iZotope社のアシスタント機能搭載チャンネルストリッププラグイン[ Ozone8 ]のプリセットから見えてくる、想定される使い方を探ってみます。
マスタリングスイートとして注目されるOzone8は、マスタートラックに挿すしかないのか?その他の使い方が隠されていたりして?
興味のある人は続きをどうぞ。
Ozone8のプリセット
Ozone8のプリセットは以下のようにまずカテゴリーに分かれている。
多目的マスタリング、ジャンル別マスタリング、インストゥルメント&バス、シグネイチャープリセットとある。
この段階で、すでに楽器別に使えそうな匂いが…
各カテゴリーの中身
続いて、各カテゴリーの内容を見ていきます。
All Purpose Mastering
まずは多目的マスタリングカテゴリーから。
多目的マスタリングカテゴリーの中にはかなりの数のプリセットが用意されている。
CD Masterのように、見るからにマスターチャンネル用…と思わえるものから、Tight Bassといった低音域を個別に狙ったようなプリセット名、In Your Faceのように名前からはその効果が想像しにくいものまでバラエティー豊かに揃えられている。
Genre Specific Mastering
これはジャンル別マスタリング…って意味でいいのよね?(英語の詳しい方、ご指摘がございましたらツイッター(mog@ゆめはてコム)までお願いしますw)
確かに、音楽のジャンルがそのまま名前になっているプリセット名がいくつか目につく。
とはいえ、ひとつのジャンルがひとつのプリセットでまかなえはずもないので、このプリセットから微調整を施すのは必至。
Instruments and Busses
続いて楽器・バスチャンネル用プリセット。
バスチャンネル用が”Bus”と名付けられているのだとしたら、アコースティックギターと名付けられたプリセットはギターチャンネルに使ってもエエで!ってことかな?
今回は特別にアコースティックギタープリセットの内容を見てみましょう。
(画像はクリックで別窓拡大表示できます)
アコースティックギタープリセットの中で使われているエフェクターは3種(イコライザー・ダイナミックEQ・ダイナミクス)。
ダイナミクスではコンプレッサーとリミッターがガッツリかけられているのでやはり複数本のアコギチャンネルを束ねたバスチャンネルで使うことが想定されているのかな?
とはいえ、アコギったら音量差が激しいので、アルペジオとストロークの混ざった演奏だったりするなら、これくらいリミッターをかけることもありそう。
ただ、Ozoneはそれほど軽いとは言えなさそうなので、これらのセッティングを見本として、手持ちのEQやコンプ・リミッターに置き換えてみるのはアリですよね。いい見本になってくれるかも。
とはいえ、DynamicEQを他のプラグインで持っていなかったりするかもしれない。そんな時、Advancedグレードであれば、OzoneのDynamicEQだけを個別にインサートしてやることも出来る。
この理由だけでもAdvancedを手にする価値はあると思いますが、他にも
・Tonal Balance Controlが付属
・Spectral Shaperが使用可能
・ヴィンテージ系エフェクト(VINTAGE COMPRESSOR/VINTAGE TAPE/VINTAGE EQ)が付属
・Neutronとの連携
などなど…といった、Advanced版だけの機能が満載。
Ozone8を手に入れるならAdvanced版がオススメ!
Signature Presets
最後にシグネイチャープリセットを見てみます。
プリセットの中にはカテゴリーがひとつ…”Greg Calbi Mastering Presets”とあるだけ。これはもう名前をつけるだけの為にひとつディレクトリをかませた…という感じですねw
で、そのグレッグカルビさん、どんな人か?といいますと…
まずはiZotope社の紹介から。
→ Mastering the Mix: It's All About the Blend | iZotope Interview with Greg Calbi
最近ちょっとリツイートをされているくらいですがツイッターをされています。
→ @gregcalbi
世界で最も忙しいと噂もされるマスタリング・スタジオ、スターリング・サウンドのサイトではシニアマスターエンジニアとして名を連ねておられます。
→ Greg Calbi | MASTERING ENGINEER – STERLING SOUND
英語にはなりますがWikipediaのページもありました。
→ Greg Calbi – Wikipedia
リンク先を辿るのが面倒くさいwとおっしゃる方のために携わった音源を並べておきますね。
・Bruce Springsteen
_Born to Run
・John Lennon
_Walls and Bridges
・Talking Heads
_Remain in Light
・Paul Simon
_Graceland
・Sarah McLachlan
_Fumbling Towards Ecstasy
・David Sanborn
_Songs from the Night Before
・Lady Gaga & Tony Bennett
_Cheek to Cheek
そうそうたるアーティストの名前が並んでいます。そんなスゴイ人がOzoneを使うならこう設定するよ!といじってくれたのかもしれません。
プリセット名には随分と”ディテール”が並んでおります(笑)。
これはもう、数も10種程度ですし、一度じっくりその詳細をほじくりかえしてみないとけませんねw
まとめ
Neutron2に続いてOzone8のプリセットも一通り名前を見てきました。
→ 【Neutron2 iZotope】プリセットから見える使いみち | ゆめはて.com
もともとマスタリング用という用途を謳っていますので、なかなか各楽器のチャンネルには使わないかな?というイメージを持ちがちではありますが、プリセットの中には楽器別と思われるプリセット名もありました。
また、途中楽器・バスチャンネル用プリセットのところでも言いましたが、このOzoneのプリセットやアシスタント機能が段取りした設定を見本として、手持ちの他社製プラグインに差し替える…という使い方は、いい勉強にもなる。
そう考えると、予算的にOzoneとNeutronを一度に購入が厳しい…という場合は、作品の進捗にもよりますが、仕上げ待ちの曲がある場合、こちらのOzoneから手に入れて、各楽器別プリセットやバスチャンネル、マスターチャンネル用プリセット、アシスタント機能の段取りする設定を目当てに、手に入れるのも悪くない。
いやいやマスタリングはLANDRかeMasteredでエエねん!キッチリ自分でミックスダウンする方が大事!って人はNeutron2に手を出すべきか。プリセットをじっくり眺めて比較してみてください。
もはやプリセットやアシスタント機能のカンニングなんて必要ないぜ!なんて言う人は、ご自身の耳を信じて食指の動くプラグインを吟味する方が幸せになれるかも知れませんね。
とはいえ、ある程度下ごしらえをしてくれるアシスタントを雇う事を考えると、とんでもなく安くつく…という考えられますから、カンニング目当てではなくても、一度アシスタント機能を試してみるのも面白いかと思います。
アカウント作ればデモ版を試すことも出来ますし。
でわでわ