MixChecker Pro とは、2mixファイルをエクスポートすることなく、様々な再生環境での聴こえ方をチェック出来るユーティリティプラグイン。
ミックスダウン作業そのまま、スマホやタブレット、カーステやテレビ・ラジオのスピーカーからどの様に聴こえるかをチェックできる。
ストリーミング配信を前提としている音源制作にはあると便利な一品。
MixChecker Pro 動画でチェック
ミックスチェッカーを実査に使っているところを動画にしてみました。
鳴っている音はAddictive Drums 2 のMIDIパターンを適当に引っ張ってきて鳴らしています。
ボタンが点灯していない時は、このAddictive Drums 2 の素の音です。頭と途中、最後の部分で無点灯になります。
ミックスチェッカー プロ
ミックスチェッカーというくらいだから、ミックスのチェックをするためのプラグイン。
(無印のミックスチェッカーとはパネルがやや違います)
シンプルな操作パネルに、見れば明らかな判りやすいアイコンがボタンとして並んでいる。
これらのボタンを押すだけで、そのアイコンに描かれている環境でどのように聴こえるのか?チェックさせてくれるという代物。
本来、仮ミックスとしてまとめておいた2mixのオーディオファイルをエクスポートして、スマホに入れたりタブレットに移したりして、実際に再生させなければ叶わなかった聴こえ方をざっくりチェックさせてくれる。
もちろん、物理的に全く同じ環境を再生できるわけではない。あくまでも再生環境をモデリングしてこんな感じやね…とチェックする程度。
しかし、そのチェックをしないで2mixファイルをエクスポートして移動して再生して…という手間を1からやらなくてすむのは非常に効率的。ある程度、このミックスチェッカーで整えておいて、その後、実際にエクスポートしたファイルを様々な環境で試聴すれば、叩き台を作る手間は確実に省くことが出来る。
どこまで信頼できるのか?ではない。手間を省くのか省かないのか?ということだ。
手間を省くことで、ハナからポータブルデバイスでのスピーカーの聴こえ方をなかったコトにしている人…けっこういらっしゃるのではないか?
スマホやタブレット端末によるネット閲覧が浸透してきた今、スマホやタブレット端末に付いている圧倒的に非力なスピーカーで音楽を再生している人が、無視できない程に増えている事から目を背けてはいけないと思う。
確かにスマホに入れた音楽はイヤフォンで聴く事が多いだろうけど、そこはほらミックスチェッカーもヌカリナイ(笑)
インイヤータイプのイヤフォンだけで4種類も用意されている。
再生させているプレイヤーが何なのかが判らないのですが、まぁイヤフォンで聴こえる感じにはなっている。そもそもスピーカーでイヤフォンの音をチェックする…ってのがそもそもよく解らんことになっていますけどねwそこはほら、その時だけヘッドフォンでチェックするとか対応して下さい。
こんな話の流れになりましたので、ミックスチェッカーに用意されている再生環境の内容から見ていきましょう。
ミックスチェッカーで聴ける再生環境
ミックスチェッカーの操作パネルを見れば、だいたい判るのですが、とりあえず12種類のデバイスが用意されています。
・モニタースピーカー
・PAスピーカー
・パソコン用小型スピーカー
・テレビ内蔵スピーカー
・ノートパソコン内蔵スピーカー
・タブレット内蔵スピーカー
・スマホ内蔵スピーカー
・イヤフォン
・ヘッドフォン
・カーステ
・ラジオ
・Hi−Fiスピーカー(オーディオ用?)
そしてこれら12のデバイスにそれぞれサイズ違いなどのバリエーションも用意されています。
タブレットやスマホのバリエーションは控えめですが、ヘッドフォンやモニタースピーカー、PAスピーカーはわりと豊富に用意されています。
こんなに用意していてどう使うねん!って思うでしょ?
そこもしっかり対応されています。
バリエーション違いの同じ項目を並べて設定することが出来るんです。
これはちょっと極端な例ですが、モニタースピーカーのバリエーションを全てならべて、余った所にPAスピーカーとHi-Fi(オーディオ観賞用)スピーカーを並べました。
この通りにしなくても、自分がチェックしたい項目をあらかじめ並べておけば、ポチポチっとクリックするだけで再生環境を切り替えることが出来ます。
下の段にある”AUTO”のボタンを押せば、1〜12秒の間で設定した時間おきに勝手に切り替わってくれる機能もあります。
そして、詰めるところと諦めるところを精査して、ミックスを微調整できると。
なんなら再生環境に合わせたミックスを作ってみるとか。…やらんかw
ミックスチェッカーの変わった機能 – NOISE –
このミックスチェッカーにはノイズ機能がついており、ミックス中の音源に駅や公園、地下鉄といった環境音を重ねて聴くことが出来る。
スマホの環境で再生する時、周りが無音…という整った環境ばかりではない…という状態まで再現してくれるというもの。
使うかどうかは判りませんが、まぁそんな機能も付いてるよ!ってことで(笑)
ちなみにこれだけの種類があります。
楽曲のネット上公開
インターネットを通じて制作した楽曲を公開するのはもう当たり前になってきました。しかし、このインターネットを通じて公開することの怖さをついつい忘れがちになっていたりませんか?
その昔、音楽を聴く…といえばレコードだったりカセットテープだったり、やがてCDが現れてMDも登場。こういったメディアの場合、再生される環境はある程度、定まっていたものです。この頃はあくまでもそれぞれのメディアを再生する機器を使って聴かれていた。
しかし、インターネットを通じて公開する楽曲は、様々な形態で聴かれることになります。
ただ聴かれるだけならいざしらず、場合によっては手に取った利用者側によってファイルを変換される心配まで生まれました。
あ、いやいや利用者だけに限りません。動画サイトやストリーミングサイトへファイルをアップロードする際にも、ファイルが変換されたり、音量を調整されたりと、どこでどんな手が加えられているかわからないのが現状となっています。
もうね、それら全てを警戒して対策する…ってムリ(笑)
だけど、せめて再生環境の模擬的なチェックが出来るっていうならやっててもいいんじゃないかと思うわけです。
先日、”nana”というサイトにカラオケを投稿したのですが、このサービスに投稿する際、ファイルにちょっとした制限がありまして、モノラルでなきゃいかん…とか、ファイルサイズは10MBまでとか、なにかと気を付けなければならないことがあるんです。
その時の事をこちらに綴っております。
→ 【 Studio One 】nanaへ投稿する時のお話 | ゆめはて.com
(結局ここでもミックスチェッカーの事に話は流れますがw)
そして、この”nana”というサービスを利用されている人が圧倒的にモバイル端末が多い(と思う)。
なぜなら、この”nana”というサービスがもともとスマホ用のアプリから始まっているから。
スマホ用のアプリから始まったサービスに、パソコンに入れたDAWでカラオケを作ろうってんだから、利用してもらうスマホでの再生を気遣うのは当然の話かと。
そうなれば、ますますこのミックスチェッカーが便利なわけです。
すべての再生環境に対して、1つのミックスで対応することは到底無理。しかし、あらかじめチェックしておいて最大公約数的なミックスを目指すことは出来なくもない。
多少の妥協は必要になってくるけれど、未確認のミックスとこれはしゃぁないか…と妥協したミックスとでは、やはり差が出てくることでしょう。
…そんなことない?
でわでわ
似たようプラグインが他にもありました。
→ SpeakerSim | NoiseAsh