値段の高いギターの方が、いい音がするのか?
ヴィンテージ・ギターなら高い代金を払う価値があるのか?
その辺のことを考えてみようと思います
あくまでも、私個人の見解です
ちょっと歴史を振り返る
そもそもエレキギターという楽器は歴史が浅い
オーケストラで使用されるような楽器は何百年もの歴史を重ねてきている
それにくらべてエレキギターなんてまだまだ2桁年程度のもの
1950年代に登場して、そこから改善を重ねてきたのがエレキギター
登場当時のエレキギターの値段って800ドル程度だったはず
(当時のカタログをどこかで見ましたw)
その当時はドル・円の仕組みが今とは違っていたので、登場当時のエレキギターを日本国内で買うとなると、ちょいとドえらい金額になったのかもしれない
しかし、ドル表記なら800ドル
そんな程度の価格設定だったのだ
(現在とは物価の違いがあるので単純な比較はできませんがw)
しかも、エレキギター登場当時はその制作に正解はない
だって、新しく登場した楽器だものね
F社のエレキギターはその木材を値段の手頃なものってことが指標になって選ばれた……なんて噂もある(笑)
つまり、登場当時のエレキギターに使用される木材の正解はまだ手探り状態だったわけだ
その後、その他の楽器で使用されている木材や、弾き手の意見なども交えてだんだんと絞られてくるのかもしれない
が、しかし、今となっては当時使用していた木材が乱伐によって価格の高騰や質の劣化などの理由から新たに試される木材も登場している
果たしてエレキギターの木材は何が正解なのか(笑)
ギターの値段
ヴィンテージ・ギターが重宝されるのは様々な理由があるのでしょうが、もう値段がおかしなことになっているものもある
私個人的にヴィンテージ・ギターに求めるもの……それは、木材やパーツの類
もちろん劣化してしまった木材やパーツでは困りますがw
とはいえ、時代の流れに遮られて今では使用できない素材を使用したパーツがあったりしたら、それはもう現代では再現不可
当時のパーツで、劣化のマシなものがあるとすれば、その価値は感じられる
で、木材の話しに戻りますが、ヴィンテージ・ギターと呼ばれるギターの発売当時には豊富に用意することが出来た木材も、今、現在、希少化による高騰や質の劣化が悩みのタネ
良いのか悪いのかは知りませんが、最近では熱処理をした木材が使用されるギターもあるらしい(本当に大丈夫なのか?を判断するには10年以上経過を見たいところ)
つまり、木材がもう追いついていないってことでしょう?
そうなると新品のギターを買うにあたって、使用されている木材を慎重に確認する必要が出てくる
エレキギターにとって、木材は鳴りよりも丈夫さを求めるのが私の意見
(もちろん最低限のサスティーンは必要ですw)
とくにネックなんて、使っているうちにネジれでもしようモノなら目も当てられません
もちろん、反りも少ないに越たことはない
多分ね、トラ杢とかに気を取られている場合じゃない(笑)
もちろん、その見た目の美しさに愛着が湧くのも分かります
しかし、杢は繊維のムラであることを踏まえると、やはりそこは慎重な判断が必要になるんじゃないかな?(ボディなら杢入りでも不安はないかな?)
実績のない新品と、これまで10〜20年以上ネジれることのなかったネックの実績のことを考えると、そういう意味ではヴィンテージやオールドと呼ばれるギターにもその価値は感じられる(ワシが手にした途端ネジれるとかいう不運は抜きにしてw)
そこにいくらまでなら払えるのか?はやはり人それぞれの価値観といったところでしょうか
私の理想?
そんなことを考えてしまうと、経年劣化をすでにすませているヴィンテージ・ギターというのは、木材の良し悪しを判断するのにはもってこいですよね
だって、すぐにへたるような木材を使用していたとしたら、その手元ですでに反るなりネジれるなりしているでしょうから
そういう意味ではヴィンテージ・ギターを狙うのも致し方ないところか
とはいっても、1950年代のものはもうすでにての届かない価格帯
負け惜しみではありませんが(笑)、1950年代のエレキギターってのは、制作者さんもまだまだ試行錯誤していた頃でしょうから、もうちょっと後発のものがいいかな
だって、日本人だと職人としての信頼は10年位の経験は欲しいところでしょ?
