳴らしただけのものと、違った印象を感じていただけたのではないでしょうか。
それでは引き続き、各プリセットの設定をご紹介しておきます。

SchepsOmniChannelプリセット設定

プリセット Drum Bus

プリセットの設定のうち、マスターのレベルのみ修正しています。それ以外は全くのプリセットのまま。最終的な音量が最大-16LUFSとなるよう、OmniChannelの方で調整しました。その他の設定は以下の通り。

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
PRE
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード

SATURATION:60.0
ODD

FILTER
High-Pass
40Hz
12dB

THUMP
4dB

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
EQ
カーブのタイプは画像を参照下さい。
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード

HIGH
GAIN:3.4dB
F:5616HZ

MID
GAIN:5.0dB
F:3999Hz

TONE
GAIN:2.0
F:400Hz

LOW
GAIN:3.5dB
F:100Hz

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
COMP
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード
FET

THRESHOLD:-9.89
RATIO:4.4:1
ATTACK:12.66
RELEASE:72.3ms

MIX:100
OUTPUT:0

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
MASTER
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
LIMIT
THRESHOLD:0.0

LEVEL:-7.9dB

プリセット Drum Bus Heavy Starting Point


= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
PRE
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード
SATURATION:84.0
ODD

FILTER
High Pass:40Hz
12dB
Low Pass:18002Hz
6dB

THUMP:OFF

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
COMP
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード
FET
THRESHOLD:-30.53
RATIO:4.4:1
ATTACK:0.40
RELEASE:50.0
MIX:51.0
OUTPUT:0.4

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
EQ
カーブのタイプは画像を参照下さい。
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード
HIGH
GAIN:4.0
F:5616Hz

MID
GAIN:5.0
F:3999Hz

TONE
GAIN:2.1
F:400

LOW
GAIN:5.8
F:95Hz

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
MASTER
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
LIMIT:OFF

LEVEL:7.7

プリセット Drum Bus Para Zep


= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
PRE
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード

SATURATION
100.0
HEAVY

FILTER
High-Pass
59Hz
12dB

Low-Pass
20000Hz
6dB

THUMP
OFF

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
COMP
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード
FET
THRESHOLD:-23.42
RATIO:16.1:1
ATTACK:0.40
RELEASE:333.4
MIX:100.0
OUTPUT:-3.3

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
EQ
カーブのタイプは画像を参照下さい。
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード
HIGH
GAIN:6.5
F:172Hz

MID
GAIN:4.6
F:3999Hz

TONE
GAIN:1.5
F:400

LOW
GAIN:4.5
F:95Hz

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
MASTER
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
LIMIT:0.0

LEVEL:6.9

プリセット Drum Bus Para Tight


このプリセットだけ、ボリュームが控えめになっているかもしれません。他の音源は最大-16LUFSで揃えていたのですが、このプリセットはLimiterがオフになっているせいか、LUFSでの値は控えめ(-18.8LUFS)にも関わらず、TruePeakが0dBを超えてしまうため、マスターに挿しているレベルを測定するプラグイン(WAVES WLM Plus )の方でリミッターをかけています。

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
PRE
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード

SATURATION
24.0
ODD

FILTER
High-Pass
39Hz
12dB

Low-Pass
20000Hz
6dB

THUMP:2dB
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
COMP
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード
VCA
THRESHOLD:-25.68
RATIO:16.1:1
ATTACK:150.00
RELEASE:50.0
MIX:100.0
OUTPUT:-3.3

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
EQ
カーブのタイプは画像を参照下さい。
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
STモード
HIGH
GAIN:1.6
F:172Hz

MID
GAIN:8.0
F:3999Hz

TONE
GAIN:-2.0
F:400

LOW
GAIN:4.5
F:95Hz

= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
MASTER
= – = – = – = – = – = – = – = – = – = –
LIMIT:OFF

LEVEL:0.0

まとめ


三番目のParaZepだけ明らかにやり過ぎ(笑)
しかしながら、音量についてはmp-3変換後でも最大-16.2LUFSとなっています。(右の画像がそれ)
なので、OmniChannelを挿していないものから4番目のプリセットを除く3つはだいたい同じ音量。だけどやっぱりParaZepが大きく聴こえる。膨満感を感じさせるのは波形を見れば一目瞭然w

mp-3変換後のファイルを再度Studio Oneに放り込んで並べてみました。
上から順に「Drum Bus」「Drum Bus Heavy Starting Point」「Drum Bus Para Zep」「Drum Bus Para Tight」と、音源が出てきた順になっています。

上から三番目の波形がやはり平均的に太い波形になっています。

四番目の背景はTruePeakで泣かされた事がよく判る幅の広い波形に。

一番目と二番目は拡大しないと判りにくいですが、拡大していただければその違いに気付いていただけると思います。
(画像をクリックで別窓拡大表示します)
これらの違いとして大きいのはコンプとEQの順番が変わっている点。もちろん、ノブの数値もそれぞれ全然違いますので、聴き比べると違った印象は受けるハズ。

三番目のParaZepがやり過ぎなんですw

一番目から三番目までの音量が最大-16.1LUFS、四番目のものだけが最大-18.9LUFSなのですが、かならずしも4番めのトラックだけが極端に小さく聴こえるものでもない…というのがおもしろい。波形も一番幅が広いのは四番目のファイルだし。もちろん、スカスカの波形からも音がそれ程大きいものではない…というのが読み取れるのはそれはそれで面白いけど、必ずしも目で見た印象ほど小さくはない…ということは忘れてはイカンのではないでしょうか。


今回、AddictiveDrumsのキットやらを追加したキッカケで、ついついドラムトラックに偏ったプリセットを見てきましたが、Scheps Omni Channelには膨大なプリセットが予め用意されています。

モノがチャンネルストリップですから、なんなら全てのトラックに挿してしまっても何かしら使える設定があって当たり前…というのが前提なのだとは思いますが、だからといってこの設定の自由度は本当に便利でスゴイと思います。

また勢いがつくことがあれば、ベースやギターなど他のプリセットもやってみたいと思います。

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