「 #ミックスしようよ2 feat. Louis Berry 」のファイルをiZotope製プラグインで処理した詳細

DTM

「ミックスしようよ 2 feat. Louis Berry 」のファイルを、iZotope製プラグイン” Neutron 2″,” Nectar 3 “,” Ozone 8 “で処理してみました。
アシスタント機能が導くエフェクト処理をひとつずつ見ていこう…と思います。

iZotope製プラグイン購入を検討されている人には参考になるかも。

前回の” 「ミックスしようよ 2 feat. Louis Berry 」のファイルをiZotope Neutron2 Nectar3 Ozone8 で処理 “では、音量と波形のチェックだけでけっこうなボリュームになってしまいましたので、分割させて頂きました。

今回は、iZotope製プラグインがアシスタント機能でチョイスしたエフェクターやその設定を見ていこうと思います。

聴かせる音によって、アシスタント機能の導く解には差が出ると思いますので、同じことをやったとしてもまた同じ結果になるとは限りません。そこはあらかじめご了承下さい。

あと、私が処理を施した(今回の処理はアシスタント機能ですがw)ミックスの音については、素材が他人様の著作物であることから、音の公開は自粛させていただきます。曲の存在ももちろんですが、音を収録したエンジニアさん達の仕事も”コンテストに使われること”を目的に行われているもの、という前提を侵害したくない…ってことです。コンテスト告知ページでも公開の是非については触れられていませんので、ここはガマン。ツイッターのタイムラインを覗いていますと、SoundCloudにアップしたものをつぶやいておられて楽しそうなのですが、指を咥えて見ているだけ…にしておきます(笑)そりゃワシだって聴いてほしいさ…

今回のところはプラグインの操作パネルのキャプチャで勘弁してくださいw

ミックスしようよ2課題曲

今回の素材となる「ミックスしようよ2feat, Louis Berry」の課題曲は、リバプールのロックンローラー”ルイスベリー”さんの”25 Reasons”という曲を一発録りしたもの。

素材となるファイルはLWEITTさんとこのコンテスト告知ページで手に入ります。
ミックスしようよ 2 | Lewitt Audio
コンテスト終了後はもらえないかもしれませんのでお早めに。

では、さっそくキックから見ていきましょう!

iZotope Neutron 2 キックの処理

今回の課題曲”25 Reasons”のキックを収めたチャンネルは2チャンネルあります。

まずは”KICK-IN-DTP 340-REX”のチャンネルから。

キックチャンネルその1

キック1つ目のチャンネルはわりとパチンパチン言っている帯域の広い印象の音。パチンパチンって(笑)のは打面の音って言うのでしょうか、まぁバチンバチン言ってますw(音はコンテストのページからファイルをもらって聴いてね)

で、この音に対してNeutronは5つのモジュールから3つを選択。

イコライザー、エキサイター、コンプレッサーが使用されています。

イコライザーの設定から見ていきます。

パイパス・ローパスは未使用で”1″,”3″,”5″のバンドを通常のEQモードで使用(使っていれば”Dynamic Mode”の文字が各トラックの色になります)。

ちなみにマスキング機能を有効にして、チャンネルを指定してやると、比較したい音との被り具合を教えてくれたりもします。

ちなみにここではもうひとつのキックチャンネルを指定して、それぞれの音からぶつかっている帯域を上の段で色を付けて教えてくれています。
まぁ、同じキックの音なのでぶつかっていて当然ですが(笑)、こういった判断や調整をアシスタント機能はやってくれないので、ここから先にあなたの(ワシの?)センスが問われるわけです。

次にエキサイター。

帯域を2つに分けてレトロよりの味付けがされています。
どちらも同じような味付けならひとつの帯域でも良さげな気がしますが、ここはあとから変更したい時のためにアシスタント機能がわざわざ段取りしてくれていた…ということにしておきましょう(笑)

そしてコンプレッサー。

コンプレッサーは3つに帯域を分けて使えるのですが、ここではひとつしか使用していません。

また、ハイパスをかけることで余計に引っ張られすぎるのを回避していると思われます。(マニュアルちゃんと読んでないので推測です)
ローパスは、このへん音してへんしいらんやろ…的な(笑)

