楽器の音色

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楽曲制作、演奏の環境にデジタル技術がすっかり浸透してしまった今も尚、アナログ機材を重宝する方が少なからずいらっしゃる。

もしかすると、このままでは少数派となってしまうかもしれない古い道具についてつらつらと。

有名なヴァイオリニストのコンサートに行くってのは、その方の技量を拝むに加え、その方が持つ銘器の音を聴きに行く…って事だと思う。よく知らないけど(笑)

だけどロックバンドの演奏だって曲は勿論のこと、楽器の音色だって重要なんとちゃうか?…と。

折角雑誌などで機材紹介されていたりするんやし。ギターマガジンやヤングギターなんて本をパラパラめくれば旬のギタリストがステージで使用しているギターやアンプ、エフェクターなどが紹介され、フレーズ解説なんてされていたりする。きっとそれはほかの楽器を扱う雑誌だって似たようなものだと思う。

エレキギターの場合、アンプまでが楽器…なんて表現があるけど、プロのそこにシミュレータが混ざってるのはなんだかやるせない。誰だったかは失念しましたが、ついにはiPadをステージ脇に置いて、そこから卓に送って演奏してしまう強者まで現れたらしい。

安定して求めている音色が使えるのだから便利この上ないことでしょう。素人のわたくしがブラインドテストしたって、きっと聴き分けられないと思う。なぜならホンモノの音を普段聞き慣れていないから。ここでいう「ホンモノの音」というのはアンプから出ている音のこと。確かにレンタルスタジオに赴けば有名所のチューブアンプを貸してもらえたりはするでしょう。しかし、そこに自分のギターを挿して、果たしてお目当てのギタリストと同じ音が出せるか?っていったら無理100%(笑)きっと機材全てが目の前に揃ったとしても同じ音は出せないことでしょう。諸説ありますがw

ましてやアンプから直接出ている音と、ライブ会場のP.A.スピーカーから出ている音、スタジオで加工された音には隔たりがあり、全く同じとはいえない。状況によって音は変わるし、楽器や機材、演奏する人のコンディションによっても違ってくる。

それ程、デリケートな楽器の音を、日程を調整して、チケットを取って、会場まで足を運んで聴きに行くのだから、最高の音を聴かせて欲しいと思うのは、聴き手のわがままではないと思う。

そして、いよいよ目の前で演奏が始まるぞ!って時に、レコーディングで使用していたはずの楽器や機材がステージ上に見当たらないことに気付いてしまったら、やっぱり寂しいのではなかろうか。

いや、最近ではレコーディングで使用されるアンプも、シミュレータに取って代わってしまっているような話は聞こえてくる。

アンプから出て来る音を最高の状態で録音するのだって手間隙がかかること。

レコーディングに予算が取れない現場では、サクッといい音が取れるシミュレーター、後から音色を差替えられるプラグインアンプはとっても便利。

そりゃ、便利な方を選ぶ人が増えるのも仕方ないのかな。

で、それで、ロックバンドの演奏が楽しめているのならいいか。

いいのか?

ドラムやベースの演奏もMIDIに差替えられて、ギターはデジタル機材で方付けられて、なんならボーカルだって加工修正されて元の声が判らないくらいいじられる場合もある。その方が聴き心地いいもんね。

って、ほんとに思う?

ピッタリジャストのタイミングで刻まれるビートに機械か人間か判らないフレーズが乗って、なんだか小難しく難解な歌詞を聴かされて。いや、小難しく難解な歌詞は昔からあったわw

まぁ、それでいいからヒットチャートから楽器の音が消えつつあるんやろうしね。

下手な演奏を聴かされるより、なんなら音源を流してクチパクで見ている方が安心かね。
(ここで言う「下手な…」っていうのは、技術的な上手い下手ではなくて、トラブルの可能性を含むって意味です。)

同じ曲を、何度も何度も繰り返し聴いて、頭に叩き込んでステージを観に行く。そこで繰り広げられる感動は繰り返し聴いた度合いに比例するもんやと思っていた。

あの曲のギター・ソロがこうやったあぁやった、あの曲のシャウトがたまらんかった、あの難解なフレーズをヘラヘラ笑いながら弾いてたよwそんな多くの発見が楽しめる場所が舞台。

けど、最近はそんなん流行らんのかね。

舞台に憧れのアーティストが立っていて、そのステージを見ている私素敵!ってシチュエーションが醍醐味なんかな。

なんだか話が逸れてしまいましたが、お金が廻ってくる方には是非、本物の楽器を使っていただいて、いつまでも本物の楽器が楽しめる世界であってほしいな…なんて、ふと思っちゃいました。

あのGibson社が米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を米裁判所に申し立てるくらいですから、楽器の需要は先細りになるかもしれない。(ギブソン社の倒産は楽器の売れ行きだけではないらしいですが。)

楽器の演奏ってもっと身近で手軽なものであって欲しいと思う。多くの人が手軽に楽器を手に取れて、気軽に演奏が楽しめる簡単アレンジのカッコイイ曲をたくさん創っていただいて、そしてホンモノの音をプロの方には聴かせ続けていただきたい。

そんな事をふと考えてしまいました。

だからといって、デジタルが何でもかんでもダメってわけではなくて、その線引きはまだちょっとあいまい。お金をあまりつぎ込めないライトユーザーにはデジタル機器やソフトウェアはありがたい存在ですし、プロの方が使いこなすソフトウエアの設定も気になるわけですから、使わないで!というわけではなく、演奏の現場や音源の中では「やっぱりスゴイわ」と思わせて欲しいな…。

などと、つぶやこうと思ったのですが、なんだか取り留めもなくなってしまったので、こちらに投稿することにしました。

あらあらw

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