Wavesから新しいチャンネルストリッププラグインが登場 【 CLA MixHub 】
ただチャンネルストリップってだけなら””もういいかぁ…”なんて思ったのですが、よくよく調べてみると、ひとひねりされているってことで思わず買っちゃいました(笑)
どんなひとひねりで何を思って買ったのか?興味ある人は続きをどうぞw
CLA MixHub のひとひねり
一見、ただのチャンネルストリッププラグインなんですよ。なんなら先日の投稿でも比較したようにScheps Omni Channelとイメージが被っちゃう。
Scheps Omni Channelは実在する卓のモデリングではないだけに様々な機能を盛り込んでくれていて、これひとつでなかり幅広くカバー出来る印象を持てた。
しかし、今回登場したCLA MixHubは、表面的には彼所有のコンソールをモデリングしたチャンネルストリップなので、コンプの青パネル76意外は目立った付加価値は見当たらない。
…そう、見当たらないのは地味なボタンに新しい機能があてがわれていたから(笑)
その地味なボタンが”BUCKET VIEW”と書かれたボタン。
なんじゃ?”バケツビュー”って?って感じですよねw
CLA MixHub – BUCKET VIEW
BUCKETという名前が馴染みなくてそれだけではピンときませんが、1BUCKET=8chまとめて表示できる。
で、それが8BUCKETまで使えるので、合計64チャンネルをこのプラグイン1つの画面の中から操作できる…ということ。
それの入り口が”BUCKET VIEW”ボタン。
このために、DAWの方で、各チャンネルにそれぞれこのMixHubを挿しておかなければならない。
CLA MixHub – サミング
StudioOneでは、ドラッグ&ドロップでプラグインをポイポイっと挿していけるのですが、このMixHubもドラッグ&ドロップで同様にポイポイ挿していける。ステレオ・モノラルは別のコンポーネントになっているので、そこはユーザーが判断して挿してやらなければいけませんが、それだけ気をつけていればポイポイ挿せる。
もちろん、チャンネルに挿したMixHubをとなりのチャンネルにドラッグ&ドロップしてもいい。
この場合でも、チャンネルに挿したMixHubは勝手に”None 2″,”None 3″とナンバリングしてくれるので、もしかしたら、PluginAllianceから出ているSSLコンソールのモデリングプラグインでアピールされているTMTのように各チャンネルで微妙な違いを付けてくれているのかもしれませんが、そこは未確認です。
TMTについては”とーくばっく”の著者デビ先生が解説されていますのでそちらをどうぞ。
→ Plugin Alliance "TMT"機能について | blog : Vocal-EDIT.com
まぁざっくり言えば、チャンネルストリップの挙動を1チャンネルずつ微妙に違いを付けて(そもそも実機のモデリングなので微妙にズレが勝手に出る)よりアナログ感を演出してくれている…ってところでおおかた間違いないと思います。(なんでそれがアナログ感なんや!って人はデビ先生のページをご覧くださいw)
WavesのSSLコンソールプラグインではここの部分が省略されているようで、SSLコレクションバンドルとは別にNLS Non-Linear Summerというサミングプラグインが出ています。
→ Analog Summing Plugin – NLS | Waves
左がチャンネル用で右がバス・マスター用。
つまり各チャンネルにチャンネル用のNLSを挿してVCAチャンネルを設定して、バスチャンネルかマスターチャンネルでバス・マスター用のNLSを挿してやると、チャンネル用NLSで設定したVCAチャンネル別にバス・マスター用のNLSでバランスを取ることが出来ると。
もちろん、MwavesSSLコンソールのプラグインで省略されていた卓の質感はこのNLSでサミング効果として付加される事になっています。
(しかもSSL 4000Gタイプ、EMI TG12345 Mk 4 deskタイプ、Neve 5116 consoleタイプのモデリングをひとつ選べる)
ただしWavesは100以上のチャンネルをモデリング…と謳っていますが、MTMのようにチャンネルを指定することは出来ません。これはCLS MixHubでもそうなので、Wavesはそこに重きは置いていないのかもしれません。
こういった話を踏まえると、CLA MixHubは、SSLコンソールプラグイン+NLS Non-Linear SummerをScheps Omni Channelの箱に詰め込んだプラグイン…と思っていいのかな?という感じ。
DAW in CLA所有ミキシングコンソール
あくまでもイメージ(私が作った画像)ですが、パソコンの中にこんなミキサーが入る…ってことです。
(これで32chなのでこの倍w)
実際に操作できるのは8BUCKET(1BUCKET8ch✕8)個別で、さらにインプット部コンプ部EQ部アウトプット部ごと…ということになります。
別のチャンネルに刺さっているCLA MixHubを表示してやることで、同時に見ることが出来ますが13インチだと4枚は厳しいですw
同じBUCKET内のEQ部とコンプ部の同時表示もいけました。
CLA MixHubもこれまでのWavesプラグイン同様、表示サイズを変更できませんので、クリスロードアレジが動画の中でやっていたような4枚同時表示は液晶サイズがもうちょっと大きくないと出来ないようです。
その動画はこちら
どうしてCLA MixHubを買ったのか?
もうね、チャンネルストリッププラグインもそこそこ持て余している(そもそもそうそう同時に使うことがないw)ここへきて、どうしてまた更にこのCLA MixHubを購入したのか?
実はですね、もともとミックスダウンまでをStudioOneで片付けるのではなく、音をある程度整えたら、ミックスダウンをHariison Mixbus 32C V5にステムを持っていってからやろう…なんて考えていたんです。
で、先日ミックスダウンコンテストなんて始まったので、これはちょうどいい!ってもんでStudioOneで音を整えて、Mixbusへ放り込んでやったんです。
そしたら、トラックの順番はごちゃごちゃになるし(笑)順番の買え方はわからないし(笑)ミキサー画面は小さくて見辛いし(笑)まだまだMixbus修行が足りてなかったな…と。
数々の名盤を生み出してきたコンソールを通したミックスダウンってなんか憧れるでしょ(笑)
だから、なんとかMixbusを通しておきたいな…と思っていたところでのCLA MixHubの登場。
クリスロードアレジといえば、数々のロック名盤に携わってきた名エンジニア。
そのアレジ所有のコンソールをモデリングして、更にはこのプラグインの中でミックスまで出来る…っていうんだから、それならStudioOneで最後までやるか…ということでした。
流石にMixhubのアウトプット部まで使い始めると、StudioOneのミキサー部と操作がかぶるので、どちらかに絞っておいたほうがよさそうなので、今のところMixHubのアウトプット部は使っていませんが、ひょっとしたらこのフェーダー部分を操作したことで得られる質感が大事なのかな?なんて勘ぐっているところであります。
もともと無味無臭のDAW内のミキサー部ですが、やはりアナログコンソールを通すことで得られるものがあるからこういったチャンネルストリッププラグインがまだまだ発売されるんだと思います。
正味、わたくしごときの作品でわざわざ銘器が置いてあるスタジオを借りるのもおこがましい話ですし(笑)
とはいえ、せっかく手の届く値段(購入時$69)で手に入るのですから、使わないと…です。
いやほんと、いい時代になりましたよw
でわでわ