iZotope社の Stutter Edit は、ダンスミュージックやヒップホップを含む様々なポップミュージックで使用されている「Stutter」編集を施すプラグイン。
電子音楽の畑では浸透している”スタッター処理”…かもしれないが、ワシはよく判らんので調べてみました。
ワシ同様よく判らん方も、よくご存知やけどまだ手にしておられない方も、どうぞ続きをご覧ください。
Stutter Edit – iZotope
StutterEditというプラグインは、ひと言でいうならば「スタッター編集を施すプラグイン」ということになる。
しかし、その「スタッター」が判らんのじゃ(笑)
iZotope社国内代理店TACSYSTEMさんとこのページによりますと…
Stutter Editは、Stutterテクニックの先駆者で知られるBTことBrianTranseau(ブライアン・トランソー)とのコラボレーションで生まれた、多くのDJプレイヤーの待ち望んでいたStutter Editソフトウェアです。
ということらしい。
やはりDJ界隈の方にはよく知られた手法なのでしょうか?
“Stutter”という英単語の意味が”吃り”ということなので、リズミカルに音源を吃らせる…という認識でいいのだろうか?まぁ、言われてみればそんな効果を感じるプリセットもあったにはありました。ただ、吃りではありえないでしょうwという程に細かい繰り返しだったり、吃るだけでそんな音程変わらんやろwって効果もありました(笑)
そんな様々な加工を施すのがUIに詰め込まれた数々のモジュール。
この画面の中だけでも「STUTTER」「QUZNTIZE」「BUFFER POSITION」などなど14ものモジュールがあり、これらを必要に応じて使い分けて、様々なスタッター編集を行う。
その他、「GENERATOR」と呼ばれる隠れモードもあり、より複雑さを増している(笑)
ただ、このGENERATORはSTUTTERと切り替えて使うようで、同時に使用するわけではなさそう。(使えるのかもしれませんが現時点では同時使用する方法は不明)
使い方の特徴
このStutterEditは、通常のプラグインとは、やや使い方が違うので先にお伝えしておきます。
まずはプリセット一覧をご覧ください。
左側にある”BANK”にプリセットがグループごとに分けられて並んでいます。
で、中央から右にかけて鍵盤の図がありこれらの鍵盤毎にプリセットが記されています。この鍵盤に記されているのがプリセットの設定名。左側のBANKにあるのはカテゴリーごとに分けられたプリセットのグループ名までが記されているのです。なので、実際のプリセット設定は莫大な数、用意されています。(この画面では無料で配布されているプリセット集もインストールされています)
ここで、カンのいい人なら「じゃ、この鍵盤を押せばStutter処理がリアルタイムでされるのね?」とお気づきでしょう。
その通り!
スタッター編集を施したいトラック(打ち込み済み)にこのStutterEditを挿して、画面の鍵盤を操作してやれば様々なStutter処理をリアルタイムで施すことが出来ます。
これは接続した外部MIDI鍵盤でも操作可能(これには後述する設定が必要)。
なんなら音源を演奏しながらこのスタッター編集をリアルタイムに施すことも出来そうなのですが、その為にはMIDI鍵盤が2つ必要で、うちには1つしかないため検証できておりません。
(ちなみにひとつでやった場合、設定が間違っている為か音源の演奏しか出来ませんでしたw)
StutterEditをStudioOneで使ってみた
それでは実際にDAW(StudioOne)で使ってみましょう!
まずは、StudioOneに音源を用意。ここではXpand!2を使います。
音色は「 001 Bright Pads >> Beneath The Waves+ 」で、C3の音をロングトーンで「びぃよぅわぁ〜ん♪」と鳴らしています。
一応音源を置いておきますね。
で、この音にスタッター編集を施したいので、同じトラックにStutterEditを挿します。
先程紹介したように、プリセットの画面にある鍵盤を操作してスタッター編集する分にはこれで処理できます。
しかし、そんなわけにはいきません(笑)
鍵盤にプリセットの設定があてがわれていますので、つまりMIDIノートをトリガーとして自動で処理してくれるようにしたい。
トリガーとは?
何らかの動作を開始するためのきっかけとなる命令や信号のこと
そのため、トリガー用のMIDIトラックをひとつ用意します。
これで、このトラックに打ち込んだノートがトリガーとしてStutterEditへと送られることになります。
このStutterEditの処理を複数の音源にかけたい場合、同じ効果を施すのであればバスチャンネルを立ち上げそこにStutterEditを挿してやればまとめて処理できます。
FXチャンネルでもいけそうです。バスチャンネルとFXチャンネルの使い分けは各々の判断に委ねますw
スタッター編集された音と、素の音をブレンドしたい時はFXチャンネル(もしくはバスチャンネル)へセンドから送ってやればブレンドできるはず。
ひとつひとつ別のタイミングで別の処理を施してやりたい場合は、各音源トラックにそれぞれStutterEditを挿してやり、それぞれにトリガー用のMIDIトラックを用意してやり、ノートを打ち込んでやります。
その際にはトリガーとなるMIDIトラックのインストゥルメント出力を間違えないように選んでやって下さい。
ここまでの設定が出来れば、打ち込んだトリガーからAtutterEditのプリセットを操作してエフェクトをかけてやることが出来ます。
StutterEditのプリセット
音源もそうですが、エフェクターなどのプラグインもまずはプリセットの音を確かめてみるに限ります。
ここでは先程もお伝えしたXpand!2のプリセット「 001 Bright Pads >> Beneath The Waves+ 」で、C3の音をロングトーンを鳴らしたものにスタッター処理を施していきます。
トリガーを送るMIDIトラックには4拍毎に半音ずつ上がっていくMIDIノートを打ち込んでいます。
プリセット一覧で見ると下から上へ向かって半音ずつ切り替わります。
(この画像はC0が24となっていますが、これより下はEmptyなので省略)
まとめ
はじめて Stutter Edit のプリセットを聴いた時は、映画「トランスフォーマー」の中で聴かれた特殊な音を出すエフェクターかい!?なんて思ってしまいました。
(動画や音声で紹介したプリセットの中にも一部それっぽい音があったと思います)
日常的に聴くことのない音を作り出せるすごいエフェクターやな…と。
あと、DJ界隈のみにあらず、ラジオの番組中に流れるサウンドステッカーっていうのでしょうか、CM前後やコーナーの区切りに流れる数秒程度の音源を作るのにも効果を発揮してくれそう。ってか、すでに使われているのかも?
とにかくプリセットを一通りじっくり聴きまくって、どんな効果が偉えるのか?(スタッター処理を施す音を変えれば効果も変わる)、実験をそうとう繰り返して把握しないと使いみちに困ってしまうほどインパクトのあるエフェクターだと思います。
電子音楽やサウンドステッカー界隈以外の畑では、まだまだ聴き慣れない効果をもたらしてくれますので、様々な畑で活用されるのを楽しみにしています。
でわでわ