ミキシング、ミックスダウン、トラックダウン、仕上がりのイメージは具体的に決めておこう!

DTM

ミックスダウン、トラックダウンという工程において、ミキシングのコツをあれこれ仕入れたくなるのは当然の欲求。

しかしその前に、あなたが今、2mixにまとめようとしているその曲のゴールはどれくらい具体的に見えているでしょう?

ゴールを決めずに走り出しても、迷子になること間違いなし。

デジタルオーディオにおける専門用語を解りやすく解説してくださっている「とーくばっく」著者 David Shimamoto さんが、業務用アカウントで英語圏の情報を和訳の上、紹介して下さっています。

その中で…


という動画を紹介されておられました。

この動画の内容を、和訳してつぶやいて下さる。

その中で…


という指摘が紹介されていました。

ありがちな間違いとして「リファレンスとなるミックス(既存曲)を使用しない」という指摘なので、使用しないのは間違いだよ!ってこと。

つまり、ミックスの作業を行うにあたって、目標とする理想の音源をリファレンスとして用意しておき、その音源に向かって手元の作業を行うようにすべし…ってことらしい。

用意した音源を耳の混乱をリセットするために使うのか、作業を始める前の儀式としてリファレンス音源を聴いてから始めるのか、見かけるサイトによって諸説分かれているようではありますが、つまりは音源を用意して具体的にゴールをイメージしておかないと、イカン!ということでよろしいかと。

いつ聴くか?に関しては自分が迷った時、いつでも聴き比べられるようにしておくに越したことはない。

実は最近、ちょうどこのミックスダウン・トラックダウンの作業でやらかしていたのでした。

Harrison MixBus をオススメすべきかどうか、悩んでるんですよね…って投稿の中で、自作曲のリミックスをしたわけです。

曲の制作はiOS版KorgGadgetで行い、一度そのまままとめ上げ、そしてそのファイルをガジェットソニック2018にエントリー。

その後、KorgGadgetから音声ファイルを各トラックバラバラで吐き出させて、Mixbusへインポート。

KorgGadgetからパラアウトで吐き出した際、おそらくマスタートラックでかかっていたであろうエフェクターなどの効果は省かれてしまっている。

なので、Mixbusでミックスを施した際、KorgGadgetで吐き出した2mixのようなノリ波形になることはなかった。

Mixbusでのミックスは、プラグインを使用しない方向で行ったこともあり、また、当然慣れていないこともあってギリギリまで音量を稼ぐ事が出来なかった。

Mixbus内に装備されているEQやコンプは使いました。もちろん、シンセの音色などコンプの必要なさそうなトラックには使っていません。

一度、マスタートラックに「PSP Xenon」というリミッター/マキシマイザーを挿してみたのですが、それだとMixbusでミックスしている値打ちが薄れるのかな?と一旦外しています。

で、そのまま2mixにした音源が先程のリンク先にあるわけです。

せっかくなので、ここでも聴き比べてみましょうか?

まずはコルグガジェットで吐き出した2mix。Mixbusの方に合わせて音量を下げています。

こちらがMixbus 32C V5でミックスしたファイル。

そして、ガジェソニにエントリーした元のファイルと、これらのファイルをリージョンで表示したもの。

こんな事をして遊んでいたわけです(笑)

で、こうやって聴き比べをするのなら、Mixbusでミックスしたファイルは、もともとのファイルに対して、各トラックが可能な限り似たようなバランスでミックスすべき…なわけです。シビアに聴き比べをすればするほど細かい違いに気を取られる。

ミックスの最終的ゴールのイメージはそこにある。

そこにあったにもかかわらず、微妙にシンセの音が大きくなっていたり、主旋律を奏でるギターの音量が大きくなっていたり、各トラックのパン設定が微妙に違っていたり…などなど、2つのファイルを聴き比べる時に、違う部分が多すぎてMixbusでミックスした成果を見つけるのに苦労するわけです。

このように、仕上がりにバラつきが出てしまったのはどうしてか?

ズバリ、元ファイルの音を聴き比べながら…という作業が足りていなかった、という結論。

その時の本人は、それなりに聴き比べ、いけてるよね?なんて思いながら作業していたにもかかわらず、結果的にはあきらかなリミックステイクが出来上がってしまった(笑)

どうしてそうなったのか?