続いて2つめのキック。

キックチャンネルその2

1つ目のキック同様5つのモジュールから3つが使用されています。

イコライザーのカーブも1つ目のキックにそっくり。(先程マスキング機能の説明の時にちら見してましたがw)

しかしよく見てみると、ポイントは微妙にずれている。5のバンドは露骨にズレています。
この辺は聴いて判るほど印象の違った中域の特徴を分析して導かれたポイント…ということなのでしょう。

他のバンドも微妙に違いが出ています。

続いて2つ目のキックにかけられたエキサイター。

区切られた帯域こそ全然違いますが、どちらもレトロよりの味付けで、数値も1つ目のキックと同じ。

コンプレッサーでも、レシオやリリースタイムに若干の違いはありますが、1つ目のコンプと似たような設定になりました。

事件です

いや、事故です(笑)

ここでStudioOneがクラッシュしました。

挫けそうw

何が挫けそうって、ここまで一度もセーブしていなかったこと。

それほどホイホイ作業がスムーズに進んでいたってことです。セーブすることを忘れるほどに(笑)

ともあれ、1からやり直し。

これが1週間かけて作った方のファイルだったら立ち直れません。

しかし、今回消滅したファイルは、その作業のほとんどをプラグインのアシスタント機能が担ってくれています。
私がやったことは、音声ファイルをStudioOneへ放り込み、プラグインを挿しただけ。

それも同じプラグインを挿すチャンネル全てを選択した状態で、ドラッグ&ドロップすると、その選択されたチャンネル全てに同じプラグインが挿さる。
今頃気付きました(笑)
なんと便利なんだw

とはいえ、多少の精神的ダメージはありますので、今回のエントリーはここで一区切りさせて下さい。

ただこれで、いきなり終わり…というのもなんだか公開する気にもなれませんので、途中を端折ってOzone 8 の仕事っぷりを最後に貼り付けておきます。
ストリーミングとCDをターゲットにアシスタント機能が施した設定をザッとご覧ください。

Ozone 8 の処理

Ozone 8 はマスターチャンネルに挿しています。

このOzone 8 はターゲットにストリーミングとCDが選べ、そのチョイス次第で結果が大きく変わってきます。

そこで、まずはストリーミングをターゲットに処理をした方から見てもらいます。

ストリーミングターゲットの処理

ストリーミングをターゲットにした時、アシスタント機能は4つのモジュールを選択した。

いや、4個のうち1つはバイパスされている(笑)

ちなみにOzone 8にはこの4つ以外にあと8つのモジュールが備わっている。


ちょっと読みにくいかと思いますので改めて…” Vintage EQ “,” Vintage Tape “,” Exciter “,” Vintage Compressor “,” Spectral Shaper “,” Imager “,” Post EQ “,” Vintage Limiter “が使うことが出来る。

ちなみにAdvancedグレードであれば、これらのモジュールを個別にチャンネルのインサートへ放り込むことが出来るので、使用するモジュールが決まっている場合、個別に使用することでいろいろとスッキリさせることが出来る。

それではアシスタント機能が段取りした各エフェクターの設定を見ていきましょう。

まずはEQから。

こんな感じでかけられている。

各バンド別の詳細は割愛させていただきます。

続いてダイナミックEQ。

結構なえぐさで抑えつけているように見えますが、このカーブは通常のEQとは違い、スレッショルドを指定しているカーブなので、EQの感覚で見ているとちょっと拍子抜けするかも。とはいえ、えげつない深さに指定してあるので、そこそこ音が出ればすぐにEQの抑えつけにあうと思われます。

これも各バンドの数値は割愛させていただきます。

で、最後にマキシマイザー。

Ozone 8 のキモとも言えるモジュールの登場(笑)

こいつが各チャンネルで丹精込めて築き上げた音の蓄積を台無しにしてくれる犯人w

とはいえ、ターゲットをストリーミングにした場合、程々のところで加減してくれるので、自分で迫力を出しきれない…という人は助けてもらう価値は大いにあると思う。ただ、やり過ぎないようにしないと、何のためにチャンネルストリップで微調整をしたのか判らん仕上がりになるので細心の注意が必要。

これらのモジュールを駆使して、Ozoneが吐き出したミックスダウンがこの様な変化を見せてくれる。

最後に、下の段の海苔波形を生み出したCDをターゲットにした設定を見ていきましょう。

CDターゲットの処理

ターゲットをCDにした時も、Ozoneは3つのモジュールを選択した。(もうバイパスしてあるのは数えませんw)