だとしたら1965年頃以降のモノが狙い目か?
しかし困ったことに、フェンダー社はこの頃にお家騒動があって、ヘッドの形状がラージヘッドに変更されるんですよねw(その他、いろいろ変更されています)
個人的にスモールヘッドの方が好きなんですよw
指板はメイプルじゃなくてもいいんですけど、ヘッドはスモールヘッドが良いなぁw
この際、1970〜90年代以降で見た目も木材の質も気に入るものを探すのが一番安心かな?
こんな少々マニアックなお話をしているところには初心者さんはいらっしゃらないかもしれませんが、ELTのギタリスト、伊藤”いっくん”一朗さんがギターの試奏時にチェックするフレーズを作曲されておられました
楽器屋さんで有名な曲のフレーズを「恥ずかしくて弾けない!」って人は挑戦してみましょう
キモになる話
不思議な話ですが、エレキギター登場当時、まだまだ制作者さんも熟練とはいかない時期に発売されたモノが、その後、発表される名曲をサポートしていたりするんですよね
ということは、少々雑に制作されていても(失礼w)、エレキギターってそれでいいのか?(笑)
あ、でもギブソン社はちょっとエレキギターの扱いが早かったので、制作者さんの熟練も進んでいたのかな?
いや、フェンダーのギターだって名作を奏でているはずだw
そう考えると、エレキギターって登場当時から奇跡的に理想の姿をして生まれてきた……ってことになるな
どれだけの奇跡だw
まとめ
ネックに使用される木材のことを考えると、ある程度年月の経過している固体で確認できることがありがたいってことになる
もちろん、好みの色や形なんかも大事な指標にしてもいい
しかし、ネックの丈夫さだけは忘れちゃいけない
末永いお付き合いになるのだから、数年程度であり得ない反りやネジれなんておこされちゃたまったもんじゃない
そんなチェックを安心して行うために、多少古いギターをチェックすることは理に適っていると思う
しかし、だからといって出せない価格帯にまで高騰しているものはあきらめよう(笑)
新品で高額な価格帯になっているものは、ひょっとしたら質の良い木材を使用しているのかもしれない(これはその都度要確認!)
値段が高いにも理由がある
その理由が、ギターの丈夫さに影響することなのかどうかしっかり確認した方がいい
ただトラ杢がスゴイでしょ!ってだけで高いものは、私は慎重になるなかな
あと、長年ギター製作に携わっている凄腕職人さんが製作したギターもそれなりの価格帯に設定されていたりするので、その辺もしっかり確認が必要
でも、歴史的な名演にその音色を奏でていたギターは、制作数年の人だったりしたことも忘れちゃいけない
あぁ、もうそんなこと言っていたらまとめがまとまりゃしない(笑)
高級ギターであれヴィンテージ・ギターであれ、その値段がどうしてその値段なのか?
その理由は一本一本違うでしょうから、焦らずじっくり確認していただきたい
しかし、視野は広く持つことをお忘れなく
チラっと脇見をしたら、お手頃価格で頑丈そうなギターが並んでいるかもしれませんし(笑)
結論
なによりエレキギター登場当時には、エレキギター製造歴10年以上を誇る職人さんもいなければ、現在のような(多少の価格差はあったでしょうが)高級ラインなどなく、レギュラーラインのモデルが数々の名演を支えてきたであろう事実を忘れないでいただきたいところです
高級ギターであれヴィンテージ・ギターであれ、新品であれオールドであれ、その価格が納得できるものかどうか、その理由をしっかり確認をしましょう!
ただ、最後まで悩ましいのが、エレキギター登場当時(1950年代)の1ドルが現在の何ドルで何円なのか?当時と現在とでは円・ドルの関係の違い(固定レート、1973年から変動相場制)や海外と国内とでの物価上昇の比率に違いがありすぎて簡単には想像できないこと(物価上昇の分析をされておられる方でも5〜10倍の開きがw→物価指数に「企業物価指数」と「消費者物価指数」があることも影響か)
ってことで(笑)
でわでわ