iZotope Relayとは、特定のInter Plug-in Communication(IPC)互換のiZotopeプラグイン間で、音声データやヴォリュームやパンニング情報を送受信するためのプラグインの事。
指定したトラックとトラックの間で音声の解析、比較、パン・ヴォリュームなどの操作を可能にする。
Inter Plug-in Communication(IPC)互換のiZotopeプラグインには「Insight 2」「Tonal Balance Control」「Neutron 2」「Neutron 2 EQ」「Neutron2 Visual Mixer」がある。
Relayとは
英単語的な意味で「Relay」とは、受け継いで次々に渡していくこと…中継という意味らしい。運動会の競技種目にある「リレー」がいい例。
「Relay」と聞いて「Reverb」+「Delay」だから「Relay」ね…と思った人!
はい、それ違います(笑)
ちなみにわたくしmog(もぐ)も、はじめにそれを思い浮かべましたw
「そういえばAddictive DrumsにDelerbって空間系エフェクターがあったもんねw」なんて思いながら。
iZotope Relayとは、本来の英語の意味に基づく意味合いを持ち、トラックとトラックを連結させる為のプラグインの事。
単体での販売はなく、必要なプラグイン、もしくはバンドルについてくる。
具体的にどのように使うのか?見ていきましょう!
iZotope Relayで何が出来る?
DAWの中で、各トラックの音をある程度の本数まとめて調整したい場合(ドラムトラックや複数トラックある同じ楽器など)バス・トラックやVCAトラックで束ねることがある。
こうしておくことで、ドラムトラック全体を均等に音量操作したい場合に便利。
しかし、この操作はDAWに実装されたトラックでの操作しか出来ない。
そこで、iZotopeプラグイン同士で連動させるために開発されたのが「Inter Plug-in Communication(IPC)」という規格。これによって、DAWの中でしかやり取りできなかった音声データなどをプラグイン同士でやり取りすることが出来るようになる。
例えばNeutron2では、別トラックに挿したNeutronから音声データを引っ張ってきて、別トラックとの音を比較することが出来る。
オーバーヘッドトラックのNeutronでEQを表示させ、キックトラックに挿したNeutronから音声データを連動させることで、キックトラックのアナライザ表示をすることが出来る。そして、オーバーヘッドトラックのアナライザ表示の左の方がやや白くなっている部分がある。ここがキックトラックと「ぶつかっている帯域だよ!」と教えてくれているのだ。そのガイドを見ながらオーバーヘッドトラック・キックトラックどちらのEQもここから操作することが出来る。
ところが、Neutronが挿さっていないトラックからは引っ張ってくることが出来ない。しかし、これ以上プラグインを挿すのは不都合(重たくなってしまうとか)がある…という場合に、このRelayプラグインを挿すのだ。
(RelayではEQなどの機能がないためアナライザ表示は省略される)
すると、Neutronが挿さっていないトラックからでも音声データを引っ張ってくることが出来るようになる。便利!
その他、バス・トラックもしくはマスタートラックに挿したInsightのSpectrogram機能で音源全体の成分に対して指定したトラックの音がどの様に分布して含まれているのか?をチェックしてみたり…
バス・トラックもしくはマスタートラックに挿したInsightの「Intelligibility」機能でRelayを挿したトラックから音声データを引っ張ってきて確認することが出来る。
あと、Neutron2 付属(elements不可)のVisualMixerにもRelayは対応しており、ここで操作した音量・パンニングの設定はDAW上の設定を差し置いて優先される。
(モノトラックに挿したRelayではパンニングの設定が出来ないため、モノトラックの音を中心以外に置きたい場合はNeutronを挿す)
まとめ
iZotope Relayとは、iZotope社お得意のプラグイン同士の連携を支えてくれる縁の下の力持ち…的存在。このプラグインがあるおかげで、必要のないトラックにまでNeutronを挿しまくる…という惨状を回避することが出来るのだ。
この「Relay」自体にはそれほどの機能は備わっていないとはいえ、決してその存在を忘れてはいけないプラグイン…と言える。
でわでわ