選ばれたのはストリーミングがターゲットの時と同じイコライザー、ダイナミックEQ、エキサイターの3つ。

詳細は割愛いたしますが、順に見ていきましょう。

まずはイコライザーから。

使用されているバンドの数は減っているものの、低音域を随分持ち上げるカーブを描いています。
この辺が海苔波形を生み出す秘訣なのか?(笑)

続いてダイナミックEQ。

ストリーミングをターゲットにした時は中域を凹ませる設定になっていましたが、CDをターゲットにした設定では中域を凹ませず、そのちょっと上下を凹ませるような設定になっています。これだけ凹ませる帯域が違えば聴こえてくる音の印象も違うはず。

そして最後にエキサイターの登場(笑)

スレッショルドが随分と下げられてCellingが-0.3dBとギリギリまで上げられています。

これがコーラス部分での海苔波形を生み出す秘訣(笑)
(生み出さなくていいけどw)

スレッショルドをこんなにも下げてしまえば、もう普通に聴こえる程度の音量のものも抑え込んで持ち上げる…ということをしているので、せっかく各チャンネルで繊細なコンプレッションをかましていても、全て台無しw

こういう波形を望むのであれば、いっその事、音色作り以外のコンプレッサーはかまさなくていいのかもしれない(わけないはずなのだがw)

まとめ

ちょっとしたハプニングに見舞われて(ものがモノだったら”ちょっとした…”では済まなかったw)、急遽随分省略することになってしまいましたが、結果的にいつも通りくらいのボリュームに収まることが出来ました。

これ、そのまま続けていたら何文字くらいまでいったんやろw

最終的にはOzone 8 の持つポテンシャルが充分すぎることが確認できたと思います。

その充分すぎるポテンシャルをフルに発揮するのではなく、いい塩梅で活用することで、経験不足の私にでもサクッと膨満感のあるミックスが行えました。

途中、端折ってしまったNeutronの各設定にも、学ぶことがきっとたくさん詰め込まれていると思いますので、折を見て、この辺も加筆していけたら…と思います。

今日のところは、まだミックスしようよ2コンテンストの提出用ファイルがまだ出来ていませんので、そちらを先にやらせて下さい。おたおたしていたら2週間なんてあっという間ですし。

とにかく、各チャンネル、バスチャンネル、マスターチャンネルで施すべきセオリーが身に付いていない人にとって、iZotope製プラグインのアシスタント機能が示してくれる各セッティングは間違いなく学びも多く、作業の効率化につながります。

これからミックスを学ぼう…という人はもちろん、ある程度知識や経験がある人にとってもこの時短はメリットしかないと思われます。

もちろん、アシスタント機能が施す処理が自分に合わない…ということもあるでしょう。しかし、iZotope社も多くの専門家の意見を取り入れ、その最大公約数的な指標を盛り込んでいるはずなのですから、逆に言うとこれらアシスタント機能の示す設定が気に食わない…というのは、何かを間違って認識している可能性を受け入れる器量は持っていた方が、更にステップアップにつながるのではないでしょうか。

それでも「ワシには不要だ!」とおっしゃられる方は、多分、うち程度の稚拙なサイトには用もないと思いますので、そのまま突き進んででいただければ…と思います。

今回のお話の結果、ちょっとでも気になったあなたは、ぜひiZotope製プラグインに触れてみて下さい。
いきなり万単位のAdvancedグレードは…という方にはElementsグレードが比較的手に入れやすい価格設定となっていますので、セールでも狙って手に入れてみる事をおすすめします。

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Elementsグレードでも持っているだけで、アップグレード対象となって比較的お買い得な値段でStandard版やAdvanced版に乗り換えられたりしますし。

なんだか最後はiZotope製プラグインのオススメ記事みたいになってしまいました。

コンテストはまだやっていますので、まだファイルを手に入れていない人はぜひぜひダウンロードして、実際にミックスダウンしてみて下さいね!

そうそう、バックアップは大事!

でわでわ

素材となるファイルはLWEITTさんとこのコンテスト告知ページで手に入ります。
ミックスしようよ 2 | Lewitt Audio

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