やはり、同じ作業画面の中にミックス対象のトラックと、仕上がりを確認するための2mixを並べておいても、ミュート・ソロの切り替えや、ただ漠然と聴き比べているだけでは、それなりの精度になってしまう…ということなのだろう。

百戦錬磨の達人にさえやらなきゃ…と指摘されているのに、ズブの素人がそんなちょちょい…とやったところで、巧くいくわけがない。

こんな時に便利な道具がある。
その便利な道具とは…

比較をスムーズにするプラグイン(代名詞早くw)

ミックス作業を行っているDAWのマスタートラックに挿すプラグインで、このプラグインを使うと、ミックス中の音と、自分が目標としているリファレンス音源とを瞬時に切り替えて、聴き比べすることが可能になる。
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そんなん余分にトラックを用意してそこにリファレンスの音源をインポートしてソロ・ミュートすればええやん…と思うでしょ?
本当にそうなら私の先程のミックスももうちょっとマシだったはず(笑)

つまり、ちょっとした手間が、ついつい確認することを後回しにしたり、ほったらかしにさせてしまうわけです。

この「Magic AB」というプラグインを立ち上げておくことで、ミックス中の音源と、あらかじめ用意しておいた9つの音源とを瞬時に切り替えて聴き比べることが可能。

また、指定した特定の場所を繰り返しループさせる機能もあるので、じっくりと聴き比べられる仕様。
この機能が4桁円後半で手に入るなら、さっさと入れておかなければ!

こんな機能はDAWに元々備わっていてもよかったんちゃうの〜!なんて思ってしまいます(笑)

しかし、ちょっと待って!

この「Magic AB」というプラグインは音源と音源を瞬時に切り替えて聴き比べる作業をサポートするもの。

そこに、位相やステレオイメージ、スペクトラムアナライザやダイナミクス、音量を数値化してくれるラウドネスなどの分析機能まで付いているものがあるとしたら、そっちの方がありがたくない?

「Magic AB」が2013年頃に登場してからすでに数年経っておりますが、最近になって解析機能を備えた同様の聴き比べをするプラグインが登場しているのです。

それがこちら
ADPTR MetricAB – Plugin Alliance

プレリリースのデモ版のみ配布の段階で、あのゆにばすさん(@universe_ex)がレビューされておられますので詳細はそちらをどうぞ。
ミックスをリファレンスに近づけるプラグイン、ADPTR「Metric AB」レビュー 【Plugin Alliance】 : SynthSonic

その後、正式に販売が開始され価格が判明したのですが、これがなかなか高額…
まだFacebookのグループ「Plugin Alliance Audiophiles」に参加されておられない方であれば、2018年9月30日まで、バウチャーを貰えるキャンペーンがひっそり行われていますので、先にそのグループに参加申請をして、承諾されるのを待ったほうがいい。

その一手間で、本来の価格のほぼ半分で手に入ります。ってか、手に入れた(笑)

まだレビュー出来るほど使い込んでおりませんので、今回はゆにばすさんのレビューに頼りましたが、それでもこれが先程のリミックス作業の時にあったとしたら、きっともっとばらつきの控えめなリミックスを仕上げられたんじゃ…なんて思います。

まとめ

今回のリミックスでは露骨に同じ曲がミックスのゴールとしてありましたが、自作曲ではどうすんねん?ってなりますよね。

そこは、常日頃あらゆる音源に耳を傾けて、この仕上がりは目標にしたい!と思える楽曲を見つけておくしかありません。
そう、自分自身の耳で。

でも、あるでしょ?

憧れのアーティストのあの曲みたいな仕上がりにしたい!なんて欲求。
そんな欲求をスムーズに満たしてくれるのが、これら比較プラグイン。(なんて表現したらええん?早く代名詞をw)

ミックスダウンの段階でこれら「Magic AB」や「MetricAB」を使う場合、比較する音源がマスタリングまで終わっているものを使うのであれば、その点を忘れないように比較をしたほうがいい。

ミックスダウンのあとにマスタリング工程が控えているのだから、次の工程で作業する余地を残しておかないと、自分でやるにせよ、誰かにやってもらうにせよ、どないせぇっちゅうねんwとなるだろうから(笑)


Special Thanks

David Shimamotoさん(@gyokimae)
@VocalEdit_com
書籍「とーくばっく」第2版のご案内:Studio Gyokimae
Vocal-EDIT.com: Vocal Edits by Craftsmen


ゆにばすさん(@universe_ex)
SynthSonic
Computer Music Japan | DTM・シンセサイザーのセール・新製品など音楽制作情報サイト

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